【第41回】「ガチ実践」で進化し続ける メガワークス(株) 代表取締役 永井 義昭氏(埼玉)

永井義昭社長

メガワークス(株) 代表取締役 永井 義昭氏(埼玉)

 マシニングセンターによる、アルミ、ステンレスなどの金属加工のスペシャリスト、メガワークス(株)(永井義昭社長、埼玉同友会会員)。「自社は2007年に約20坪の物置の一画を間借りし創業したのがスタート。どうしても自分でものづくりがしたいとの思いと、多くの町工場が廃業していくなか、一つの町工場を生み出したいとの思いでした」と、永井氏は当時を振り返ります。

埼玉同友会との出合い

 地元に同友会の新しい地区会が発足するという情報を耳にし、「新地区(東彩地区)設立準備会」に参加をしたことが、埼玉同友会との出合いでした。すぐさま「経営指針セミナーに参加をしよう」と決意し東彩地区がスタートすると、地区委員会の委員長にも自ら立候補しました。いざ同友会活動へ!という時に、社員からの「この会社、どうするのですか?」の一言に自己破産するしかないかもしれない状況を目の当たりにし、立候補した委員長を辞退しました。ところが「そういう時だから同友会なんだよ。だから今、指針が必要なんだよ」と、奮い立たせてくれた仲間に押されて、経営指針セミナーに参加しました。

経営指針書作成で自分と向き合う

 セミナー開講一番、「この会社、このままじゃ続かないよ!」とスタッフからの衝撃の一言にショックを受けながらも、立て直してやると、指針づくりに取り組みました。

 「この壁を打ち破ってやる、それで自分も社員もかかわる人全部を元気にする!」。苦難と葛藤を乗り越え、改めて指針セミナーで掲げた理念「非常識で世界をワクワクさせます」と新たなスタートへ。指針の発表会での頭を丸めた坊主姿は、今では伝説として語り継がれているのだとか。

 セミナー終了後、本業に徹底しひたすら仕事と指針に向き合い没頭することで、大きく会社の業績が向上し始めます。

 「指針書にできたこと、できなかったことを赤字で書き込み、毎日なぞっていた」ことで、翌年すぐに黒字へと結果を出すことができました。翌年の指針づくりには、社員が参加をし、進化した指針書をつくりあげ、順風満帆な経営者ライフ到来かと思いきや、そううまくは進みませんでした。

社員の不満が爆発

 そこで勃発したのは新たな「人」の問題でした。指針とともに定着していた3S活動のリーダーを社員に任せ、作業工程からも自ら離れ、安心していた矢先、同友会やその他の活動で永井氏が多忙を極めるなか、社長とのコミュニケーションがまったくとれず、社員の不安や不満が爆発したのでした。

 「メガワークスはもう終わりですよ」と、社員に言われた一言は、経営者としての襟を正さずにはいられませんでした。「メガワークスは終わりじゃない、会社をよくしたい、みんなでよくしていこう」と、社員さんと膝を突き合わせ、得意分野を伸ばし合い、コミュニケーションのとれる関係性づくりなど、現在もよい会社づくりに奮闘の日々ながら「今度の壁は、社員と一緒に乗り越えるのだ」という永井氏の笑顔の中には強い決意が見て取れました。

自分を変えた同友会

社員さんと

 それまで周りが何と言おうと耳を傾けなかった自分を変えたのは、同友会だと語る永井氏。「『人を生かす経営』を基準に物事を考えるようになり、同友会で学んだからこそ、『まわり道』や『遠い道』も苦にならなくなった。売上や利益も大事だけれど、目標はそこじゃないんだと教えてくれたのも同友会と、同友会でともに歩む仲間なんだよね」と語ります。

 同友会に入会して3年。貪欲に学び、だれよりも実践を積み重ね、常に進化した姿を見せ続ける「ガチ実践」派の永井氏。同友会の学びを自社にどう生かし、どう実践していくのか、答えがない道を楽しみながら一歩ずつチャレンジする永井氏の見据える先には壮大なシアトル進出の夢が広がっています。

経営理念

・私たちメガワークスは非常識で世界をワクワクさせます。
・私たちメガワークスはすべての切削に魂を込めて未来の人と感動を想像するワクワク技術集団を目指します。
・Technology for the future of excitement(技術は未来のワクワクのために)

企業概要

創 業:2007年
事業内容:金属製品製造業(マシニング加工)、3Dデーター作成、設計業務、ギタパーツ製造販売
従業員数:6名
所在地:埼玉県吉川市飯島192-4
TEL:048-999-6871
URL:http://www.megaworks.co.jp/