【第25回】苦しい時こそ挑戦! (株)グランデヴァレ 代表取締役 大國 行雄氏(島根)

大國行雄代表取締役

(株)グランデヴァレ 代表取締役 大國 行雄氏(島根)

 島根県出雲市に2店舗、松江市に2店舗、山口県に4店舗の飲食店を経営する(株)グランデヴァレ(大國行雄代表取締役、島根同友会会員)。大國氏は、「苦しい時こそ、挑戦!ピンチはチャンス!」と力強く語ります。コロナ禍で厳しい状況の中、今年1月に新店舗、焼肉とレモンサワーの店「焼肉ホルモン酒場ユキオ」を山口県周南市にオープンしました。

独立、事業拡大、そしてコロナ禍に

 大國氏は、1994年(平成6年)に自動車会社に営業マンとして入社し、6年間勤務しました。その後新たに展開した外食事業に伴い異動。ラーメン店の店長として、人材教育にも関わりました。手を打つとすぐに反応がある教育産業に、面白さを感じたといいます。
 数年後、その会社の常務となり、飲食管理、車販売、車検専門店、観光バス、リサイクルショップの運営に携わりました。その後社長を任され3年間務めたのち、2012年(平成24年)6月に独立。勤務していた会社の飲食部門3店舗と社員1名、アルバイト20名を引き継ぎ、(株)グランデヴァレを設立しました。その後も店舗を増やし、県内だけではなく県外にも事業拡大することを決め、山口県周南市に居酒屋を開業。続いて宇部市、山口市、岩国市と店舗を増やしました。順調に進んでいた事業でしたが、コロナが襲ってきます。

まずは社員に安心感を与える

 2020年からのコロナ感染拡大に伴い、店舗も休みを余儀なくされました。最初の緊急事態宣言が発令された時は、経営も厳しい状況に追い込まれ、資金繰りと資金調達の心配に明け暮れた日々。「一社もつぶさない!」の合言葉の元、出雲支部で毎週土曜日にオンラインミーティングを行い、「仲間と話ができたことが本当にありがたかった、同友会の活動で救われた」と大國氏は振り返ります。
 「苦しい時こそ挑戦!ピンチはチャンス!」の合言葉を胸に、休業や時短営業で時間ができた分社員教育に力を注ぎ、オンラインミーティングを通して社員の不安に耳を傾け、安心感を与えることを第一に考えました。アルバイトには雇用調整で対応し、社員の雇用確保、労働環境の改善、アルバイトへの有給取得、さらに社員の休暇も増やし、賃金カットはしなかったといいます。

挑戦することで学びを増やす!

店舗外観

 大國氏は、苦しい状況でも新規店舗の開拓を念頭に置いて行動しました。材料の仕込みはすべて提携企業のセントラルキッチンで行い、急速冷凍。真空状態にして鮮度を保ちながら店舗へ持ち込むことでロスゼロとなり、原価率が安定しました。また、島根県特産の島根和牛や米、邑南町の石見ポークを積極的に使用しました。そして、このような仕組みを活用し、自社直営だけではなく未経験の企業でも焼肉店ができるようパッケージを作り、販売を開始します。「同友会活動と会社は不離一体。同友会にかけてみよう、徹底的に学んでやろうという思いで取り組みました」と大國氏。「苦しい時こそ挑戦!」その言葉通り、大國氏の挑戦は続きます。
 「私たちは笑倍を通じ関わる全ての人に笑顔、元気、感動、生きる勇気を与え続け、地域社会に明日への活力を提供し続けることを約束します」の経営理念のもと、雇用の面でも、外国人や高齢者、障害を持った方などさまざまな事情を抱えた方の就労支援に取り組んだ経営をしています。現在、社員は90人を超え、「さらに多様性を認めて人と関わっていきたい」と語った大國氏は、代表取締役として厳しいコロナ禍でも社員を守り、同友会でのつながりを大切に、また父親として娘さんの受験を心配しながら優しい笑顔を見せてくれました。

会社概要

設 立:2012年
資本金:200万円
従業員数:正社員14名 パート78名
年 商:3億7千万
事業内容:飲食店の経営、コンサルティング、人材派遣、店舗業態開発
所在地:〒691-0001 島根県出雲市平田町2487-4 リバーサイドビル103
電話番号:0853-63-3538
URL:https://grande-vallee.co.jp/

経営理念

「私たちは笑倍を通じ関わる全ての人に笑顔、元気、感動、生きる勇気を与え続け、地域社会に明日への活力を提供し続けることを約束します」