シリーズインデックス:わが社の経営理念

【第14回】匠の技を武器に、住まいと暮らしの“守り番”を目指す (株)小幡工務店 代表取締役社長 小幡 健一氏(栃木)(2013.07.24)

小幡社長 (株)小幡工務店 代表取締役社長 小幡 健一氏(栃木)

明治期創業の老舗工務店

会社の様子  1890年設立の(株)小幡工務店(小幡健一社長、栃木同友会会員)は、今年で創業123年を数えます。創業以来一貫して、数寄屋建築に代表される高度な建築技術を強みに、一般住宅をはじめ集合住宅、店舗、施設などの新築工事ならびにリフォーム工事を手がけてきました。

 4代目社長の小幡氏は20代のころ、修行の一貫で東京都内の中堅建設会社に勤務。数多くの現場で職人経験を積んでいた矢先、先代が体調を崩したことで実家に帰らざるを得なくなり、28歳のときに家業を継ぎました。当時は社員1名、大工職人4名でした。

 いきなり代表取締役になったことで、当初は組織の運営や経営の舵取りなどさまざまな心配事がありましたが、実際には、自らの職人経験を生かし、現場感覚を持っていたことから、社員や大工さんとのコミュニケーションは十分にとれていました。持ち前のリーダーシップと朗らかな人柄で、他の職人からの信頼も厚く、現在は社員6名、大工職人7名の体制で年間10棟前後の新築物件と、30〜40件のリフォームを手がけています。

経営にまつわる素朴な疑問

 栃木同友会の会員になってかれこれ20年以上。入会のきっかけは、都内で開催されていた建築業界の勉強会の席で、同業者から同友会の話を聞き、地元・栃木にもあることを知ったから。「わざわざ東京まで通わなくても、地元で経営の勉強ができるのならありがたいと思い、自ら門を叩きました」と小幡氏は言います。

 当時は先代から家業を継ぎ、がむしゃらに仕事に取り組んでいたころ。小幡氏は時々、こんなことを考えていました。「自分は何のために経営(仕事)をやっているのかな?」。そんな素朴な疑問が脳裏をよぎる中、県例会をはじめとする各種勉強会に参加して経営理念の大切さに気づきました。

 経営に関してブレのない考えを明文化することで、素朴な疑問を払拭しようと考えた小幡氏は、同友会の仲間たちと切磋琢磨しながら、明文化するためのキーワードをまとめ上げていきます。

私達の心構え  「実は、経営理念をつくる以前に、6カ条からなる『私達の心構え』(写真参照)をまとめ上げ、これがわが社の経営理念の土台になりました」と小幡氏。具体的な行動基準を示した「私達の心構え」は、プロの職人であることの基本とこだわりが、わかりやすい言葉で端的にまとめられています。栃木同友会に入会して7~8年目につくったもので、その後4〜5年経ってから一度ブラッシュアップしました。現在は毎週月曜日の朝礼の際に社員全員で復唱し、社内で意思疎通を図っています。

「心構え」と「経営理念」の響き合い

 自社の「経営方針」ともいえる「私達の心構え」が土台となり、「経営理念」が完成したのがおよそ5年前。建築業界における自社のあるべき姿、将来的なスタンスなどを盛り込み、より大きなくくりでまとめ上げました。同友会の仲間たちのアドバイスを受けながら、一字一句に徹底的にこだわった経営理念は、「点数を付けるなら80点。とても気に入っています。仕事に対する思い、家造りに対する思いが存分に表現できました」と小幡氏自身もかなり気に入っています。経営理念が「絵に描いた餅」では意味がありません。活用することにこそ意味があり、小幡氏の「気に入っている」との言葉は、経営理念の実践・実行を裏打ちするものでした。先にまとめ上げた「私達の心構え」と「経営理念」が響き合うことで、より大きな相乗効果が生まれています。

 「意思疎通が図れたことから、社員や大工職人たちのマイナス面での『自分流、自己流』が格段に減りました。同時に、現場のゴミ掃除を各人が率先して行うようになり、きれいな現場になりました。この行動はクライアントさんの評価も高く、予期せぬ収穫でした」と小幡氏。

 経営理念とは、地中深く流れる伏流水のごとく、じっくりと時間をかけて浸透していくものかもしれません。同社は足かけ十数年をかけて、経営者の考え方や会社の方向性を社員と共有。最近になってようやく、目に見える形で効果が現れはじめました。

経営理念

・私たちは、日本にとってかけがえの無い伝統 建築技術を活かし、快適なこだわりの建築空間を創造し、豊かなくらしづくりに貢献します。
・私たちは、お客様とそこに携わる人達の喜ぶ姿に手ごたえと幸せを実感しながら、絶えず地域社会に信頼される企業を目指します。
・私たちは、ご縁させていただいた方々、ご家族、子々孫々まで何代にわたっても、住まいや暮らしの守り番に徹していきます。

会社概要

創 業:1890年
資本金:2,000万円
年 商:約2億円
事業内容:<新築工事>一般住宅、集合住宅、店舗、施設など
     <リフォーム工事>水まわり、内・外装、外構など
従業員数:社員6名、大工職人7名
所在地:栃木県真岡市若旅1431
TEL:0285-82-4710
FAX:0285-82-4464
URL:http://www.obata-h.jp
E-mail:info@obata-h.jp

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