【第31回】「創造と挑戦」を続ける (株)山一製作所 代表取締役 佐藤 茂樹氏(群馬)

(株)山一製作所 代表取締役 佐藤 茂樹氏(群馬)

 今回は、(株)山一製作所(佐藤茂樹代表取締役、群馬同友会会員)の実践を『同友ぐんま』2021年11月号から紹介します。

会社概要

 当社は1972年に弱電部品の組立専門会社として先代が創業しました。私が代表になったのは1992年です。今は主に自動社関連の精密機械加工事業、組立加工・検査業務請負、樹脂成形の金型設計・製作事業・メンテナンスなどを展開しており、従業員数は42名(パート含)です。2022年3月より「(有) 山一製作所」から「(株)山一製作所」へ組織変更しました。

自己紹介

 私は生まれも育ちも安中市で、大学卒業後に大手自動車メーカーに就職しました。10年間勤務する中で得た経験や人脈が、今も当社の事業を支える力になっています。先代の体調不良を機に群馬に戻り、(有)山一製作所に入社しました。数カ月は納品業務などを行っていましたが、先代の体調悪化もあり事業を引き継ぐことになりました。経営は本当に分からないことばかりで、税理士をはじめ周りの方に協力してもらいながら、組織経営の勉強を続けてきました。
 趣味は、キャンプやトレッキング、バイクなどアウトドアが中心で、当面の目標は百名山の制覇です。

事業再構築補助金

 令和2年度予算の「中小企業等事業再構築補助金」が無事に採択されました。新分野への事業展開を計画し準備を進めましたが、想像以上に時間がかかりました。申請経験のある「ものづくり補助金」をベースにしましたが、通常の業務後に夜の時間を使って3週間くらいはかかりました。募集要項の追加や金融機関の書類不備などもありました。
 これから申請したい方に向けてアドバイスがあるとすれば、身の丈に合った事業構想とストーリーのある計画、コンサルを待つのではなく「一番に申請を出すんだ」という意志と行動力でしょうか。

感染防止対策商品について

 「除菌剤、Dr.無敵」ですが、売上よりも社員への好影響が大きいです。当社は製造業ですから基本的にBtoBです。それが、会社全体でBtoCを知るきっかけとなり、エンドユーザーの顔が見えることが、こんなにも働く上での励みになるんだと実感しました。また、当社のイメージキャラクター「ふじまる」も除菌剤から発想が生まれました。

反響や社内の変化など

 補助金関連では、今現在昼食スペースを時間で分けて使用していますが、そのスペースの拡充や新規設備の導入があり、労働環境の改善が図れる計画です。
 除菌剤の方は、社員も楽しみながら製造・販売までしてくれています。お客様のリアクションを直接肌で感じることが、やりがいやモチベーション向上につながっている様子が見てとれます。さらに、地元の小学生(新1年生)に携帯サイズの除菌剤を配布することで社会貢献も実現しました。

会社・同友会それぞれの展望

 会社は10年ビジョンを立て、10億円企業をめざしています。コロナの影響はありますが、目立たず地道に進みたいと思います。単年度の目標設定は達成したときに、その達成感から翌年に気が抜けてしまうことがあったため「まだ途中」という気持ちを持ち続ける意味でもよいと思います。
 同友会では、若い会員も増えているので、その力が発揮できる支部づくりをめざします。私に限らず支部長を支え、応援してくれる役員が育つ土壌を作りたいです。役員から支部を活性化することで会全体の活性化につながればと思っています。

『同友ぐんま』2021年11月号から転載

会社概要

設立:1977年4月
事業内容:自動車部品組立・製造、金属加工(マシニング加工)
従業員数:42名(パート含む)
所在地:群馬県安中市上間仁田194
TEL:027-382-0957
URL:https://www.yamaichi-ss.com/