シリーズインデックス:チャレンジ環境経営

【第6回】環境経営の視点は同友会の「ひねり」 (株)ゼニス 代表取締役 中村 勝氏(栃木)(2015.05.20)

中村社長 (株)ゼニス 代表取締役 中村 勝氏(栃木)

環境ソリューション事業を上乗せ

商品01  (株)ゼニス(中村勝社長、栃木同友会会員)は、主にOA機器部品の開発・製造を行ってきました。主に複写機等に使われるクリーニング機構や給排出するためのローラー、転写ベルトなどが主力製品です。

社屋外観  中村氏は、1969年、24歳のときに会社を創業。ある方の紹介で、複写機の部品を作るというビジネスに巡り合いました。日本の複写機の発展とともに当社の仕事も増え、会社も成長していきます。親会社の海外展開に押され、香港、中国広東省に工場も造りました。その海外進出により中村氏は、韓国、中国の技術力の躍進を肌で感じました。日本の技術力優位が続かないこと、今後製造業が生き残っていくためにはどうすればよいのかを模索し、OA機器の部品だけでは成長は見込めないと考え、そして今までの事業に環境分野への事業を加えていきました。同社ではこの事業を、環境問題を総合的に展開していく事業と考え、「環境ソリューション事業」と呼んでいます。

 その後、中国の工場は清算し、売上も減少しました。紆余曲折はありましたが、環境ソリューション事業は売上、社員数とも伸びていきました。現在売上の半分は環境ソリューション事業が占めるまで成長してきました。

できることは自分たちで行う

 工場は10年前機械が何台も並び、少し空いている空間で作業者が作業を行っているという雰囲気の工場で、生産ラインのほとんどの機械を内製化してきた技術レベルの高い会社でした。

 まず、中村氏はその技術力を生かし、食品残さを肥料にするバイオ式生ごみ処理機を作ります。しかしできた肥料の利用がない限り、機械が売れないことに気づき、つまずきます。そこで、自分たちの作った機械で肥料を作り、その肥料を使い、農産物を自分たちで生産し、さらに、それを加工も行い販売していくことを決意しました。

 会社の駐車場に、ピザの加工販売ができるキッチンカーが止まっていました。「従業員向けの販売か?」「なぜここに?」このキッチンカーは、生産したトマトを使いピザを作り、近くにある那須ガーデンアウトレットなどで週末販売するためのものでした。中村氏は「農業はいろいろなイベントをやらなければだめなんだ」と言います。機会あるごとに、自分たちが作ったものをPRしなければならないということなのです。

ソーラーシェアリング事業

ソーラーシェアリング  中村氏は、このようなビジネスは採算ベースに乗せていくのに時間がかかることを覚悟していました。並行して栃木県内の数か所の防犯灯のLED化事業や、固定価格買い取り制度を利用した太陽光発電の事業、そしてそれらの設備のメンテナンスをいろいろな企業団体と連携をはかり、実施してきました。

 特に近年では、太陽光のパネルの高さを工夫し、農作物を作りながら、太陽光発電を行う「ソーラーシェアリング」という栃木県内初めてとなる事業に取り組みます。この事業は農林水産省より、2013年に「農地に支柱を立てて営農を継続する太陽光発電設備等について」の指針が発表され、今まで農地転用ということで認可されなかった事業が、一時転用許可ということで認められたのを受けて実施したものです。農地に支柱を立て、下で作業が行えるように太陽光パネルを高く設置し、日照時間が短くとも育つミョウガなどの生産を始めました。

事業をつなげて循環させる

 同社は一見いろいろな事業を幅広く行っているように見えます。中村氏は「一連の『循環』というプロセスの中に事業が存在し、小規模であるが、おのおの事業で付加価値を付け、それらの事業をつなげていき、循環をさせていっている」と言います。

 この一連の取り組みで一番変わったのは、中村氏の視点の広がり。まさに同友会で言われる「ひねり」です。例会では報告者の話を聞いて、自社に当てはめて「ひねり」、グループ討論でまたさらに自社のことに「ひねる」。例えば、ソーラーシェリングは現場改善でよく行われる「ながら作業」です。中村氏が言う「循環」は生産ライン。今まで培ってきた発想や枠組みを「環境」や「農業」に展開しています。工場内にとどまっていた「循環」が、近隣地域を含めた栃木県全体を視野にいれた、地元の農業・エネルギー・観光等の資源を、同業や異業種問わずに、小さくともおのおのに適した形で組み合わされて広がっています。

会社概要

創 業:1969年
資本金:1,000万円
年 商:6億1,600万円
事業内容:OA機器部品開発製造事業、環境ソリューション事業
従業員数:60名
所在地:栃木県那須塩原市上厚?170-2
TEL:0287-62-3104
FAX:0287-64-1441
URL:http://www.zenithinc.co.jp/index.html

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