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【第20回】デザイン性ある日常食器を世界へ 白山陶器(株) 社長 松尾 慶一氏(長崎)(2008.12.17)

白山陶器(株) 社長 松尾慶一氏(長崎)

 松尾社長  白山陶器(株)(松尾慶一社長、長崎同友会会員)の歴史は古く、創業は1779(安永8)年。松尾氏は社長に就任し12年になる8代目です。華やかで高級品としてのイメージが高い有田焼とは違い、大衆向けの日常食器が中心の波佐見(はさみ)焼。しかし、白山陶器はいち早く、デザインを重視し、他社との差別化を打ち出して来ました。

400年の歴史がある波佐見焼きだが

作業風景  長崎県波佐見町は400年前から続く陶磁器の町です。しかし、一時は100社以上あった窯元も今では半減し、産地全体の売上もピーク時(1990年)の3分の1にまで落ち込んでいる現状を前に、始めて「目が問屋に向いていた」と気づきました。「誰のために作るのか」「ユーザーは何を求めているのか」いかに市場に目を向けていなかったかに気づきました。しかし、その時はすでに産地そのものが、ものを生み出す力を失くしてしまっていました。

1999年の初出展が転機に

 そんな中、1999年、東京ドームで毎年開催されている「テーブルウェア・フェスティバル」へ出展を決意。9日間で30万人もの来場者があり、「製品を手に取って観たほとんどの方に初出展であることをわかってもらえた喜びと、多くの方の生の声は生涯忘れられない衝撃と同時に大きな転機となった。初出展とわかってもらえるくらい、我社の製品はインパクトがあることを実感した」と松尾氏は振り返ります。

 反響は上々で、今まで販売の窓口として考えてもいなかったインテリアショップや雑貨店等からの問合わせも増え、自社製品への自信を再認識することができました。100点以上もの「通産省グッドデザイン賞」を受賞する製品を生み出し、業界では「優れたデザイン」の企業として評価を得ていた同社も、まだまだ一般には広く認知されていませんでした。

最終ユーザーに思いを直接伝えたい

店舗風景  「とにかく白山陶器を、白山陶器の製品を知っていただきたい。見て、触れて、使って頂きたい」という松尾氏の思いは、2003年、東京・青山に初の直営店の出店という形で表れました。

 同友会には1996年12月に入会、県共育委員長、支部長、副代表理事と歴任しながらも最大の転機は、2006年5月熊本での中同協役員研修会でした。それは衝撃そのもの。同友会運動の中で深く学び、実践している他の同友会の役員の姿に触れて、10年間「同友会で学んでいたつもり」の自分に気づき猛省しました。

 また、地域貢献の一環として、地元サッカーチーム V・ファーレン長崎のファンクラブ向け記念品のお皿の作製も手がけています。松尾氏は産地が疲へいする今、自社だけでなく、産地全体の危機感を強く感じ、「競争しながらの共存」で波佐見焼を、国内にとどまらず広く世界へと発信しています。

会社概要

創 業:1779年
資本金:4800万円
年 商:5億9000万円
社員数:90名
業 種:陶磁器(卓上食器等)製造業
所在地:長崎県東彼杵郡波佐見町
TEL:0956-85-3251
URL :http://www1.ocn.ne.jp/~hakusan/

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