シリーズインデックス:人を生かす経営II

【第16回】経営指針の実践で、社員とともに幸せの実現をめざす―(株)ファインシステム 社長 佐藤 勉氏(兵庫)(2008.05.21)

佐藤社長 (株)ファインシステム 社長 佐藤 勉氏(兵庫)

 (株)ファインシステム(佐藤勉社長、兵庫同友会会員)は、佐藤氏が大学卒業後に入社した歯科技工所で開発した受注販売管理ソフト「いればくん」を販売する会社として、1986年に創立されました。1992年からは、マラソン大会タイム計測業務を開始。現在は全国約100のマラソン大会計測業務を行っており、ボート・カヌー・アーチェリーなどの計測業務にも本格的に取り組んでいます。

逆境を救ってくれたのは社員だった

マラソン大会の計測  ソフト開発とタイム計測業務という二本柱で順調に伸びていた売上がだんだん横ばいになり、危機感を感じていたころ、期待していた社員の退職が相次ぎました。その内の一人は独立して仕事を持って出たいという考えで、佐藤氏は大変ショックを受け、周りが信じられない状態になりました。
 
 残った社員は新人ばかり。仕事をこなしていくのは困難とも思われましたが、みんなで助け合ってやっていこうと話しあい、歯を食いしばって頑張ったのでした。「それぞれの能力の150%を出しました。それは、逆境に立ち向かっていくような、鳥肌が立つような感覚で、お客様に迷惑をかけずに一年間終えることができたのです」と佐藤氏は振り返ります。

 さらに佐藤氏は、「奮闘する社員の姿を見て、涙が出る思いで、『君たちは本当にすばらしい』と心の底からほめることができました。過去に抱いていた社員との壁は、自分が作った不信の壁だったのではないかと思いました。当然、社長と社員の間には立場の違いは存在しますが、同じ人間としてその間に壁などないのです」と言います。

経営指針との出合い

 そんな中で、社長として何ができるのか考え始めたころ、兵庫同友会の経営指針成文化セミナーに出合いました。まさに「これだ!!」と思った佐藤氏。「左手に夢とロマン、右手にそろばんを持って経営する」「長期に渡って会社を維持しうるためには、経営理念を打ち立て、科学的根拠に基づいて経営しなければならない」という講師の丸山博氏((有)第一コンサルティング・オブ・ビジネス代表取締役)の言葉に、「経営とはそういうものか」と初めて気付き、カルチャーショックを受けました。

 経営指針を作成して実践すれば、きっと社員に報いることができる、社員と幸せになれると考えた佐藤氏は、帰ってきて1~2週間で経営指針を書き上げ、社員の前で発表しました。そして現在、経営指針を作って6期目になります。

行動計画を大事にしてPDCAを回す

 現在の経営指針の作成方法は、毎年冒頭の「経営計画発表にあたって」と「重点課題」を佐藤氏が作り、それを部長・主任クラスに投げかけ、部門別にミーティングを行い、実現するために具体的にどうするのかを議論します。

 そして、全社員参加の一泊研修会を行い、各個人の行動計画を完成させ、最後にその行動にあった数字を乗せて、一年間をスタートさせます。特に行動計画とその実行を大事にして、それを毎月チェックしPDCAを回していきます。また、2010年にはこういう会社にしたいということを書いた「ビジョン2010」を作成しており、理想とする会社のイメージ作りとその実現をめざしています。

感動を提供できる仕組みを作り上げたい

社員と共に  初めて埼玉のカヌー競技に参入した時、大会終了後に連盟の役員が自社の社員の手をつかんで、「君たちの仕事ぶりはすばらしい」と話をしていました。会社に帰るとその社員が「こんなことを言われた」と声を震わせて感動していたのです。

 その時佐藤氏は、「自分の仕事はそうした場面を創造することなのだ。経営指針とはシナリオであり、社長は監督であり、スポットライトを浴びるのは役者である社員なのだと思った」と言います。いま佐藤氏は、自身が仕事を辞めた後でも、社員の手で会社を継続・発展できるよう、経営指針によって感動を提供できる仕組みを作り上げて浸透させていこうと挑戦を続けています。

会社概要

創 業 1986年6月
社員数 13名
資本金 1000万円
年 商 2億円
事 業 ソフト開発、歯科技工所用パッケージソフト販売、
      マラソン等スポーツイベントタイム計測業務
所在地 〒676-0808 兵庫県高砂市神爪1-11-10 サーラ宝殿1F
TEL 079-431-9393
URL http://www.fine-system.co.jp/

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