【第41回】相談に乗ってくれる仲間がいる心強さ (株)サンテックス 代表取締役社長 田村 徳良氏(群馬)

田村徳良社長

(株)サンテックス 代表取締役社長 田村 徳良氏(群馬)

 2019年度から群馬同友会代表理事をつとめる(株)サンテックス代表取締役社長の田村徳良氏は、2016年度には副代表理事を務めながら仲間づくり委員長を兼務し、新支部設立運動の中心となって尽力。そして1年間の準備期間を経て、2017年度には富岡支部(現・富岡安中支部)設立と同時に初代支部長に就任し、中心メンバーとともに同友会らしい支部づくりを心掛けてきました。その結果、経営指針づくりをはじめ、社員教育や新卒採用にも積極的に参加する会員が増え、同支部は一躍注目される支部となりました。支部長をバトンタッチした今も、持ち前の明るさでムードメーカー的な存在となっています。

社屋外観

 (株)サンテックスは、長年に渡る絶え間ない努力により、身近なOA、AV、通信機器から半導体製造装置、医療機器、生産設備など、数多くの精密部品加工に携わり現在に至っています。その培った技術力と生産設備を活用して、日々進化し続けるモノづくりに対応すべく常に新しい技術に挑戦し続け、幅広い分野において、どんなに複雑で難題なオーダーにも高度な次元で対応できる企業であり続けようと努力しています。

 同社は「私たちの目的は、環境に配慮し持ちうる資源を最大限に有効活用して、社会に必要とされるものやサービスを感動を持って提供し、広く社会に貢献すること」を企業理念とし、(1)適者生存、(2)自己実現、(3)社会貢献の3つの柱を掲げています。さらに「(1)相手を尊重し、明るく元気で素直な気持ちを持つ。(2)常に考えることを意識し、会社と全社員が共に成長し心ゆたかになる。(3)仕事を通して、会社の存在意義を高め、社員一人ひとりが会社に誇りを持ち、感動の気持ちを忘れないで楽しく働く。(4)失敗を恐れず常に挑戦し、良心(本心)に従い行動・判断する」の4つを行動規範としています。

入会のいきさつと同友会での学び

製品

 田村氏は今から約20年前、債務超過で苦しい最中に先代である父から経営を引き継ぎ、代表取締役社長に就任しました。ところがその直後にITバブルが崩壊し売上は激減、社員の集団退社なども重なって経営はいっそう厳しさを増しました。「どこから会社を変えていけばよいのか…」と思い悩む中、知り合いの経営者から「中小企業家同友会という経営者が本音で学び合っている会があるから、よかったらいっしょに学ぼうよ」と誘いを受け即座に入会しました。今から18年前のことでした。

 田村氏は、同友会の活動を通じてたくさんの会員経営者と率直に触れ合う中で、「会社らしい仕組みが出来ていないこと」、「めざすべき方向性が示されていないこと」「自分自身が会社の経営数値を理解していないこと」「中途採用中心で、かつ社員の定着率が低いこと」、「上から目線で社員に接し、社員を大切にしていなかったこと」など、自社の課題について多くの気づきを得たと言います。そして経営指針の成文化をはじめ、新卒採用へのチャレンジ、スキルアップのための社員研修会、会議制度・委員会制度の構築など、一つひとつを実践し、会社を着実に変えていきました。

 中でも、もともと横のつながりをつくりたいと始めた社内委員会制度は、経営指針の成文化とともに劇的に進化を遂げ、よい会社づくりの一翼を担っていることはもちろん、会員企業の模範ともなっています。

 そんな田村氏は「おかげさまで人間関係や社内の雰囲気がよいことはとても有り難いのですが、その分、厳しさが足りないというか…。一人ひとりの主体性と、芯の強さが課題だと思っています」と今の課題を語ります。

中同協創立50周年に寄せたメッセージ

 私が同友会に入会してほんとうによかったと常々思うのは、「悩みや課題を相談したいとき、親身になって相談に乗ってくれる仲間がいたこと」が一番です。これほど心強いことはありませんでした。また自分の身を同友会におくことで、日常的にずいぶん励まされましたし、自然に問題意識が芽生え、おのずと経営改善にもつながりました。こうした輪がもっともっと広がることで、よい会社・よい経営者・よい経営環境をめざす同友会運動がますます真価を発揮するものと確信しています。仲間を増やし続けると同時に全国的な交流をよりいっそう深め、次代を見据え、もう一歩進化した経営と、社員のさらなる幸せを皆さんとともに実現していけたら幸いです。

会社概要

創 業:1967年
設 立:1992年
事業内容:金属の切削加工
従業員数:34名
所在地:群馬県安中市上間仁田208-1
URL:https://www.san-techs.com/