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【第36回】ニッチも幸(サッチ)も創るもの (有)シーピーシー 代表取締役 原田修治氏(広島)(2011.01.05)

原田社長 (有)シーピーシー 代表取締役 原田修治氏(広島)

 名刺やカタログなどのプリント分野で、大手ができない独自の事業パターンを確立している(有)シーピーシー(原田修治社長、広島同友会会員)。
 バブル崩壊の荒波を受け、下降する事業をいかに持ち直すか。その時に考えついたスタイルが、今の会社の屋台骨となるに至りました。

転機は同友会

 原田氏は、1976年にそれまで勤めていた会社から独立し、事業内容である広告・企画・制作をイメージした“クリエイティブプランニングセンター”の頭文字を取って、「シーピーシー」を屋号に創業しました。

 1986年、取引先のすすめで入会したのが、広島同友会。「当初は、付き合いで仕方なく・・・でしたが、入会していなかったら、今こうして生き残っていられないだろう」と原田氏はいいます。

 まず、同友会の勉強で知ったことは、経営理念・計画を立てることでした。それまでは、全く経営理念などなく、日々の仕事を追うことだけ。
 しかし、同友会の勉強会でその重要性を知り、とりあえずB4の紙に書き出してみるところから実践しました。
 その時、社長一人で考えたのでは理念は浸透しないと思い、社員全員で考えました。今、会社には、社員のイラスト入り経営理念が飾られています。「まさに『シーピーシー』の経営理念ですね」と原田氏。
 また、社員一丸となる姿勢は、経営計画づくりにも表れています。1年に数回、社員全員で考えて作り上げる経営計画は、少しずつ社員に浸透していきます。その結果、だれがどんな仕事に携わっても、会社の方向性が見えるようになってきたのです。

ピンチにチャンスを生む

名刺例  バブルが崩壊し、地方都市広島にもその影響がではじめて、原田氏も苦難の時代を迎えました。廃業・倒産する同業他社が多い中、同友会の勉強会で「今こそ何か行動を起こすべき」と刺激を受けた原田氏は、名刺の無料提案を始めます。
 当初、社員からは反対されました。デザインを仕事にしているのにデザイン料を無料にするということは、ただ働きのようなものだからです。

 しかし、原田氏はその先を見据えていました。便利な少量ロットのリピートによる利益の増加、他の印刷ツールの提案チャンスが得られることなど、入口を入りやすくする工夫だったからです。
 このシステムは、やがて呉の同友会メンバーからの問い合わせを発端にして、広島の同友会のみならず、全国に取扱店舗を広げることとなります。

 なぜ、そこまで広がったのか。それは、大手にできないニッチ(隙間)を狙った戦略だったからです。
3種類の“デザイン無料提案”、100枚からでも安価な“少量ロット注文”、カッティングも可能な“自由デザイン”、最短翌日仕上がりの“納期”。これらの便利が、しかも低価格でできるのです。
 このシステムを他のツールに拡大し、パンフレットなどの販売ツールを充実させたことで、最近では関東の会社からも会社案内の発注がくるようになりました。

あくまでもニッチ戦略

「会社勤めのころ、先輩から『相手の求めるものを提供しよう』と教えられたことと、同友会のおかげで今の自分があります。大手と同じやり方で対抗するのではなく、独自の事業展開で勝負するにはどうすればよいか。そのヒントは、同友会で見つけられました。もちろん勉強会での情報を“聞く”だけでは宝の持ち腐れ。話の中から、何か自分に取り入れることはできないかと、常にアンテナを広げてアレンジしてこそ、その価値が出るのです」と原田氏。

 こうして見つけた今のニッチ戦略の主流を外さず、さらに新しい展開に挑戦する原田氏。
 ぶれない経営姿勢で、ニッチも幸(サッチ)も手に入れています。

(取材・文:松尾保険事務所 松尾 世輝氏 /広島同友会中支部会報誌『セントラルプレス』vol.41号より転載)

会社概要

設 立:1991年1月
資本金:1,000万円
業 種:広告 企画・制作・デザイン
従業員数:6名
住所:広島市中区土橋町6-23
TEL:082-295-3344
URL:http://www.p-hyakkaten.com/

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