シリーズインデックス:人を生かす経営

【第5回】理美容師への憧れと思いをかなえる“平野道場”-(有)ひらの 社長 平野 勝洋氏(宮城)(2006.04.19)

~「職人魂と人間力」を育む社風づくりに挑戦~

  (有)ひらの 社長
平野 勝洋氏(宮城)




 (有)ひらの(平野勝洋社長、宮城同友会会員)は、宮城県北部の栗原市(2005年4月1日、10町村が合併して誕生)築館に本部をおき、隣接する登米市、大崎市、仙台市で理美容業を営んでいます。現在、理容2店舗、美容8店舗を展開しています。

“親方”から経営者へ~経営指針成文化と社員への思い~

   平野氏は1997年に宮城同友会に入会、「第9期経営指針を創(つく)る会」(以下、「創る会」)に参加し、経営指針を成文化しました。入会前をふり返り、「店舗展開をしながら借金を払うための借金をして、勢いと見栄だけで経営していた」と、平野氏はいいます。当時は、「おれの言うことを聞け、おれの仕事を見て覚えろ」と、いわゆる徒弟制度の中で社員と接していました。そんな平野氏が「家業から企業へ」、「社長(親方)から経営者へ」、「恐育から共育へ」と考えるようになったのは、「創る会」の同期の仲間と修了生、助言者の粘り強いかかわりにありました。

 「創る会」修了後も、同友会大学、例会などに積極的に参加。異業種の方の経営体験から学ぶことで、理美容業界の常識が、必ずしも社会一般の常識ではないと気づきます。これまで、何人もの社員が修行中に辞めていきました。また、一人前に育ったと思ったら独立され、その後苦労する弟子たちの姿を見てきました。5年間の修行、長時間労働という徒弟制度の悪弊の打破と賃金水準の向上、さらに業界全体の体質を改善し、働く社員の社会的地位の向上を図りたいという思いが、平野氏の原動力になりました。

 金融アセスメント法制定の署名活動では、自宅の外壁に「金融アセスメント法を早期に制定しよう!」の大看板を設置し、運動の先頭に立ちました。

“平野道場”で伝えたいこと

   1998年4月、職業訓練校・ヘアーアカデミー(厚生労働省認定)を開校。一人前に育つには5年は必要という常識を打ち破り、4カ月の短期集中育成のカリキュラムを開発しました。ここは、“ひらの”の理美容の神髄を学ぶ、まさに“平野道場”。寮生活で寝食を共にし、午前9時から午後5時までのカリキュラムで、初級・中級・上級・応用・着付け・メンズカットと進み、技術を習得します。毎年、平野道場を卒業した社員が、確実に成長しています。

 「激しい価格競争と厳しい経営環境の中、独立してあえて自分と同じ苦労をする必要はない。理美容に対する思いが同じならば、店長という立場で独立し、一緒にその夢を実現させよう!」平野氏は、そう語りかけ、現在8人の店長とマネージャーが幹部社員として経営に参画しています。先輩が後輩を育てるという社風が生まれ、理美容師への憧れや夢を失わない早い時期に、仕事の楽しさや確実な技術を習得できることは、社員の自主性を引き出し、定着率の向上につながりました。昨年も、全日本理美容選手権東北大会で優勝者を輩出するなど、毎年全国大会の上位に並ぶ社員が切磋琢磨し、仲間としてライバルとして共に育っています。

 平野道場で理美容のプロとしての技術と誇りを、そして何よりも人間としての生き方、人間力の大切さを伝える平野氏。理美容の技術と“職人”としての誇り“職人魂”にこだわり、社員の意欲を引き出すための社風(環境)づくりへの挑戦は、これからも続きます。

●会社概要

創業:1988年
資本金:1000万円
年商:2億6000万円
社員数:76名
事業内容:理容、美容、貸衣装、化粧品販売
所在地:宮城県栗原市築館薬師4-1-41
TEL:0228-22-4325
FAX:0228-22-7738
URL:http://www.hair-academy.net/

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