【第16回】変化を恐れずやってみる! (有)山﨑マーク 代表取締役社長 山﨑 秀平氏(長崎)

山﨑秀平社長

(有)山﨑マーク 代表取締役社長 山﨑 秀平氏(長崎)

はじめに

 社屋

 長崎県西海市に本社がある(有)山﨑マーク(山﨑秀平代表取締役社長、長崎同友会会員)は、マークと刺繍を主としてスポーツチーム、学校、企業のオリジナルユニフォームの二次加工やグッズ制作の事業を行っています。社員は女性が多く、ほとんどが地元の方です。

 事業内容は、「刺繍」「プリント」「転写」の3種類の加工技術を用い、洋服、バッグ、マグカップなど、さまざまな商品に顧客が希望する好きなデザインを入れます。

 この3種類の加工にすべて対応するには、相当の機械設備や人員規模が必要になることから、長崎県内では同社だけが一括して受注することができます。

 また、佐世保市内にはファミリーや若い世代の人向けの店舗も展開しています。

 顧客の幅広いニーズに高い技術力で応えることができるのが同社の強みです。

コロナ禍の影響

 コロナ禍の影響が出始めたのは、3月ごろからでした。春の選抜高校野球の大会中止を皮切りに、オリンピック、インターハイ、甲子園と大きなスポーツイベントが軒並み中止・延期となり、スポーツ関連品の受注が大幅に減少しました。

 「何かできることをやらないと会社がもたない」と新たな取り組みとして当時不足していたマスクを作ることになりました。しかし、これまでやってきたことは二次加工。製品自体を一から作ったことがなく、できないのではと思っていましたが、やるしかありませんでした。約1カ月間、布マスクを作り地元の人に多く購入されました。

 オリジナルマスク

 次第に市場にはマスクがあふれ出し、次の一手としてファッション性のあるオリジナルマスクの製作に移行。スポーツチームのユニフォームに合わせたマスクやホテルマン用の企業ロゴ入りマスク、贈答品用マスクなど、注文が増えて新たな事業の柱となりました。

今後の展開

 今年の12月に、本社前の古民家をリノベーションしたカフェ(HOGET・ホゲット)をオープンする予定です。カフェのほかにショップやシェアスペース、同社ならではのものづくりスペースを設け、地元の方や観光客が交流できる場をつくります。カフェは、長崎同友会の同じ支部の会員に監修を依頼し同社で運営。きっかけはその会員が毎年の経営計画発表会で「カフェのフランチャイズ」を掲げていたことからコンサルタントを依頼することになったものです。

 「カフェをオープンしよう」と山﨑氏が考えたのは、地元西海市のために何かできることはないかと考える中で「若い人に地元に残ってほしい。自社の事業と地元の魅力を掛け合わせて、まちを楽しくしたい」との思いからでした。「コロナに負けず、同友会理念の『国民や地域と共に歩む中小企業』をめざします」と熱く語りました。

会社概要

創 業:1978年
資本金:300万円
年 商:2億円
事業内容:刺繍、Tシャツのプリント、のぼり・横断幕製作、グッズ製作
コインランドリー事業
従業員数:43名(正社員19名、パート20名、役員4名)
所在地:長崎県西海市西海町川内郷1106
TEL:0959-32-1423
URL:http://www.yamasaki-mark.jp/