【第6回】かかわりあいから生まれる新たな事業展開-(有)ほのぼの介護・(有)ひだまり介護 社長 澤田 修次氏(宮城)

(有)ほのぼの介護・(有)ひだまり介護 社長
澤田 修次氏(宮城)

 (有)ほのぼの介護(澤田修次社長;宮城同友会会員)は2001年に高齢者の介護サービスとして設立。その後お客様から寄せられる要望にこたえるべく、(有)ひだまり介護(介護保険適用外の高齢者サービスや障害者介護など)を立ち上げました。

 障害を持つ方々とかかわるようになり、「だれにだって弱いところ、できないことがある。だから障害のない人はいないのだと気づいた」と澤田氏は語ります。一人ひとりの違いは「個性」。澤田氏の社員に対する思いが変化することで、現在では社員から積極的な意見が出される風通しのよい社風が築かれています。

社員の意見から生まれた新事業

 ひだまり介護で昨年7月からスタートした障害児童(就学前児童~小学生)のデイサービス「じゃんぷ」(仙台市青葉区折立)も、社員の意見から生まれた事業です。「じゃんぷ」という名前は社員全員で決めました。

 「じゃんぷ」は障害を持った小学生以下の子どもが、放課後や休日の午後に集まり、自由に過すことのできる場です。「じゃんぷ」に子どもを預ける方は仕事をしている人も多く、子どもを一人で家に留守番させるのが不安だったという方もいました。「ご家族から“うちの子はじゃんぷに行くのが楽しみなんですよ”と言っていただけること、そして子どもたちの笑顔を見ると、心からやりがいを感じるんです!」と目を輝かせながら語るのは入社2年目の社員さん。

 近隣の小学校の職場見学や、中学生の職場体験実習の受け入れ、また6月からは県内の養護学校の職場体験実習も受け入れます。地域の人たちもボランティアでかかわってくれるなど、地域との交流の輪も広がっています。

働くことの楽しさを実感しよう、新たな仕事をつくろう!

 今年7月には、障害を持つ中・高校生のデイサービス事業をスタート予定。この新事業では子どもたちが集う前の空いた時間を生かし、社員・パートスタッフがカレーを作り、近隣地域への配達を始めようという意見が出ました。事業化すれば、これまで子どもたちの集う15時からの短時間だけしか働くことのできなかったパートスタッフの新たな仕事づくりになります。その上、子どもたちも休日に一緒に配達に出かけることで、「仕事」を体感できる絶好の場にもなります。

 障害者自立支援法による利用者本人の負担増で、福祉業界は全体的に厳しい経営環境になっていると言われています。しかし澤田氏は、こんな時代だからこそ既存の考え方にとらわれず新しい仕事を生み出すことで新卒採用も続けたいと語ります。今年も3人の新入社員を迎えました。社内の力を結束し、未来へ向けた確かな歩みを一歩ずつ前へ前へと進めています。

会社概要

(有)ほのぼの介護
設立:2002年
社員数:45名(うちパート・アルバイト37名)
資本金:400万円
年商:9200万円
業種:訪問介護、居宅介護支援
所在地:仙台市泉区住吉台東5-5-8
TEL:022-376-3953
URLhttp://petat.com/users/honohono/

(有)ひだまり介護
設立:2003年
社員数:33名(うちパート・アルバイト25名)
資本金:300万円
年商:4000万円
業種:居宅介護事業・外出介護事業(身体障害者・知的障害者・障害児・
    精神障害者)、訪問理美容サービス事業、育児ヘルプサービス事業、
    ひとり親家庭型支援事業、介護保険・自立支援法適応外サービス事業、
    通院ボランティア「たんぽぽ」、
    児童デイサービス「放課後ひろば じゃんぷ」
所在地:仙台市青葉区折立6-9-19
TEL:022-302-1081