【第7回】社員が一番の宝-(株)むつみワールド 社長 佐々木 克巳氏(秋田)


社員が一番の宝

(株)むつみワールド 社長
佐々木 克巳氏(秋田)

 (株)むつみワールド(佐々木克巳社長、秋田同友会会員)は、秋田市で建設、不動産業を営んでいます。佐々木氏は、1990年に入社し、2000年に現職に就任しました。

 同社は毎年のように新入社員を採用。会社の一番は社員と位置付け、社員一人ひとりの可能性を引き出し、磨け上げていくことを社是としています。「最前線でお客様と直接対応するのは社員。だからこそ自分から仕事を開拓していく力を培ってほしい。自社商品を磨くために教育を継続して『共育』にし、競争社会を生き抜くために『共創力』を身につけなくては」と佐々木氏は言います。

 佐々木氏は2004年秋田同友会準備会時に入会し、以後代表として秋田同友会発足のために精進してきました。自社も含め業界全体の地位、意識の向上そして、地域に根ざした経営をしていこうという気持ちが同友会の掲げている理念と一致したとのことです。

社員自らが大きな夢を、そして『お客様の夢』の実現へお手伝い

 今年、4人の新入社員を迎えての社員研修は、5泊6日の日程で行われました。カリキュラムはその年の新入社員に合わせて、面接・採用責任者である佐々木氏と社員1名で練り上げます。研修期間中は佐々木氏も寝食を共にし、社員とかかわりあいます。

 カリキュラムには、「成功する社会人の心得」として、人生設計を立てるという話を取り入れています。「私たちの仕事は『お客様の夢』実現のためのお手伝い。私たち自身が夢を持ち、その夢に向かって突き進んでいなければ、お客様のお手伝いができない。そして礼儀作法、応接マナー、給仕にも携わります。実践しながら納得させていく、当たり前のことをしているのです」と佐々木氏は語ります。

 また、必ず先輩社員に実践報告の場を設けさせ、お互いに刺激しあう関係を持たせています。

研修は、自分をさらけ出す場

 社員研修の意義は何?との問いに、「社会人としての心構えを学んでもらう場ですが、何よりもまず私の考えを聞いて、さらに私の素の姿を社員に見てほしいということが一番。そして社員とかかわることで、私自身が社員の特性に気づき、的確な育成指針を見出すためでもあります。また、研修を通して社員同士が自分をさらけ出し、お互い理解を深め、同期として助け合う『自立と援助』の気持ちが芽生えてくれれば」と答える佐々木氏。

 新入社員からは「人生設計ということがすごく勉強になった」「つらいことを乗り越えての達成感、喜び、感動を得るため、有意義な人生を送るため一生懸命頑張りたい」との感想が寄せられています。

将来ビジョンを打ち出せる魅力ある会社に

 「不動産業は、独立しやすい業種。それを恐れて社員の教育を怠るのではなく、独立する以上に魅力ある将来ビジョンを打ち立てることが最善策です。そのためにも社員と真剣に向き合い、『共育』『共創』のむつみあう社風を更に向上させていきたい」と、抱負を語る佐々木氏です。その根本には同友会で学んだ「労使見解」(「中小企業における労使関係の見解」中同協発行パンフレット『人をいかす経営』所収)の一つ、社員を信頼できるパートナーと考え、共に育ちある共育(教育)の精神があると言います。

会社概要

創業:1967年
資本金:5000万円
社員数:54名(パート2名含む)
事業内容:住環境創造業・不動産情報ネットワーク事業
所在地:秋田県秋田市八橋本町3-18-33
TEL:018-863-5050
URL:http://www.mutumi-w.co.jp/