【第45回】匠の技と真心の信頼企業 (株)菊池技建 代表取締役 菊池 幸生氏(山形)

菊池社長

(株)菊池技建 代表取締役 菊池 幸生氏(山形)

 (株)菊池技建(菊池幸生社長、山形同友会会員)は現会長が1971年に創業し、匠の技、アフターサービス、納得のいく家づくり、徹底した人材育成で、地元でも信頼される企業として知られています。

創業の精神を受け継いで

社屋

 菊池氏と山形同友会との出合いは、9年前、ダイレクトメールのFAXで送られた例会案内を手にした現会長である父親からの「参加したら」の一声でした。2009年に事業承継をすることが決まっており、入会して4年後に経営指針書を作成しました。

 社長になって5年目、「創業者から引き継いだのは何ですか」との問いかけに、きらきらと輝く目で「お客さまの暮らしを一生守ること」と答える菊池氏。その想いは菊池氏が作成した「匠の技と真心の信頼企業」の経営理念に託されています。「写真の経営理念は数年前になくなった祖父が書いてくれた」と菊池氏は言います。

小さなトライアングルを実践

 社員を幸せにしたいという強い思いが、この経営指針書にはいっています。作成してから2年間は自分の思いを伝え、社員にもまず実践してもらうことでした。半年かけて、社員一人ひとりと面談をし、現状を伝え、社員の希望も聞き、就業規則の見直しやシフト制の導入など働きやすい環境を整えてきました。

 しかし、言わないとやらなくなっている社員に不安と自分の力に限界を感じた菊池氏は、原点である経営理念に立ち返りました。きっかけは、2013年の中同協の経営労働委員会に参加し、理念(熱い思い)、方針(戦略・行動計画)・数字(利益)の小さなトライアングルを社内で実行し、とにかく結果をだしていくことの大切さに気づきました。朝礼や会議のやり方を変え、社員の意見を吸い上げる仕組みをつくり、よい家づくりを通して、仕事の楽しさ、未来が描ける職場づくりに取り組みました。

社員の力を引き出して

経営理念

 方針に対して、担当部署ごとに社員が戦術を作ります。目的(テーマ)、目標、行動計画、責任者と実践者、期限も明確にしました。少人数のチーム制にし、日々の行動もチェックし、習慣化するまで大変でしたが、数値管理ができるようになりました。2人で1チームをつくり、互いに助けあう関係づくりを大切にしています。

 「社長だけ勉強しても動かない。だったら、皆が勉強する環境をつくればいい。井の中の蛙にはなるまい」と、社員の同業者の研修、同友会が主催する例会、新入社員研修、幹部社員研修も活用しています。

 今までは経営目標をつくっても、環境変化を理由に修正の繰り返しで、3~5年先の見通しが遠くなっていましたが、今年は「目標を作ったらこれをやり切る、絶対達成する」という意気込みで、実践してきました。その結果、前年比で利益が倍になりました。「私のような能力のない人間が、継続は力なりの言葉を信じやり遂げてきたからこそ、今の自分がいる」と菊池氏。継続力、実践力を高めてきたことが、組織の強さになっています。

未来につながる住まいをめざして

 同社の「未来ビジョン」に、「喜びも楽しみも共有する成長空間を菊池技建で築き、楽しい人生を歩む」ことを目的に、夢をもつ人材育成も描いています。紹介受注が約90%、「住んでからが本当のお付き合い」を大切にしてきている同社。技術の伝承と新しい提案で、さらなる発展をめざしています。

【未来ビジョン】
世界の有名な住宅建築物を見に海外旅行へ行こう。
「よいいえ」商品開発=職人が語る家づくり
100年存続するよいいえブランド企業にしたい。
大工と住宅設計の学校つくりたい。

社員のみなさん

経営理念

『匠の技』と『真心』の信頼企業
 
私たちは、真心込めて『よいいえ』を共に創り、安心かつ信頼できる企業を実現します。
私たちは、未来につながる住まいを提供し、『頼られる企業』として地域を支えます。
私たちは匠として仲間と共に『感動企業』を目指し、みんなで幸せな人生を歩みます。

会社概要

創 立:1971年
設 立:1979年
資本金:3,000万円
年 商:10億円 
事業内容:建築業(住宅中心の新築、増改築、リフォーム、修繕)・不動産業
従業員数:24名 常駐大工15名
所在地:山形県山形市あかねケ丘1-11-24
TEL:023-643-7558
URL:http://kikuchigiken.co.jp/