【第28回】取扱素材×コロナ=新規事業 (株)サンエイ 代表取締役 中西 聡之氏(群馬)

中西聡之社長

(株)サンエイ 代表取締役 中西 聡之氏(群馬)

 今回は、群馬県で各種発泡体素材の加工販売を行っている(株)サンエイ(中西聡之代表取締役、群馬同友会会員)の実践を『同友ぐんま』2021年3月号より紹介します。

多品種小ロット部品加工を強みに

社屋

 1975年、三栄産業(株)として兵庫県尼崎市にて祖父が立ち上げました。1980年に群馬工場を設立、2007年に業務スリム化のため群馬を本社に(株)サンエイとして新たに創業しました。

 事業内容は断熱材、シール材、緩衝材、梱包材など各種発泡体素材の加工販売を行っており、冷蔵ショーケース、業務用冷蔵庫、自動販売機、業務用エアコンや現在話題となっているコロナウィルスワクチン保冷保管用の超低温フリーザーなどの内部断熱用途に当社部品が使用されています。

 当社の強みは、オートメーション化が難しい多品種小ロット部品の加工を得意とし、用途や求められる機能から素材の提案も行えます。さらに、ISO14001を取得し環境リスク低減と経営の両立をめざすマネジメントを行っています。

異業種からの転職で16年が経ち、代表になって6年目となりました。先代が体調を崩してからの引き継ぎだったため、社長業の右も左も分からず眠れない夜もありました。同友会で勉強するようになり、どっしり構えられるようになりました。

 基本的に人見知りですが、新しいものやクリエイティブなものを探しに出歩くのは好きです。カメラ、エレキギター、ラジコン、ミニ四駆など、機械を触ったり作ったりすることも好きです。

自社で社会貢献できないか

フェイスシールドなどの商品

 コロナ禍での一押し商品は、フェイスシールド(10個1セット7,150円~8,250円)。顔を覆うシールド部はポリカーボネート製で明度が高い・傷やへこみに強い・熱に強い、という特徴があります。加えて顔に当たるパット部が交換可能なので長く清潔に使用することができます。工場・工事現場などでも飛沫防止できるよう、ヘルメット装着タイプもあります。

 さらに、マウスシールド(10個1セット2,420円~3,850円)は、群馬県×大泉町とのコラボレーションで、「サンバぐんまちゃん」デザインステッカーつき。サイズ調整できるゴムひもで装着が簡単・ヘルメットにも装着可能です。

 「コロナ禍において自社でなにか社会貢献ができないか」との思いから、取り扱い素材の組み合わせでフェイスシールドやマウスシールドの作成に取り組みました。

 形状や素材、サイズ感などいくつも試作品を作り、同友会の会員企業の仲間に実際に試していただき、フィードバックをいただいて改良し製品化できました。 

 顧客・取引先から社会問題に対して、自社でできることを考えチャレンジする姿勢を評価していただいています。ですが、社内が一つの目標に対して一致団結し、全員で突き進む一体感を持てたことが、一番うれしい変化でした。

今後の課題~認知度の向上

社内の様子

 中小企業のオリジナル製品はなかなか認知度が向上しません。当社もプレスリリースや、行政とコラボレーションした製品展開、ウェブサイトのリニューアルでSEO対策やネット販売を行うなどしましたが、認知度向上についてはまだまだ検討が必要だと感じます。

 今後の展開や拡販したい気持ちとは真逆になりますが、コロナ対策商品を使わなくてもいい「日常」が戻ることを切に願います。

『同友ぐんま』2021年3月号より転載

会社概要

QRコード

創 業:1975年
設 立:2007年
業務内容:シール材、保温・保冷・断熱材、吸音材、遮音材、合成樹脂などの各種素材の加工および販売
従業員数:26名
所在地:邑楽郡大泉町大字古海736-2
TEL:0276-63-3611
URL:https://www.sanei-oizumi.com/