【第22回】コロナ禍でスタッフの安全と笑顔を守るために奮闘  (株)花茂 代表取締役 大矢 みな氏(千葉)

大矢社長

 (株)花茂(大矢みな代表取締役、千葉同友会会員)は時代の変化に対応しながら、花の流通業や加工業、さまざまな業態を経て現在に至ります。同社の特徴は「物を売るのではなく、コトや時間や空間を売る」こと。店舗を改装し、地域のコミュニティスペースとして地域の皆が楽しんでもらえる時間、空間、体験の提供をしています。

 使命は「ありがとうの伝達業」、経営理念でもある「気づきと声がけで成長を支援しあおう」と、社員やスタッフの成長を大切にしています。大矢氏は経営者になって今年で15年。人を生かす経営の精神を重んじ、スタッフの技術力を生かすために、薄利多売から小ロット多品種の高額フラワーギフト加工業へ企業改革をしてきました。その改革がこのコロナ禍に生きています。

従業員の不安を取り除く

店舗

 3~5月は花屋にとって一番の繁忙期といえる期間。そこにコロナ禍が直撃して歓送迎などの業務需要は大きく低下しましたが、在宅時間が増えたからか個人需要が増加。結果として、客単価は前年度比70%に低下しましたが、客数は前年度比140%に増加しました。

 しかし来客数の増加は、従業員に不安を与えました。それは同社が対面式で、お客様に寄り添った接客を売りにしている花屋だったからです。

フラワーアレンジメント

 その対策として、「物質的な支援」と「精神的な支援」を行いました。物質的な支援はマスクと消毒液の徹底、時短営業・臨時休業の実施、ドライブスルーやネット販売の強化による接客方法の変更、また母の日の集中を避けるため、「ありがとうを早めに伝えようキャンペーン」の導入も行いました。精神的な支援では、経営者と従業員、または従業員同士が心のつながりや安心を感じられるよう努めました。毎日必ず誰かに話しかけることや、昼休みや休憩の時間を従来よりも充実させるなど、接点を増やすことを心掛けました。

コロナで得た気づき

 さまざまな課題も見つかりましたが、従業員と外部環境の変化があっても信念である「ありがとうの伝達業」という軸からぶれないこと、「私たちは正しい道を歩けている」とお互いに確認し合えたことは大きな収穫でした。

 大矢氏は「今回のコロナを私はよい機会を与えてもらったと思っています。経営者として試されて、困難も工夫次第で楽しくサラッと乗り越えていける、そんな自信につながりました」と語っています。

会社概要

創 立:1946年
資本金:2,000万円
従業員数:23名(うちパート・アルバイト7名)
事業内容:フラワーギフト小売業・卸売業、フラワースクール
所在地:千葉県市原市白金町5-14-1
TEL:0436-24-4187
URL:https://www.hanamo.co.jp/hanamo/