
(株)橋本薬局 代表取締役 橋本 亜紀氏(香川)
新店舗のオープンという転換期に、(株)橋本薬局(橋本亜紀代表取締役、香川同友会会員)で心温まる光景が見られました 。求人媒体を通じた募集ではなく、既存の社員が「ここで一緒に働こう」と、自身の知人を次々と紹介し、新しい仲間が集まりました。経営者にとって、とても誇らしく、嬉しい出来事です。社員が自分の働く会社を「大切な人に勧めたい場所」だと思い、自分らしく輝いて働いている証拠だからこそのエピソードではないでしょうか。
現在、香川県内で5店舗の薬局を運営し、医薬品販売から漢方相談、調剤、インターネット販売まで幅広く手掛ける橋本薬局。代表取締役の橋本亜紀氏は、単なる事業拡大ではなく、社員一人ひとりを一人の人間として大切にすることを強く意識しています。
「デコボコ」だからこそ、助け合える

橋本氏の根底には、「人は完璧ではない」という考えがあります。人には得意不得意があり、苦手なこともあって当たり前です。橋本氏は「デコボコでもいい、それが当たり前。だからこそ助け合える」という姿勢を、組織の土台に置いています。
特に女性が多い職場環境において、この「助け合い」が大きな力になります。急な家庭の事情や体調の変化があっても、気兼ねなく「休みます」と言える環境づくりを意識し、誰かが休むときもそれを責めるのではなく「一人で頑張らなくていいんだよ」と声を掛け合い、チームで支え合う文化が根付いています。
また単に業務をこなすだけでなく、お互いのよさを「楽しく認め合う」風土も大切にしています。この「承認」と「助け合い」のサイクルが、社員の心の安心感を生み、職場全体の輝きにつながっています。
「言いたいことが言える」空気づくり

取材中、橋本氏が繰り返し「もっとみんなが意見を言いやすい職場にしたい」と語りました。そのために、言葉選び一つにも注意し、言葉のトーンを柔らかくして、伝える角度を少し変えることで、社員の心理的ハードルを下げているのです。経営者が一方的に方針を押し付けるのではなく、社員の声を汲み上げる余白を作っています。こうした細やかな配慮が、組織の風通しのよさを生み、社員が自発的に「もっとこうしたい!」と動くきっかけになっています。
「今のままではいけない」と厳しく現状を見つめる強さを持ちながらも、「みんな、きっと会社をよくしたいと思っているはず」と、社員の善意を心の底から信じる。その確かな信頼が、自由に意見が飛び交う土壌を作っています。
経営者の役割は、「旗」を掲げること

橋本氏は、経営者の役割を「旗を掲げること」と定義しています。「みんな、誰かに自分の力を上手に引き出してほしい、生かしてほしいと思っているはず。だから私が旗を掲げて、みんなが輝ける場所を作ってあげたい」と言い、リーダーとしての覚悟が感じられました。
経営者が明確なビジョンという「旗」、つまり「経営指針」を示すことで、社員は自分の居場所を見つけ、それぞれの持ち場で自分らしく個性を発揮することができるようになります。それは一方的な命令ではなく、社員の潜在能力を引き出し、輝かせるためのマネジメントです。
こうした橋本氏の経営姿勢は、同友会での学びと深く結びついています。同友会で学んできた「人を生かす経営」を、自社で実践し、その経験をまた学びへと変えていく。まさに「不離一体」になっています。
「学びの途中」
「私は今、『学びの途中』なんです」。そう語る橋本氏は、常に走り続けています。社員の声を受けて「この一年でやってみよう!」とすぐに行動するスピード感が、社員に「自分たちの声で会社が変わる」というワクワク感を与えています。
橋本薬局で起こっている「輝きの連鎖」は、仲間たちと共に、これからも広がっていきます。お互いのデコボコを認め合い、掲げた旗のもとで助け合う。その先に、社員も、会社も、経営者も、そして地域も輝く中小企業の姿があります。
| (株)橋本薬局 | |
|---|---|
| 設立年 | 1973年 |
| 資本金 | 300万円 |
| 従業員数 | 22名(うちパート6名) |
| 事業内容 | 医薬品販売、漢方相談、化粧品販売、調剤・講師派遣、インターネット販売 |
| 住所 | 高松市檀紙町1533-1 |
| 電話番号 | 087-885-3544 |
| URL | https://hashimotoyakkyoku.jp/ |










