【第40回】会社と地域は不離一体 (株)建築昌英 代表取締役 松村 昌英氏(石川)

松村昌英社長

(株)建築昌英 代表取締役 松村 昌英氏(石川)

 松村昌英氏((株)建築昌英代表取締役、石川同友会会員)は「人や地域の役に立ちたい、その人が住む環境をよくしたい」という純粋な思いひとつで仕事に取り組んできました。2016年に石川同友会へ入会、経営にはブレない軸が必要と思い経営指針成文化講座で経営理念を作成、そこから変革に動き出しました。

イベントを通じて地域貢献へ

おついたちマーケット

 2016年夏から、「地元の白山市鶴来地区を盛り上げたい! 鶴来のよいところを多くの人に知ってもらいたい!」という気持ちから「あおぞら教室」を開催しています。第1回は5店舗、参加者は200名でしたが年々規模が大きくなり、2019年には名称を第1回「おついたちマーケット」とし、54店舗8,000名が参加しました。

 昨年はコロナ禍で開催できませんでしたが、今後を見据え9月に(一社)白山鶴来RE研究所を設立しました。REとは、restart(再出発)、revival(復活)、ゼロからではなく、そこにあるいいものを生かすといった意味です。成果として鶴来の魅力を知った人たちが空き家をリノベーションし、古い町並みの魅力を生かした美容院やカフェ、菓子店などを新たにオープンしました。今後は地域の観光資源でもある、四季が楽しめる獅子吼(ししく)高原の利活用や、古い町並みを生かしたイベントを開催する予定です。松村氏は「これらを通じて、より多くの人に足を運んでもらい、地域貢献につなげていきたい」と考えています。

地域課題解決の拠点 シェアハウスオープン

シェアハウス

 昨年11月には地域課題を解決していくことを目的としたNPO法人「Orizuru Project」(オリズルプロジェクト)を設立しました。学生、高齢者、外国人がともに鶴来に根づく経験・文化・技術を学び、 「住みたいまち・幸せを感じるまち」を構想して地域課題を解決していこうというものです。

 まちの文化、歴史認識を子どもたちや鶴来全域に発信することで郷土愛を育み、眠っている未使用資源を生かして、人が集まる場所づくり・コトづくりを行うことで、新たな価値を見出していきます。その一環として、大学生のためのシェアハウスをオープンし、地域課題に取り組む研究拠点をつくりました。学生や子どもたちと高齢者が交流する場を設けることで、伝統文化を学ぶ機会となり、一緒に地域課題に取り組むきっかけともなっています。

すべての考え行動は理念をベースに

 社内では常にPDCAサイクルを回し、商品・サービス・アクセス・価格を徹底的に見直すことで、労働環境の改善につながりました。すべての考えや行動は経営理念がベースとなり、会社としての方向性が明確なので人材にも恵まれています。理念の共有には時間をかけ段階的に進めていく必要があります。まずは労働条件の向上、次にお客様に目を向け、最後に「会社と地域は不離一体」ということが理解でき行動できると松村氏は考えています。

 昨年はコロナ禍の中、同社では新たな挑戦を重ねました。今年からより具体的な行動内容や目的、売上などを数値化した5年ビジョンに向かって、チーム一丸でまい進しています。

会社概要

設 立:2006年1月
資本金:500万円
事業内容:建築一般、住宅、商業施設、リフォーム、家具製作
従業員数:社員4名、パート1名、専属大工4名
所在地:石川県白山市鶴来上東町カ45
TEL:076-256-2747
URL:https://kentiku-masahide.jp/