【第10回】創業100年の歴史を胸に、対話から切り拓く未来-根本石油が紡ぐ「人」と「地域」の温かな絆 根本石油(株) 常務取締役 渡辺 幸輔氏(福島)

根本石油(株) 常務取締役 渡辺 幸輔氏(福島)

 現場や営業の第一線を歩んできた叩き上げのリーダーである渡辺氏(根本石油(株)常務取締役、福島同友会会員)は、自らの経験から社員の苦労を深く理解し、「対面での対話」を何より大切にしています。定期的な巡回や寄り添う対話を通して、若手からベテランまでが本音で語り合い、失敗を恐れず挑戦できる温かな風土を築いてきました。福島同友会では郡山支部に所属し、県中県南エリア共同求人委員長として活躍。「一人の人間として向き合う」姿勢を軸に、地域全体の採用・人材育成にも情熱を注いでいます。

100年の歴史を誇る地域インフラ企業がめざす新たな挑戦

 大正13年の創業から100年という大きな節目を迎えた根本石油(株)。福島県内に21店舗を展開するガソリンスタンドやプロパンガスの供給、電力事業に至るまで地域の人々の暮らしを足元から支えてきました。2025年9月には生活の困りごとに応える新事業「Benry郡山安積店」をオープンするなど挑戦を続ける同社。その何よりの推進力となっているのが「人」であり、同社が大切にしているのは「対面での対話」です。

「顔を合わせた対話」が育む、確かな心理的安全性

 「電話やメールだけではどうしても距離ができてしまう。離れている事業所ほど温度差を感じることがある。だからこそ定期的に巡回し、直接顔を合わせて話すことが大切なんです」。渡辺氏の地道な対話の姿勢は社内に確かな心理的安全性を育んできました。取材前日、若手社員たちとの雑談の中で会社の雰囲気について聞いてみたところ、全員が「この会社はすごく雰囲気がよくて何でも言いやすいんです」と答えたことに驚いたそうです。若手が胸を張って「自分の考えや、やってみたいこと」を言葉にできる環境は現場の管理職や先輩たちが日々の接し方の中で自然と育んできた文化でした。

本音でぶつかり合えるからこそ深まる社内の強固な絆

 「意見の食い違いで激しくぶつかることもありますが、本音でぶつかった社員同士ほど相手を深く理解し最終的には同じ方向をめざす最高の同志になっています」と渡辺氏は笑顔を見せます。

 「世の中も変化し、人との関わり方も少し希薄化してきたように感じますが、本音で話し本気で向き合うからこそ人間関係は出来上がり絆が生まれるものだと思います」。社員の話からも絆の深さは感じられ、ある研修に参加した若手社員からは「新入社員研修の際に親身に面倒を見てくれた店長がいたんです」と職場が変わっても休日にその店長がいる店舗へ足を運び今でも対話をしているそうです。

失敗を糧にする文化と社内に根付く強い愛社精神

 「挑戦して失敗した経験も後から振り返れば必ず将来の経験として生きる」という姿勢が社員の心に強い信頼を育んでいます。若手の女性社員は「失敗して辛かったときにずっと諦めず気にかけて見ていてくれた先輩がいた。その安心感があったからこそ乗り越えられた。私もそのような人になりたい」と明かします。「いつでも自分を見ていてくれる」という安心感が社員に挑戦する勇気を与えています。

 あるとき、渡辺氏が冗談めかして「事務職からガソリンスタンド勤務になったらどう?」と尋ねたときに、本社事務の若手社員たちは即座に「大丈夫です、やります!」と力強く即答しました。「この会社とこの仲間とならどこででも頑張れる」そんな誇りが溢れています。

一人の人間として向き合い、地域社会全体の豊かさへ

 どれだけデジタル化が進んでも、同社が追求し続けるのは「人対人を大切にすること」です。同友会活動を通じて「肩書にとらわれず一人の人間として向き合う大切さ」を学んだ渡辺氏。同友会で磨いた「人を生かす経営」の哲学を胸に、地域の各企業がよくなることで福島県全体を豊かにしていきたいという熱い信念で、100年の歴史を未来への活力に変えて歩み続けています。

根本石油(株)
創業 1924年
資本金 3,000万円
年商 74億円
従業員数 105名
事業内容 石油製品販売、プロパンガス供給、電力事業、生活支援サービス等
住所 福島県郡山市安積2-37 マルイチグループNCビル
URL http://www.f-web.co.jp