シリーズインデックス:チャレンジ環境経営

【第7回】「環境との共生」が太陽光エネルギーだった  (株)いずみや 代表取締役 村松 卓氏(茨城)(2015.05.27)

村松社長 (株)いずみや 代表取締役 村松 卓氏(茨城)

 茨城県南部に位置する稲敷市は東に霞ヶ浦、南に利根川を有し、まさしく水郷と言われるに相応しく、そこに延々と広がる田園風景は自然との共生を言わずともなく醸し出しています。

 「いずみやグループ」は塗装工事の請負業を中心とする(株)いずみやを中心に、土木建築部門の東伸工業(株)、そして水回り、空調工事などの設備関係を専門とする稲敷設備工業(株)からなります。創業から40年を迎え、総合工事業者として「自社一貫施工体制」を確立する一方、不動産部門や賃貸部門を拡大し、茨城県南部から千葉県北東部を中心に、関東一円をエリアとし事業を進めています。

太陽光エネルギーへの取り組み

社屋外観  村松氏は塗装屋の息子として生まれ、ペンキの匂いと工事現場の騒音の中で育ち、大学を卒業後何のためらいもなく、父親が経営する(株)いずみやに入社しました。大学時代から環境土木に興味を持ち、環境に対する思いは人一倍。土地柄、豊かな自然との共生に関わることのできる事業をしたいと思うようになり、また、実姉の村松清美氏(税理士)も自称「環境おたく」と言うほどに「環境問題」に強い関心を持ち、姉弟で自然エネルギーに関わる事業で何かできないかを考え続け、東日本大震災の2年前、2009年にメガソーラーの事業を発案します。この計画を電力関係各所に持ちかけたものの、「大変興味深い提案ですが、採算性はないと思います」と、事業化は不成立。今でこそ空き地にソーラーパネルが立ち並び、その光景は当たり前になっていますが、当時は各家庭の屋根にソーラーパネルを取り付ける程度が主流でした。

転機

 一度はとん挫したメガソーラー事業に大きな転機が訪れます。2011年3月11日の東日本大震災による原発事故でした。これにより、政府の方針が原発依存の考え方から自然エネルギーへとシフトします。一度諦めかけたメガソーラー事業に光が灯しだされた瞬間でした。

環境への思い

 県内ではだれも手掛けていない地元中小企業家によるメガソーラー事業。政府の方針、そして金融機関の理解により融資を受けることが可能となりました。念頭には「環境との共生」。これをなくしてこの事業を始める意味がない。豊かな自然と地域のDNAとして養われた環境への意識(使命)が土地の有効活用へとつながるのです。

いずみやグループの強み

メガソーラー  経験や知識のないメガソーラー事業ではありましたが、先代のころからの経験豊富な職人の知恵によって、さまざまな問題を解決して行きます。例えばソーラーパネルの架台として単管(パイプ)を使うことを発案します。単管の扱いは塗装業で培ったもの。塗装において足場を組むため単管の取り扱いはお手の物、ひいては単管の強度を知り尽くしたうえでの施工となりました。また、これにより少々のずれでも修正が可能となり設置の容易さを生んだのです。まさに世界に誇れる技術なのです。また、東伸工業をはじめとしたグループ会社、協力会社により土地の区画整備から電気工事まで一貫した作業ができる事も強みとなっています。まさしく普段自分たちがやっている仕事のノウハウがメガソーラー事業に生かされているのです。

社員はファミリー

 先代から事業を引き継ぐと同時に「地域に根ざした会社」「地域から生かされている会社」も任されました。「社員はファミリー」と言い切り、包み隠さず触れあうところに信用(信頼)が生まれます。「お互いが信頼できる立場にあること、ファミリーの思いつきや言動を大切にしていきたい。その環境をつくるのは私の役割だと思います。そしてそれは社員だけに留まらず、お客様からの信頼へとつながっていくのです。特別、営業という意識を持って顧客先、関係先を回ったことはありません。人間関係ですかね」と村松氏は笑顔で言います。普段の何気ない会話や接し方で、自然と仕事が決まって行くのです。

環境エネルギーへの思い

 これまで、エネルギーは石油など輸入を前提とした考え方ですべてが動いていました。しかし、これから先は環境を前提とした時代がやってきます。今現在、地域に貢献できることとして雇用の創出があります。それに付随し、太陽光があるのですが、これはあくまでも入口です。環境経営については今後どのような形に変わっていくかは分かりませんが、まずは環境を守るという気持ちを持ち続け意識して行くことが大切です。

 「悲しいことですが、かつて世界では、水や食料やエネルギーを求めて戦争が起きました。また現代社会においても起き続けています。でも幸いにしてわれわれが住むこの地域は人が生きていくために必要なこれらの物を持っています。これら何よりも大切なこの財産を『地産地消』できる環境を整えていければと願いますし、整えなければならないのです。私は『お客様や関係先に恵まれ』『ファミリーに恵まれ』『チャンスに恵まれ』て、環境経営に結びつく手立てをいただきましたが、これから先、環境だけに走り過ぎずバランスを保ちながら地域に貢献できるよう努力して参ります」と村松氏は語ります。

会社概要

創 業:1971年
資本金:3,000万円
事業内容:塗装工事業/不動産業/売電事業
グループ会社:東伸工業(株)
       稲敷設備工業(株)
従業員数:25名(パート含む)
所在地:茨城県稲敷市橋向1135-4
TEL:0299-79-2587
URL:http://www.izumiya-g.co.jp/index.html

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