【第40回】“愛+心”で環境事業へ挑戦-(株)アフェットプラスワン 社長 中川 英和氏(福岡)

(株)アフェットプラスワン 社長 中川 英和氏(福岡)

 (株)アフェットプラスワン(中川英和社長、福岡同友会会員)は、北九州市八幡西区で貯水槽・配水管・定期清掃等管理などの総合建物管理をおこなっている会社です。倒産の大きな危機を乗り越え、現在、コスト削減と環境保全をキーワードにした新しい商品の施工・管理を開始しています。

突然倒産の危機が

 「一人でもできる仕事があるけん、やってみんね」という母親の一言で中川氏が始めたのが、配水管の詰まりを修理する仕事でした。知り合いの会社に頼んでビル管理や貯水槽清掃、排水管洗浄の技術を習得し、朝から晩まで体力の続くかぎり働きました。創業と同時に福岡同友会にも入会しました

 そんなある日、勤めていた会社を早期退職して中川氏の会社の社長を引き受けてくれていた父親から、「会社を倒産させようと思う」と切り出されたのです。天地がひっくり返るほどびっくりしたといいます。すぐに同友会の仲間に相談すると、三つの助言がありました。「粉飾決算書をやめること」「元に戻すための運転資金を用意すること」「社長の給与ゼロでどれくらいやれるか期間をはっきりさせること」、これに早速とりくみました。経営に必要な数字の勉強も徹底してやりました。そうして1年半かけて売り上げを元に戻しました。

“愛と心”でお客様に喜ばれる会社に

 この危機を乗り越える中で、社名を現在のアフェットプラスワンに変えました。「アフェット」はイタリア語で「愛」を意味し、プラスワンは中川氏が考えた「愛に心を加える」という意味。経営理念にも盛り込まれています。同時に、この業界だけでは価格競争に巻きもまれると感じ、自社が競争力を発揮できる分野を模索しました。その中で出合ったのが、環境保全分野であり、そのコンセプトに合致した「環境製品」でした。

 自動車工場などで採用され始めている「工業用オイル高性能濾過(ろか)装置ミラクルボーイ」(写真)をはじめ、従来の機器はそのままに熱交換器を追設することで能力アップと設備本体を長寿化・省エネ・省コストをはかる「ダブル冷却のび太くん」などです。これらの提供を通じて同社は、工場内のさまざまな課題を解決する企業へと変身しつつあります。

経営指針を共有しビジョンの実現へ

 創業と同時にわらをもすがる思いで入会した同友会。経営危機に陥ったときにはすべての会をやめようかと思いましたが、仲間から「同友会だけはやめるな」と励まされ、それから同友会の異業種交流委員会や全国行事に積極的に参加する中で、多くの学びと出会いがありました。危機を乗り越え、2002年から作成した経営指針書は今年で6期目。「最初は社長の自己満足に終わっていた」といいますが、今では経営理念を軸に、社員と将来のビジョンを共有しています。

 「同友会にいて一番いいと思うことは、知らないことを知らないといえること、教えてほしいといえること」「多くの先輩経営者から生の体験を学べること」と語ります。これからも社員と共に学び成長し、地域になくてはならない会社になることが中川氏の目標です。

会社概要

創業:1994年
資本金:1800万円
年商:6000万円
社員数:7名(内、パート2名)
事業内容:建物総合管理業務・シックハウス関連業務・環境関連業務
      ・健康管理業務 
所在地:福岡県北九州市八幡西区船越3-4-32    
TEL:093-614-5230
FAX:093-614-5231
URLhttp://www.affetto-p1.com/