シリーズインデックス:共に育つ

【第15回】社員と同じ目線を忘れない (株)ライフ白銅 代表取締役 小島 秀孔氏(埼玉)(2012.08.01)

小島社長 (株)ライフ白銅 代表取締役 小島 秀孔氏(埼玉)

目標を持てば人は変わる

ガソリンスタンド  ガソリンスタンド11店舗、ゴルフ場2店舗、スポーツクラブ2店舗、コーヒーショップ2店舗を経営する、(株)ライフ白銅(小島秀孔社長、埼玉同友会会員)。現在、社員27名と、200名以上のスタッフを率いる、代表取締役の小島氏は2012年で入社26年目を迎えます。オーナー社長ではなく、新卒採用として入社した小島氏は「新人時代はまったくだめな社員でした」と当時を振り返ります。

 「仕事に対して、プロ意識を持ったのにはきっかけがあったのです。ガソリンスタンド勤務から本社勤務となった20代後半のある日、銀行の担当者と資金について話し合いの中で、財務知識が乏しい自分を実感せざるを得ない場面がありました。銀行の方も、口にこそ出しませんが、『こんなことも知らないのか』という態度で、ふがいない自分が情けなく、同時にくやしく思いました。その時、『絶対に対等に話せるようになるのだ』と目標を持ちました。目標ができたことで、その後の仕事に対する思いは、まったく違ったものになっていったのです。だから最初から、『この社員はできる』『見込みがない』など決めつけず、入った時のレベルでなく、一年一年、その人なりの成長を見ていきたいと思える自分がいるのです」と小島氏は言います。

人に聞く前にまず自分で考える

社内の様子  一般社員だったころの感覚を忘れないようにすることも大切にしている小島氏。社長専用に使える部屋もありますが、来客対応のとき以外は、他の社員と同じフロアで机を並べ、仕事をしています。「皆から遠い存在になってしまってはいけないと思うのです。風通しのよい状況を築くことで、たとえ悪い情報だとしても、私が知らなくてはいけない情報が入ってくるようになるのです」と小島氏。同社では、「失敗があったときに個人を責めるな」と指導しています。個人のせいにしてしまうと、「その人が悪かったのだ」と完結していまい、再発防止につながらないからです。 

 また、自らスタッフの気持ちに寄り添う姿勢の小島氏に、アドバイスを求めてくる社員が多くいます。中には「社長、どうしたらいいですか?」というような質問をしてくる社員もいます。そんなとき、小島氏は「あなたの経験から考えて、どうするのがいいと思う?」と逆に質問をして社員の意見を引き出します。まず自分で考えるということをさせることで、社内には「人に聞く前に、まず自分で考える」というスタンスが浸透してきています。「自分で考えるということはその人の人生においても大事なことで、社会人としてそういう考え方のできる人になってほしいと望んでいます」と、小島氏は言います。

グループ討論でコミュニケーション力アップ

 年に4回ほど行われる全社員対象の研修会では、異なる業種のスタッフが一堂に会して行われます。会社の経営方針や貸借対照表の見方などの講習に加え、グループ討論も行われます。そこでは、まるで同友会と同じように本音で語り合います。年功序列ではなく、自分たちでグループ長を決めてテーマについて話し合います。前回は「会社の強みと弱み」がテーマでした。

 グループ討論ではネガティブな意見が出ることもあり、割って入りたくなる場面があっても、そこをぐっとこらえて、小島氏は冷静に聞きます。自由に発言できる雰囲気をつくることで、討論はより活発になっていきます。ときには社員の発言に成長を感じてうれしくなる場面もあります。「最近も、会社が多角経営をしていることに対して、またこれからの新規事業に対して、『これからこの会社はどんなことに挑戦していくのだろうと考えると楽しみだ』という意見を聞き、頼もしく思いました」と小島氏。この取り組みは、サービス業ならではのコミュニケーション能力を高めることにもつながっています。「自分の意見を正しく伝えること、人の話をよく聞くこと。そして自分と異なる意見も受け入れ、そういう考えもあるのかと柔軟に対応することも学んでほしいのです」。

 月に一度の定例会議でも、新聞をテーマに意見を交換する場をつくっています。毎月順番で担当者が記事を選んできますが、クレーム対応に関する記事がテーマだったときには議論が白熱し、さまざまな意見が飛び交いました。こうした意見交換を通して、お客様に対し、さまざまな対応力をつけています。

繰り返し話すことで思いを共有する

社員  同社では、一つひとつの店舗が離れた場所にあるため、社員同士が顔を合わせる機会が少なく、全店舗合同の朝礼はできません。本社で週に一度行われている朝礼では、小島氏が会社の経営のことや、現場での出来事に関する感想など、多岐にわたる話をしています。内容を共有するために、記録担当者が内容をまとめ、各店舗にファックスを流しています。同時にファイルにもとじられ、すでに何冊にもなっています。「会社をどうしていきたいのか、経営に対してどういう思いをもっているのか。そうしたことは、一度や二度話したくらいでは伝わらないと思っています。だからこそ、何度も繰り返し話をしています。そうすることで、皆の心に根付いていくものだと思っています」と小島氏。店舗に顔を出したとき、「社長、この前の話はよかったですね」「いつも欠かさず読んでいます」とスタッフから声をかけられることもあり、継続することの重要性を感じています。

 「それぞれの持ち場で売るものは、コーヒーであったり、ガソリンであったり、あるいはスポーツジムでのサービス提供であったりとさまざまですが、理念は一つ。自分たちは一つの会社の仲間なのだという気持ちになれることが大事なのです」と小島氏は語ります。

会社概要

設 立:1963年
資本金:1億円
年 商:87億円
事業内容:石油事業(独自ブランドのセルフサービスガソリンスタンド経営)
   スポーツ事業(ゴルフ練習場経営、スポーツクラブ経営)」
   レストラン事業(ドトールコーヒーショップ経営)
従業員数:27名 (パートアルバイト約200名)
URL: http://www.lifehakudo.co.jp/company/c_greet.html

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