【第19回】『一人一人の“ありのまま”と向き合い描く、新たなステージ (株)FuKuTa Inc. 取締役副社長 福田朋恵氏(富山)

(株)FuKuTa Inc. 取締役副社長 福田 朋恵氏(富山)

事業内容および企業沿革

 福田朋恵氏((株)FuKuTa Inc. 取締役副社長、富山同友会会員)は、夫である社長と共に、2008年9月富山駅前に1号店である「もつ屋 福多」、2014年6月に2号店「MOTSUYA 福多 其ノ二」をオープンしました。「もつ鍋」というと福岡県のイメージが強いですが、富山県産黒毛和牛を使用したもつは、富山県の隠れた名物の1つです。

転機と決意

 もつ料理屋2店舗が順調だった最中、新型コロナウイルス感染症が流行し、初めての赤字を経験します。店舗経営が厳しい中、お客さまからの問い合わせや要望に応える形で、もつをパックに入れて配達・提供を始めました。これがお客さまから好評を得たこともあり、2023年4月からは本格的に自社製造・販売をスタートさせました。富山で食肉処理された牛を一頭ごと買い付けているため、鮮度には確かな自信があった点も新事業を始める後押しとなりました。

 元々は経営者団体などには一切入っていなかったという福田氏。しかしコロナ禍で人と会う機会も激減し、このままではだめだと危機感を募らせます。自身が表立って活動することへの葛藤もありましたが、夫である社長を支えていく決意を新たに同友会に入会しました。

自身の弱さ・社員と向き合う

 同友会での学びを通じて、自分でも無意識のうちにフィルターをかけて社員を見てしまっていたことに気づきます。自身にとって都合よく物事を解釈するのは、「相手のことを信頼しきれていない」ことの表れだと福田氏は語ります。

 まずはフィルターを取り払わない限り、現実をしっかり見据えることができず、相手との信頼関係を構築することもできない。「こうあるべきだ」という自身の考えを相手に押し付けて、長所だけでなく短所も含めた相手自身を認めることができなかった自身の弱さを反省し、一人一人に対して真正面から向き合い、ありのままを受け止めるようになりました。

 真摯に相手に向き合うことを意識・行動して1年、次第に社員との関係性に変化が生じ始めます。今までは何か悪いことが起こっても、誤魔化したりはぐらかすことが多かった人が、ありのままを報告してくれるようになったり、社員自らやりたいことなどを素直に提案してもらえるようになりました。

 現在は若手社員と話している中で、社員から「もっと仕事を頑張っていきたい」という言葉を受けて、若手社員の成長のきっかけの1つとして新卒採用に取り組むという目標を掲げています。

出会いは一瞬、つながりは一生

 一緒に働く仲間が幸せであることを第一に考えている福田氏。その考えの裏には、自身が過去に「どうして、何のために自分は生きているのだろう・働いているのだろう」と思っていた経験がありました。この経験から、特に若い人たちに働いている中でもやりがいを感じてほしいと語ります。一緒に働いている人たちは、偶然でなく必然的に自社と縁があり働いてくれている。共に働いている仲間がやりがいを感じ、一人一人が輝ける場所をつくっていくことが企業としての責務であると感じています。

 新たなステージとして取り組んでいる自社製造・販売業では、家庭用もつ鍋や焼きもつの冷凍セットを無人販売所やイベントなどで販売しており、富山県内だけでなく、関西や関東の無人販売所でも購入することができます。

 富山県から全国へ、社員と共に福田氏の挑戦は続いていきます。

(株)FuKuTa Inc.
設立年 2016年8月2日
資本金 300万円
従業員数 社員数4名・臨時/パート数16名
事業内容 居酒屋2店舗、もつ鍋惣菜製造工場
住所 〒939-2706 富山県富山市婦中町速星 335-4
電話番号 076-465-3128
URL https://www.motsuya-fukuta.jp/index.html

(オンラインショップはこちらから → https://motsufukuta.base.shop/