【第38回】社員・家族と達成感のある人生を歩みたい-(株)ヒーロー 代表取締役 廣川 昇氏(山口)


社員・家族と達成感のある人生を歩みたい

(株)ヒーロー 代表取締役
廣川 昇氏(山口)

個人商店からディスカウントショップへ

 (株)ヒーロー(廣川昇社長、山口同友会会員)は、廣川氏の父親(1965年病死)が1952年に広川酒舗として創業しました。1991年には、酒類の本格的ディスカウントショップを他店に先駆けて山口市で開業。以来次々に店舗を拡大し、現在県内に6店舗をチェーン展開しています。

 その店舗は「低価格」「品揃え」「サービス」を兼ね備え、繁盛しています。「小売業にとって、忙しいということは最大の喜び。疲れも、退屈も感じない。それどころか刺激的だ。確固たる理念に基づいて消費者のニーズを実現しようとしているから、お客様からの苦情や不満は少ない」と廣川氏は言います。創意と工夫で流通システムの無駄を省き、ディスカウント価格を実現しながら、お客様から「酒類の専門店」との信頼を得ています。

同友会で社員教育を学ぶ

 廣川氏は1994年1月に山口同友会準備会の時代に入会。ちょうど前年12月に、20坪の開業店を100坪(現在の本社)の店舗に新築移転させたばかりでした。その当時のヒーローは、アルバイトも満足に集まらず、また集まっても長続きしない状況でした。

 その後、同友会の共同求人活動に参加し、そのリーダーとして毎年高校新卒者の採用を続けてきました。山口同友会で合同入社式が創立以来続いているのも、廣川氏に負うところが大きいと言えます。

 今年行われた同友会の新入社員フォローアップ研修会では、参加したヒーローの社員の発言から、人間としての将来像をはっきりつかんでいることや、社長の思いを共有していることがひしひしと伝わってきました。

 「特別なことをしているのではなく、先輩社員が新入社員に教え育てる。『うちの会社ではこのことはいけないんだ』など、社風づくりに力を入れてきたし、社風にあわない人は辞めていく。働きやすい楽しい仕事場にすることが経営者の仕事。社員を信頼しないと多店舗化はできないし、決断が要るときは幹部社員に相談して決定している」と廣川氏は語ります。

生きがいをもって働ける企業風土を

 ヒーローの会社案内には、「時代は今、地球規模で大きく変わろうとしている。そのうねりの中で若い人は大きく育つ。その中で私たちが育てるのは、世界に通用する価値観を持った人材であり、豊かな人間力と時代を見抜く商才を兼ね備えた精鋭たちのはずだ。その精鋭たちを共育することこそが、明日の『酒のヒーロー』を築き上げていくことにつながる。若い新しい人材への期待は大きい、そして若い人にとっては働くことに喜びを感じ、生きがいをもてる企業風土をつくりあげていくことが、私たちの役割である」とあります。

 若い社員に大きな期待を寄せる廣川氏は、自らについても「自分自身や会社は、常に未完成と思っているので、成長したいと日々生きている。良き友、良き先輩、良い出会い、自己研さんの場として同友会を活用している。自分自身、社員、家族それぞれが充実した達成感のある人生が歩めるような会社経営を目指していきたい」と語ります。

会社概要

創業:1952年
設立:1991年3月(有)ヒーロー、2000年10月(株)ヒーロー(組織変更)
資本金:3600万円
年商:18億(2005年度)
社員数:50名(内アルバイト30名)
事業内容:酒類のディスカウントショップ及び、業務用食材スーパー
所在地:山口市朝田131-4
TEL:083-922-0065
FAX:083-923-8989
店舗:酒のヒーロー山口本店(山口市朝田)、萩店(萩市東浜崎町)、
   長門店(長門市東深川)、中央店(山口市本町)、
   上山口店(山口市石観音町)、業務スーパー萩店(萩市平安古町)