シリーズインデックス:チャレンジ環境経営

【第26回】継続が環境保全に自然と取り組む組織風土をつくる ダイヤ工業(株) 代表取締役 松尾 正男氏(岡山)(2015.11.25)

松尾社長 ダイヤ工業(株) 代表取締役 松尾 正男氏(岡山)

社屋外観  ダイヤ工業(株)(松尾正男社長、岡山同友会会員)は、設立50年の記念事業として2014年に、スポーツクラブも入居するまったく新しい複合型施設としての機能を兼ね備えた新社屋「ロコステ」(Locomotive Station:運動器を中心とした健康な身体づくりのための総合施設)を竣工しました。

 計画当初から、新社屋はできるだけ環境負荷がかからない設備にするというアイデアが松尾氏の念頭にはありました。外壁は大きなガラス張りにし、晴れた日の午前中は電気を点けなくても新聞が読めるほどの明るさがあり、なおかつ社内の照明は全てLEDで消費電力を抑えました。また社屋の屋根にはソーラーパネルを設置し、太陽光発電も行っています。 

同友会で『環境経営』に出合う

 設立当時はイ草製品の製造・加工を主としていましたが、皮革小物製造等を経て整骨院向けにコルセットを扱うようになり、1984年からは自社開発のコルセットの販売を始めました。松尾氏は1996年に同社の2代目社長に就任し、同友会で学んだ理念型経営を実践しながら、「通“心”販売」による腰痛対策用コルセットやサポーターを手掛けて飛躍的に業績を伸ばしました。

 ISO9001(品質方針)、ISO27001(情報セキュリティ方針)に続き、2008年には環境方針であるISO14001を取得。「社会の要求に応えようと努めていたら自然とこのようになりました。環境経営を特別に意識しているわけではないけれども、同友会で『環境経営』という言葉に出合い、いつの間にかそういう視点で物事を考えるようになったんでしょうね」と松尾氏は語ります。

社員が動かす地域貢献活動

安永さん  省エネルギーの取り組み以外にも、社内のCA(Community Activity:地域貢献活動)委員会を中心に環境保護活動も行っています。社員の自主性を尊重し、松尾氏はあまり口を挟まないように心掛けています。社員が高い意識を保ちながら自主的に地域貢献活動に取り組める理由を、「優秀な社員を採用することです」と松尾氏は言います。

清掃活動の様子  同社は毎年新卒採用に取り組んでおり、CA委員長の安永さんは今年で入社4年目です。入社前の就職活動の際に委員会の活動を知り、すぐに興味を引かれました。現在は委員会活動を楽しみながら、さまざまな地域貢献に取り組んでいます。真夏に実施する地域の清掃活動では、ダンボールをリサイクル回収して貯めたポイントで冷たい飲み物などを買い、仲間に差し入れることで成果を還元しています。また清掃前と清掃後の写真を掲示板に貼り出し、職場の全員に成果を実感してもらうことで次の活動への参加意欲向上につながっています。

日ごろの業務に「環境保護」の視点を生かす

ロジスティックセンター内  製品などの入ったダンボールを貯蔵している社内のロジスティックセンターでは、通路が整然と確保され、ゴミ一つ落ちていません。ここで出る空のダンボール箱は、潰してまとめた上で1日ごとに回収業者に引きとってもらっています。

 「日ごろの業務で、染料や材料は自然や人体に無害なものを使うようにしているけれど、製品のリサイクルまでは十分にできていません。今後、海外への進出も考えると、ヨーロッパなどにはISOの先進国も多いため、環境保護に対する姿勢が厳しく問われる。今後はそういった部分を強化していきたいですね。例えば、製品のサイズでもS・M・Lと展開しているものをフリーサイズで対応できるようにすれば、無駄もなくなるのではないでしょうか。荷物の輸送もダンボールではなく、コンテナに詰めて納品し、またコンテナを回収して戻るというようなゴミの出ない流通の形や紙のカタログについても考えていきたいと思います」と松尾氏は語ります。

社員一人ひとりの意識に浸透

 同友エコには、ISO14001担当の社員が中心になって取り組み、2013年度と2014年度には「社員と共に賞」を連続受賞しました。「持続できているということは、環境保全に自然と取り組む組織風土ができてきているのかなと思っています。大上段に構えず、持続することが大切だと思います」と松尾氏。現在はエネルギー削減目標として、「電気使用量」「廃棄物」「裁断ロス」の3つの削減を掲げ、その取り組みは同社のホームページにも掲載されています。

 「社内全体で取り組むことで一人ひとりの意識に浸透し、職場だけではなく社員の家庭にまで影響を与えていると感じています。一人ではなく、周りに影響が広がっていくことで初めて効果は出てくるものです。数値目標を明確にしているけれども、まだまだ浸透していません。これからの中小企業はもっと環境経営を前面に出していかなければならないと思います。環境保護活動に取り組むと、何より気持ちが良いし、コストダウンにもつながる。同友会型の企業でなければ浸透は難しいかもしれないけれど、将来的にはビジネスにもつながってくるはずです。ちょっとしたことから始めて、とにかく持続することが大切です」と松尾氏は言います。

 今後は近隣の企業にも呼びかけて、連携しながら環境経営に取り組みたいと語る松尾氏。環境保全を通じた地域貢献は、同社の理念「わが社は顧客のニーズに応える医療用品の提供を通じて社会に貢献する」とも響き合っています。環境負荷軽減に楽しみながら取り組むことで、新しい発想とビジネスチャンスが生まれています。

会社概要

設 立:1963年
資本金:1,000万円
事業内容:医療用品の開発および製造・販売
従業員数:102名
所在地:岡山県岡山市南区古新田1125
TEL:086-282-1245
URLhttps://www.daiyak.co.jp/

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