シリーズインデックス:人を生かす経営

【第33回】知的障害者の社員と共に経営を伸ばす-(株)山陽タオル 社長 橋本 正治氏(広島)(2006.11.08)

知的障害者の社員と共に経営を伸ばす

  (株)山陽タオル 社長
橋本 正治氏(広島)

   広島市の西のはずれ、八幡川の緑豊かな川沿いに(株)山陽タオル(橋本正治社長、広島同友会会員)の本社と工場があります。社員は総勢47名、パート社員を除く正社員22名のうち、知的障害者の方が15名働いています。社長の橋本正治さんは何にでも好奇心旺盛で、休日にはモーターパラグライダーで大空を飛び回る遊び心も持っています。

 山陽タオルが障害者を雇用したのは1980年、創業して7年目の時でした。職業安定所からの依頼で女性の知的障害者を雇用したことから始まります。「周囲がおどろくほど頑張るんですよ。少しでも彼らの役に立ちたい、社会のために役に立ちたいと思いました」と橋本氏。それがきっかけになり、障害者職業センターや養護学校、障害者能力開発校からの紹介を受け続け、長い人で23年間、ほとんどの人が10年以上勤務しています。

コスト競争に打ち勝つ仕組みづくり

   タオルのリース業は労働集約型産業とも言えます。厳しいコスト競争の中で障害者を戦力化して勝てるのでしょうか。

 「知的障害者には難しい仕事は不向きです。しかし、複雑な仕事でも分解すれば単純化できます。たとえば、オシボリをたたむ仕事でも、(1)曲げる、(2)折る、(3)運ぶ、(4)数えるという具合に。そして、だれにどんな仕事が向いているのかを見極めながら配置を決めていくと、健常者にはマネができないくらい、コツコツ正確に仕事を進めてもらうことができます」。小さな汚れや破損も見逃さない仕事ぶり。乾燥機や洗濯部門の機械を任される人もあり、仕事の責任を担う自信とプライドが生まれているようです。

 しかし、それだけでは勝てません。原材料の低コスト化はもちろん、商品に魅力が必要です。貸しオシボリはもちろんタオルや作業服のクリーニングレンタルへ仕事の幅を広げ、また全国の旅館へタオルの販売にも力を入れています。「旅館の名前が入ったタオルの価格はどこに負けません。生地をショートパイル化して肌触りをよくし、四隅にちょっと工夫をするだけでタオルの持ちは全然違います。激しい洗いに耐えうる染めにも力を入れています」と橋本氏。競争力づくりはお客様の声を商品に生かすことだと考えています。

社員の生涯にどうかかわるか

 障害を持つ社員さんにとって、母親役は専務である橋本氏の奥さん(千代江さん)。「奥さんがいろいろと話を聞いてくれるから助かっている」との声を聞きました。奥さんは「恋愛や家族のことなど、いろいろ話をしてくれます。ただ、昔若かった人たちも勤続を経るうちに親御さんが年を取ってこられます。亡くなられたときにどうするか。グループホームを立ち上げるか。検討課題が差し迫っています」と話します。仕事だけでなく、生活上の自立も心配しなければなりません。しかし、取材中の奥さんの顔からは笑顔が絶えませんでした。

●会社概要

創業:1973年
資本金:2000万円
社員数:47名(内パート25名)
事業内容:貸しオシボリ、タオルの洗濯とリース、タオルその他の輸入販売
所在地:広島市佐伯区五日市町上河内町1540-1
TEL:082-928-5041
FAX:082-928-6578
URL:http://sanyo-towel.com/index.html

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