
(株)レンテック 常務取締役 角田 禎介氏(宮城)
「地元に戻りたい」。その思いを強くしたのは、東日本大震災でした。角田氏((株)レンテック常務取締役、宮城同友会会員)は2011年、30歳のときにレンテックへ入社します。それまでは東京で約7年間、情報通信の仕事に携わっていました。もともと職人の経験もあり、そこで培ったノウハウを建設業で生かしたいと考え、地元に戻ることを決めました。
入社後は総務主任、総務部長を経て現在は常務を務めている角田氏は、「採用や広報を通して、会社そのものを外部に伝えていくことが自分の役割」と考え、総務・経理に加え採用と広報にも力を注いでいます。

レンテックは現社長で3代目になります。長く「職人の会社」として歩んできた一方、明文化された経営理念はありませんでした。3年前の経営陣交代を機に、これからの方向性を示すため「自他共栄」という理念をつくりました。そこには社員、お客さま、協力業者、地域も共に栄えていく会社でありたいという思いが込められています。共同求人委員会を通じてつながった東北芸術工科大学には、理念を掲げる額縁を制作してもらいました。理念を形にしたことが学校との関係づくりにもつながり、新卒応募にも結びついています。
「まずは、左官を知ってもらう」

主な仕事は、マンション建築工事を中心とした左官工事です。「レンテックに頼めば、現場を丸ごと切り回してくれる」と評価されることがあります。自分の工程だけでなく、前後の工程まで考え、見えない下地や段取りにもこだわる。そこに同社の付加価値があります。
一方、建設業界は深刻な人手不足です。だからこそ、採用することだけをゴールにせず、入社した人が活躍し、仕事を楽しいと思える会社にすることが重要です。給与などの条件だけではなく、仕事の面白さや成長の実感、仲間と働く喜びを感じられる環境づくりを進めています。その取り組みの1つが、左官体験やワークショップです。目的は、すぐに左官職人を育てることではありません。まずは、左官という仕事を知ってもらうことです。
小学生にはモルタルやタイルに触れ、無心で塗る面白さを感じてもらいます。高校生とのワークショップでは、ものづくりをしながら自然と社員との会話が生まれます。「座って話すより、作業をしながらのほうが本音を話してくれることもあります」と角田氏は言います。
この活動は社員教育にもつながっており、普段は現場で黙々と働く職人が、子どもたちに教える立場になることで、自分の仕事を改めて言葉にする機会となっているのです。最初は消極的だった社員も、実際に始めると、若手だけでなくベテラン社員まで生き生きと教える姿が見られるようになりました。子どもたちのための活動が、社員自身にとっても仕事の価値を再確認する場になっています。
子どもの「やってみたい」が、未来につながる

左官業界は、若い人にとってまだまだ身近な仕事ではありません。学校でも工具や材料に触れる機会は限られ、建設業に目を向けるきっかけも多くありません。だからこそ、まずは体験してもらうことが大切です。「面白い」「こんな仕事があるんだ」と感じてもらう。その積み重ねが、将来の担い手づくりにつながります。「子どもの頃に左官体験をした人が、いつかレンテックに入社してくれたら嬉しいですね」と語る角田氏。技術は、職人から次の世代へ受け継がれていきます。そのためにも、社員が誇りを持って働き、技術を伝えられる会社であり続けたいと言います。採用のためだけではなく、地域に左官の魅力を伝え、仕事の価値を次の世代へつないでいく。その先に、レンテックがめざす未来があります。
| (株)レンテック | |
|---|---|
| 創業 | 1964年 |
| 設立 | 2000年 |
| 資本金 | 1,000万円 |
| 従業員数 | 35名 |
| 年商 | 5億4,000万円 |
| 事業内容 | 左官工事および左記に附帯する一切の事業 |
| 住所 | 〒984-0826 宮城県仙台市若林区若林1丁目13-53 |
| 電話番号 | 022-256-0283 |
| URL | https://rentec-sendai.jp/profile.html |










