【第5回】社員の幸せを求めて 高田舗装(株) 代表取締役社長 高田 勝敏氏(石川)

高田社長

高田舗装(株) 代表取締役社長 高田 勝敏氏(石川)

感謝される会社へ

 道をつくる仕事に携わる高田舗装(株)は、自然と調和した環境をめざして、経営理念に「私達は、環境整備を天職と考え、国土を守り業務を通じて技能と人格を磨き立派な日本人と成るように努める」とうたっています。同社では理念や業務精神とともに、今起きている状況を冷静に受け止め、良くなるための現象と考え前向きに行動する、と行動指針に掲げ、社長と社員の「共に育つ関係づくり」に取り組んでいます。

「共育塾」で意見交換

社屋

 高田氏は2010年10月に石川同友会に入会しました。以前は舗装関係の業界を通じた付き合いが多く、「業界に支えられ生活している」という感覚を持っていました。同友会に入会しても、社員から見れば「社長が同友会に入って勉強し始めたけれど、いったい経営理念で儲かるのか」という疑問がでていました。

 2011年度には、同友会の「第2期共育塾」を受講。「共育塾」では社長と社員が一緒に参加するため、「社長は勉強している」ということが社員に自然に伝わり、テーブル討論では他社の社員や社長と意見交換ができます。「『他社も同じように悩み、学んだ事を改善に向けて実践している』ということが自社の社員にも分かる良いきっかけになりました」と高田氏。以前は「業績を上げること」が第一目標にしていましたが、現在は「良い会社を皆でつくろう」を大きな目標に変化しています。

企業訪問など体験型で理解を深める

 同社では、理念経営の取り組みの中で、社員研修としていろいろな会社に企業訪問してします。以前高田氏が訪問したある企業では、「なぜ整理整頓するのか」「なぜ報連相(報告・連絡・相談)するのか」「何のために働いているのか」などを問われました。さらには「高田舗装に喜んで入社したい人はいますか、高田社長もこの会社を本当に継ぎたかったですか」とも。このことを自社や自分自身について考える貴重な体験ととらえた高田氏は「言葉より体験してもらったほうが理解が早い」と、社員研修としてさまざまな講座への参加や企業訪問などの取り組みを続けています。また、同社では障がい者の雇用を20年行っており、「気づきや学びも多い」と高田氏は言います。

共に成長する立場で社員とかかわる

工事の写真

 共育塾修了後に行われた「共育対談」で、高田氏は「この指(経営理念)とまれ」ということと「社員共育=社員と共に育つ関係づくり」の整合性について語りました。高田氏は「共に成長する立場」で社員にかかわることを大切にしています。

 「定年で退職した社員から年賀状が来ると、誠意が少し伝わっていたのかな、と思う。また、何年か経って突然成長する社員もおり、そんなときはとてもうれしい。今は社員の幸せとは何かを考え、仕事している。社員の子どもが『お前の父ちゃん、どこに勤めとるんや』と聞かれたとき、『なんだ、あんな会社か』と言われるのではなく、『へぇ、あの会社か』と言われる会社を目指して行きたい。社員が良い家を作り、地域で活躍すれば、この金沢が、石川県が、日本が少しでも良くなるかなと思って企業活動を、経営者をしている」と高田氏。会社としても社員とともに少しずつ成長していることを実感しています。

経営理念

(感謝される人へ感謝される会社へ)

私達は、環境整備を天職と考え、国土を守り業務を通じて技能と人格を磨き立派な日本人と成る様に努める。

基本精神

(誠実な人間性をめざして)」

私達は徹底した創意工夫で業務を遂行し、相互理解の上、助け合いの風土に努める。

業務精神

1 挨拶を基本に人の心を大切にします。
2 物を大切にし整理整頓に努めます。
3 時間を大切にします。
4 いつも笑顔に努め、明るく行動します。
5 すべての事に前向きに対処します。
6 相手の立場になって謙虚に行動します。
7 奉仕の心を忘れず行動します。
8 無駄を排し節約に努めます。
9 指示を素直に実行し、報告を持って完了とします。
10 安全な行動と清潔な服装をします。

会社概要

創 業:1968年
設 立:1982年
資本金:2,300万円
年 商:2億5,000万円
事業内容:道路舗装、駐車場舗装、グラウンド舗装、各種舗装
従業員数:17名
所在地:石川県金沢市東力4-83-1
TEL:076-291-7077
FAX:076-291-8229
URL:http://www14.ocn.ne.jp/~takata/