シリーズインデックス:人を生かす経営

【第12回】社員の人生を預かる自覚をもって-鎌ヶ谷観光バス(有) 取締役 徳永 昌子氏(千葉)(2006.06.14)

社員の人生を預かる自覚をもって ~高齢者が大切にされる企業と地域をめざす~

  鎌ヶ谷観光バス(有) 取締役
徳永 昌子氏(千葉)

正社員ドライバーへのこだわり

   昨今のバス業界では、排ガス規制の影響で車両の入れ替えを余儀なくされ、人件費削減のためアルバイト運転手を多く抱え、車体がフラットで低価格のバスを入れているところが多いと言われます。しかし鎌ヶ谷観光バス(有)(徳永昌子取締役、千葉同友会会員)では、「アルバイトのドライバーでは、コストを削減できても、どうしてもその日暮らしのやっつけ仕事という気持ちになり、仕事に責任をもてるのかは疑問」として、できるかぎり正社員のドライバーにこだわり、バス車体も中二階のグレードの高い車両を導入し、他社との違いを明確にしています。その結果、「徳永さんのところは値段は安くないけど安心ね」という地域からの評価が定着しています。

社員のやりがいに気づいて

 現社長と二人三脚で同社を切り盛りしてきた夫人の徳永昌子氏は、昨年、千葉同友会の経営指針成文化セミナーを受講。そこでショックだったのは、「徳永さんはお客のことは考えているが、社員のことはあまり考えていないね」との指摘。「同業他社に比べ、過酷な勤務条件の仕事はできる限り避け、給与も悪くないという自負を持っている一方で、社員というのは給料や自分の生活のことばかり考えているものと思っていました。しかし、何のために仕事をしているのかを突き詰めてみると、社員もやりがいや生きがいを模索しているんだということが分かってきました。何よりお客さんから喜ばれ、評価されることに一番のやりがいを感じているのですね」。会社の理念や社員としての働きがいについて話し合うようになると、不思議と掃除やあいさつもよくできるようになったと言います。

 また、以前は問題のある社員については、徹底的に悪いところを指摘し、「これが直せないなら辞めてもらう」という気持ちで対応していたのが、セミナー修了後は「もうちょっと待ってみよう。良いところを見て我慢してみよう」という気持ちに変わったと言います。『せっかくうちに来てくれたのだから、何とか変わってもらいたい』と、本当に相手のことを思って率直に話せるようになったと言います。

高齢者に配慮した企業・地域を

   バスのドライバーは53歳くらいが定年と言われます。体力的に緊張感が続かないという問題があるからです。しかし、同社では年齢のピークを過ぎても働けるよう、企業の送迎といった比較的軽度の仕事にシフトすることで70歳くらいまで仕事ができるように配慮しています。

 本年6月1日に、同社に対して鎌ヶ谷市内の循環バス(コミュニティバス)運行の認可が下りました。従来、隔日で日に2回程度しか循環がなく、徳永氏は補助金が有効に使われていないと市に指摘。「年寄りや子どもにやさしい車で、家に閉じこもりがちな高齢者の健康増進のために…」といった同社の運行に関する考え方が評価されたのです。鎌ヶ谷観光バスでは、高齢者を大切にする社風を地域にまで広げようと奮闘中です。

●会社概要

創業:1976年10月
資本金:4000万円
年商:1億2000万円
社員数:15名(正社員:8名、アルバイト・パート7名)
事業内容:一般貸切旅客運送・国内旅行業
所在地:千葉県鎌ヶ谷市中佐津間2丁目15番12号
TEL:047-444-3154
FAX:047-444-3150
URL:http://www.kamagayakanko-bus.co.jp/

このページの先頭にもどる

携帯用QRコード
携帯対応について

更新情報RSS