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【第46回】地域で選ばれる教習所を目指して (株)DS開発 取締役・三沢自動車学校 代表 木村 安雄氏(青森)(2012.03.28)

木村代表 (株)DS開発 取締役・三沢自動車学校 代表 木村 安雄氏(青森)

三沢自動車学校の前身

 六戸町は青森県県南地方にある人口約1万人の町。三沢自動車学校・代表の木村安雄氏(青森同友会会員)の前職場である六戸自動車学校は、1973年に創業者である父親と叔父が出身地の六ヶ所村開発計画による土地買収で立ち退かざるを得ず、安定収入を求めて新規事業として設立した自動車教習所です。1995年に先代が亡くなり、当時35歳で指導員をしていた木村氏が後継しました。

 当時の職員は皆、木村氏を入社時から育ててくれた先輩職員でした。経営者として先輩職員にどう接すればよいのか分からず、人間関係に悩む日々を重ねていました。経営者となって9年目の2004年、経営者として何をすればよいのか分からず年月だけを重ね、売上げも下がって行き詰まっていたときに「一緒に学びましょう」と青森同友会の「経営指針を創る会」に誘われ、参加しました。「『経営指針を創る会』では今までの自分を素直に反省し、自分の役割を知ることができた」という木村氏。社員のために、会社の将来を考え、会社のあるべき姿、そのための自動車学校の役割とは何かを真剣に考えるようになりました。しかし、少子高齢化など自動車学校を取り巻く外部環境は以前にも増して厳しくなっていました。

六戸自動車学校と三沢自動車学校の統合

外観  地方の町村の人口減少は確実に進み、周辺市町村の自動車学校では生き残りをかけた過当競争の結果、廃校する教習所も出ていました。「教習価格の値引きなど他社との無理な競争はしない」「地域内の入校生人口に適合した教習所の規模は?」など自社の環境分析を行いました。5年後の設備投資を考えると六戸町という立地での勝負は困難になってきたと判断し、木村氏は同業他社の動向などを参考に新たな展開を模索し始めます。

 そんな中、隣町の三沢市(人口約4万人)にある自動車学校の一つで指導員の高齢化が進み、若手社員の育成が困難になっていた事情を知りました。隣町でお互いが補える条件があると判断し、2009年7月、相互に歴史ある(株)DS開発 三沢自動車学校と六戸自動車学校が統合し、木村氏は(株)DS開発 取締役、三沢自動車学校の代表・設置者に就任となり、新たな出発をすることになりました。

地域で一番の「選ばれる教習所」を目指す

教習の様子  存続会社である三沢自動車学校は、2社統合の結果、新しい機材の導入や指導員の研修会を定期的に開催し、年齢層に幅のある指導員同士の考えをすりあわせました。教習所では当たり前である命の大切さ、事故の重大さを教習生に徹底的に教え、免許とりたてである初心者の事故率低下に力を注ぐなど、教習の質の向上に努めることができるようになりました。また、今後を担う若手指導員には、自分の夢を叶える職場にするために、職場で今何をしなければいけないのかを考えてもらい、自発的な行動をうながしています。

 また、教習価格については、地元の自動車学校との価格競争は絶対にしないと決め、「競争することで共倒れしたくない」と、5,000円ほど通常よりも高めに設定しています。

 このような取り組みを経て、2011年12月の合格率は男女ともに100%を達成することができました。また、2008年と現在の入校者数を比較すると約2倍に増えており、最近では遠方からの問い合わせや外国人の受け入れもあります。遠方からの教習生の送迎など大変なこともありますが、それらは「自社の評判がよくなっている」「お客様から必要とされている」という証拠であると考えて対応しています。

経営指針を創る会での気づき

 同友会の「経営指針を創る会」を受講することで、どんな気づきを得て、何が変わったのか。木村氏は「受講する前は、自動車学校を辞めてしまおうかと考えていましたが、受講したことにより、可能性を探り、職員のために何をしたらよいのか、長期展望や経営者の責任について考えるようになりました。職員や教習生のためにやらなくてはいけないという気持ちが上回り、他人のせいにしなくなりました。5年先、10年先を考え合併を選択したのも、経営指針を受講していなかったら考えられなかったことです」と言います。

将来への展望

受付にて  「地域にしっかりと根を張ることです。根を張るには地域との交流と社会貢献を欠かすことはできません。現在、少子化が進んでいますが、教習生の数は減少しないと思います。六戸自動車学校時代に地域でかかわっていた人たちが応援してくれていますし、三沢という地域で必要とされる自動車学校にしたいと考えています。よい自動車学校にすれば周囲の人たちがよい評判を流してくれますので、営業面での費用をかけなくても、自然と入校者が集まってくるようになっていくと思います」と、木村氏は将来への展望を語ります。

会社概要

設 立:2009年((株)DS開発 三沢自動車学校)
資本金:1,000万円
事業内容:自動車教習所
職員数:20名(内指導員15名)
所在地:三沢市南町2-31-160
TEL:0176-53-3158
FAX:0176-53-8718
URL:http://www5.ocn.ne.jp/~misawads/sub1/newpage1.html

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