シリーズインデックス:付加価値を高める

【第5回】 ITの有効活用で業務躍進 (有)大宮工機 代表取締役 宮城靖一氏・専務取締役 宮城光秀氏(沖縄)(2010.05.12) 

 宮城専務 (有)大宮工機 専務取締役 宮城光秀氏

 「自社に適切なIT(情報技術)を探して業務改善をしたい」。社長の宮城靖一氏の思いを理解し、IT導入を推進したのが専務であり実弟の宮城光秀氏(沖縄同友会会員)です。

 レンタル機器  沖縄県で建設機械レンタル業を営む(有)大宮工機。建設現場では、ショベル機械や電動工具、簡易トイレまで、工事の時期だけ必要なモノが活躍しています。こうした機器の大半はレンタル会社からの貸し出し品です。
 8年前に二代目経営者となった宮城靖一社長は「以前は建設会社が機械を所有していましたが、使いたい時だけ借りる方が資産管理や保管が不要なため、トータルコストが下がるのでレンタルが主流になりました」と業界の事情を説明します。

 同社は、300品目に及ぶ機械・用具を幅広く保有し(個数は数万点になる)、顧客のニーズに応える傍ら、沖縄県の赤土等流失防止条例に対応した濁水処理設備を自社開発。これは同社の戦略商品となっています。

手作業での業務管理からお金をかけないIT化へ

 ひとつの工事現場では進捗に応じて頻繁にレンタル品の注文や回収が発生します。大宮工機は1日に60件近くの現場と取引を行っており、従業員の8割は納品業務に従事します。 ところが十数年前までは事務処理を手作業で行っていました。貸し出し状況をすぐに把握することができず、また月末は請求書発行のため、残業続きだったといいます。

 宮城靖一社長はITの活用を考えましたが、残念ながら当時は導入を見送りました。 レンタル業向けのソフトを見たり、利用している企業の話を聞いたりもしましたが、恐らく使いこなせず、「コンピュータに使われる」のではとの思いが先に立ちました。業務の流れに合わせるためにカスタマイズすると数百万円掛かることも、躊躇させる一因でした。

 営業畑の社長に対し、専務は経理面から経営を支えていました。宮城光秀専務は手始めにまず、会計ソフトを導入し、次にデータベースを用いた請求書発行システムを自ら構築。機能を追加し、従業員の意見を取り入れながら、業務の基本システムのIT化に着手します。

お客の情報を瞬時に把握

 次に課題となったのは、本社の顧客対応強化でした。注文のほとんどは現場監督の携帯電話から入ってきます。「お得意さま」には名前を聞かずとも誰なのか理解して対応したいのですが、どうしても担当者によってばらつきが出てしまいます。

 宮城専務は「ここを補完するために、電話番号と顧客データを紐づける仕組みが欲しい」と考えました。ところが調べてみると専用システムはそれなりの価格であり、別の方法を考えることになります。そして、沖縄同友会の仲間からの助言で、電話番号をパソコンにデータ出力する装置を見つけ出し、既存システムとの連携(CITシステム)が実現しました。

 現在は、電話がかかるとその番号に連動して顧客や工事現場のデータが画面表示され、それを見ながら対応できるようになっています。その場で受注内容を入力し、伝票も出せます。以前は、3回の転記作業がありましたが、今では電話を切るころには伝票が出力されるほどのスピードになりました。

ICタグによる管理で 機械稼働率の向上へ

 ICタグ  そして、2008年に入ってからは、個々のレンタル商品の動きをデータ上で正確に捉えられるよう、ICタグを使った管理システムに取り組みました。システムへの発想は以前からありましたが、現物の商品ひとつずつにどうやってデータ番号を持たせるかが課題でした。例えば番号をバーコード化して貼り付けても過酷な現場でははがれてしまいます。
 今回、東京の展示会で水に強く、強度も高い条件に合うICタグを見つけ、これを機械に取り付けて商品管理を行うことにしました。納品と返却の際にタグを読み取り、商品の状況をデータに登録していきます。

 本システムでレンタル状況を集計し、「機械の最適在庫を割り出し、稼働率を上げていきたい」と宮城靖一社長。㈲大宮工機は、社長と専務の明確な役割分担によって等身大のIT導入を実践しています。

会社概要

創 業:1980年
資本金:1500万円
業 種:土木・建設機械のレンタル(濁水処理設備・その他)
所在地:沖縄県島尻郡南風原町字宮平631番地
URL:http://www.ohmiyakouki.com/

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