シリーズインデックス:人を生かす経営II

【第8回】仏壇業の本質は「心の健康あと押し」―(株)かじそ仏壇製作所 星野 幸博氏(福井)(2008.03.26)

 星野氏 (株)かじそ仏壇製作所 星野 幸博氏(福井)

 (株)かじそ仏壇製作所(星野幸博社長、福井同友会会員)は、「仏教王国」といわれる福井県で長い歴史を持ち、優れた品質のお仏壇の製造と販売を手がけている企業です。

店長から社長に

 同社は今から約400年前、戦国時代の知将・金森長近に伴って越前大野(現在の福井県大野市)に入った刀鍛冶師の鍛冶屋宗兵衛が先祖。明治期になり廃刀令もあって、乾物などを扱う食品販売に転じ、あわせて仏壇も商うようになりました。現在は、かじそグループとして、スーパーマーケット事業と仏壇業に分社化されています。
 星野氏は20年前、大野市から福井市へ初めて出店した時の店長を務めました。当時は本店の大野市から初めて県都への出店、当地では福井をめざした企業は必ず失敗するというジンクスもあり、投資も相当なものだったため「ぜったいにつぶさないという一心で、毎日が無我夢中だった」と振り返ります。現在では経営も順調で県下に4店舗、さらに仏壇製造の工房もあります。
 

事業承継で思いを経営理念に込める

 社員と共に  1995年に福井同友会に入会し、2006年に社長になりました。その2年前には経営理念を成文化し、全社員の前で発表しました。福井同友会の経営指針の学習会にも参加し、そのなかで学んだことが経営理念づくりに生かされました。
 先代から社長を譲り受ける際、互いの考え方をぶつけ合い、練り上げていく中で、自分の思いを盛り込みました。経営理念は「①心の健康あと押し、②心に届く品質とサービスの追求、③仕事を通じて楽しみが見つけられる職場づくり」です。
 心の健康あと押しは、多様なニーズに即した仏壇づくりの中で、具体的な商品の形や経営の思いに反映させてきました。また、商品の品質が何といっても肝心です。品質へのこだわりは福井県郷土工芸品の認定となって実を結んできました。各人が自分の仕事を中心に動く職人世界の中で、「社員との関係は、納得と我慢、将来の夢を社員と共に描いて進む『民主的経営』がベース」と話す星野氏。苦労を重ねながら会社全体のことを社員と共有し、粘り強く信頼関係を築いてきました。
 

職人の世界にも光を

 職人の仕事の様子  県の郷土工芸品の認定は、星野氏が自ら音頭をとって業界をまとめ、県に要望し実現したものです。福井の仏壇は、その歴史や技術から「とても水準が高い」と評価されています。しかし一方で伝統工芸の世界は一般の人々には分かりにくく、有能な職人でも光が当っていないのが現状です。
 「職人の世界にも光をあてたい。後継者不足も心配。そんなことを考えて業界の組織をつくり、県の認定を取った」と語る星野氏。現在、福井同友会の副代表理事も務めています。
 

会社概要

創 業:1872年
設 立:1967年
社員数:27名(女性10名 男性17名) 
     蒔絵・木工・金箔箔押し師など職人含む
資本金:1000万円
年 商:50億円(スーパーマーケット、お墓販売などグループ会社含む)
事 業:仏壇仏具製造販売、社寺修復
所在地:福井県福井市米松2丁目24-36
TEL:0776-54-1933
FAX:0776-54-8588
URL:http://www.kajiso.co.jp
 

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