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【第22回】久米島の海の恵みを地域ブランドへ (株)ポイントピュール 社長 大道 敦氏(沖縄)(2009.01.07)

大道社長 (株)ポイントピュール 社長 大道 敦氏(沖縄)

 (株)ポイントピュール(大道敦社長、沖縄同友会会員)は、2001年創業で、久米島から直送した海洋深層水をベースに、天然素材にこだわった化粧品の研究開発・製造を行っています。

苦労の先にあったヒント

作業風景  大阪で理容師の仕事に就いていた大道氏は、1984年に故郷の久米島に戻って夫婦で理・美容院を開業。最盛期には1日に50名のお客を受け入れ、お店の外までお客さんが並ぶほどの繁盛ぶりでした。

 しかし、10年ほど前から、お客さんが少しずつ減っていることに気づきます。何とかしなければという思いの中、理・美容師の職業病であるパーマ液やシャンプーによる手荒れに苦労した経験から、「安心・安全なものをお客様のためにも自分のためにも使いたい」と、化粧品の製造会社を立ち上げ、地域の自然素材を使った商品開発に取り組みました。

地域に眠る素材に光を当てる

 2000年に久米島で沖縄県海洋深層水研究所が設立されたのをきっかけに、海洋深層水を利用したシャンプーや化粧品の開発に着手。2007年の時点で海洋深層水の分水申請は、56社が手を上げましたが、事業化に至ったのは17社のみです。

 沖縄の素材を使うことにこだわりつつ、幾度となく研究を重ね、全国へ発信できるレベルの化粧品を製造するまでに成長するころには、社員も30名まで増えてきました。「18歳から理容師をしているので、化学の知識はありません」と語る大道氏。研究開発や販路開拓はプロを呼べばできることですが、現在、工場長をしているのは地元の人です。プロになるまでに8年を要しました。社内の県外出身者は、インターネットから情報を得て、志願して来た目的意識の高い社員ばかりです。久米島で起業したからこそ意味があると、大道氏は島への思いを語ります。

自立した社員を

社屋外観  出張が多く、月に7日ほどしか社内にいることができない状況が続く中、その間の社内の動きを知るために、朝のミーティングと日常の「報告・連絡・相談」を徹底して行うことにしました。

 社長が不在でも会社は動いているように、社員一人ひとりが自立し、仕事に取り組む姿勢を持つように変化していきました。出張にはなるべく新人を連れて行き、刺激を与えて学習意欲を高めることにしています。「向上心のある人なら、3カ月でプロに育成することも可能」と、社員教育についても戦略的に取り組んでいます。

求められている物は何か

 OEM(相手先ブランドで販売される製品を製造すること)事業では、商品開発から製造・製品化まで、お客様が気に入るまで改善を重ねます。ノーと言わない営業法は、「やってみましょう」と自社へ持ち帰ってから、できる方法を考えました。「トップが自ら営業へ出向くことで、先方のトップに対応してもらえる。そうすることでお客様の求める商品を明確に捕らえ、自ずと信頼関係を築くことにつながるので、後は社員につなぐだけです」と語ります。

 2004年、沖縄同友会へ入会したきっかけは、(株)沖縄教育出版の川畑社長の紹介でした。沖縄教育出版の通信販売事業も、(株)ポイントピュールの製造する化粧品を扱うようになっています。これまで同友会の行事になかなか参加できずにいますが、大道氏は「地域に根ざす中小企業として、これからもっと関っていきたい」と語ります。

地域ブランド発信に向けて

 不況感が漂う昨今、自社だけもうかっては意味がありません。久米島における生産額のうち、サトウキビが10.9億円、車エビが10.8億円を占めていますが、海洋深層水事業では、それらを上回る15億円まで発展し、地域経済に及ぼす影響がいかに大きいかがわかります。地域全体を活性化させることを考えなければいけないと、大道氏は常に考えています。

 理・美容師の資格を活かした化粧品製造で、今後は地域ブランドとして海外への輸出にも積極的に取り組んでいきます。2月に熊本で開催される「第39回中小企業問題全国研究集会」(中同協主催)の第2分科会で報告する大道氏、経営にもさらに力が入ります。

会社概要

設 立:2001年
資本金:6,500万円
社員数:30名(うち、パート・アルバイト13名)
年 商:3億円
業 種:化粧品製造販売
所在地:沖縄県島尻郡久米島町字真謝486-12
TEL:098-896-8701
FAX:098-896-8702
URLhttp://www.pointpyuru.co.jp

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