【第15回】Wash&Clean、Safe&Happyを追求して-有希化学(株) 社長 本間 雅樹氏(新潟)


「メーカーベンダー」として第二創業

有希化学(株) 社長
本間 雅樹氏(新潟)

 有希化学(株)(本間雅樹社長、新潟同友会会員)は創業以来、一貫してあらゆる分野の表面処理技術と洗浄技術の追求をしてきた専門会社です。今年5月14日、長年の夢であった新社屋・工場を建設、移転し、第38期を迎えました。「経営指針書に沿った行動を基本に、会社経営を進めてきた結果」と本間氏は言います。そして、この日を「第二創業の日」と位置づけ、新たな挑戦を進めています。

経営指針書は全員の道標

 本間氏は1992年、新潟同友会に入会し、すぐに経営指針書を作成します。しかし、なかなか社員に浸透しません。「立派な経営指針書を作って、『さあ、やろう』という時に、なぜ社員は動かないのだろうと思っていた」と語ります。会社は自分一人でやってきたという自負があり、即断即決で社員の意見を聞こうとしない姿を、社員は見ていたのです。

 当時を振り返り、「経営指針が社長の指示・命令書になっていた」と反省する本間氏。現在は、「経営指針書は、会社で働く全員の道標(みちしるべ)。仕事に誇りと喜びが持て、人生を有意義に生き、豊かな幸せをつかめるもの。社員のおかげで自分があり、お客様のおかげで社員があり、会社があるとわかったときは目からウロコだった」と言います。そして、「社員が一生を預ける会社、この会社で働いて良かったと思える会社にしたい」と語ります。

お客様の要望にこたえる企業づくり

 同社は大手化学メーカー数社の新潟県の総代理店として、幅広い商品・薬品を扱い、卸業として事業展開してきました。仕入先を1社だけでなく、複数にすることによって、お客様の要望に、その場に応じて対応することができます。「最適な薬品は何か」を追求することで、確かな「技術力」と「コーディネート力」を身につけてきました。そうしたお客様とのコミュニケーションの中で、機能や価格の面で既存の薬品では対応できないものが出てきたことから、自社商品の開発を少しずつはじめ、製造業としての事業も展開していました。

新たな事業展開

 近年、工業用洗浄剤などの分野は、食品衛生、環境への配慮、技術の進展などで、お客様の要望がさらに多様化しています。そこで、真にお客様の要望にこたえるためには、最適かつ有効な薬品・設備を用途により構築し、オンリーワンのシステムをつくる必要があると、新社屋・工場を建設しました。同時に、企業の社会的責任(CSR)やコンプライアンス(法令遵守)を重点におき、新たな事業としてものづくりに挑戦することになったのです。経営理念にもあるWash&Clean、Safe&Happyを追求し、お客様の要望のこたえる企業づくりの結果、同社はメーカーベンダーとして第二創業を迎えました。本間氏の新たな挑戦は、社員とともに、お客様とともに始まっています。

会社概要

設立:1968年
社員数:13名(うちパート1名)
資本金:1300万円
年商:4億5000万円
業種:工業用洗浄分野の化学薬品から排水処理化学薬品の
    製造販売、関連設備機器の卸売販売
所在地:新潟市江南区両川2丁目3927番21
TEL:025-282-9333
URLhttp://www.yuki-chemical.com/
E-mail:info@yuki-chemical.com