シリーズインデックス:若者がいきいき働く企業へ

【第4回】社員同士が教えあい育てあう (株)キタガワ工芸 代表取締役 北川 誠治氏(愛知)(2014.04.23)

北川社長 (株)キタガワ工芸 代表取締役 北川 誠治氏(愛知)

ゼロからスタートの新卒採用

社屋  (株)キタガワ工芸(北川誠治社長、愛知同友会会員)は全国のパチンコホールをはじめとした商業施設の装飾品の企画、設計、製造を手掛けています。2代目社長の北川誠治氏(50歳)は、25歳の時にそれまで勤めていた大手企業を退社して同社に入社。父親である社長より入社当初から採用を一手に任されました。北川氏の入社当時の社員数は15名でした。

 初めは中途採用に取り組みました。毎週、新聞や求人雑誌を通じて募集しますが、3カ月の間に1名くらいしか応募がないといった具合で、なかなか採用できない状況が続いていました。また採用できても中途採用なので、若い独身の社員が自分より年上で家族もいる後輩に教えるという、社員教育上の難しさも課題となっていました。

共同求人活動へ参加

 そんなとき、父親の友人が愛知同友会への入会を勧めにやってきました。経営理念を何とかしたいと思っていたこともあり、「経営指針が作れるなら」と、父親ではなく北川氏が入会。「経営指針作成講座」に参加し学ぶ中で、同じ地区の当時の共同求人委員長より、同友会の共同求人活動で新卒採用を行っていることを知らされます。かねてより採用・社員教育の課題で悩んでいた北川氏は、さっそく委員会に参加しました。

 新卒採用は初めてづくしで、何をどうすればよいのか分かりませんでした。共同求人委員会では参加企業を対象にした「採用戦略セミナーを」開催しており、第1回目の会議終了後にアドバイザーの会員へ自社の現状を相談。受講する中で、経営ビジョンに共感した採用・先輩が後輩を教えることで、先輩社員も育つ社風や教育体制の確立が大切であることなどを学びました。

 初年度(2006年)は4名の新卒を採用しますが、残念ながら当時の社員は一人も残っていません。「今にして思えば、理念採用といっても、そのことを知っているのは自分と新入社員だけ。これでは経営指針に沿った教育もできるわけがない」と北川氏は振り返ります。こうした失敗も踏まえ、経営指針、採用、社員教育の諸整備など、一つひとつ課題に取り組み、新卒採用を継続していきました。

「社員同士が教えあう」風土が確立

社員の様子  新卒採用は7名程の採用チームが担当。昨年度入社の社員をはじめ、社内から公募してチームを編成します。同友会の合同企業説明会では北川氏と並んで学生に自社の魅力を語ります。また、採用チームが新入社員教育も担当し、入社から約2年間メンター役も務め、新入社員にかかわります。

 研修プログラムや研修テキストも毎年の採用チームが「新入社員にはこれが必要」とブラッシュアップを図ります。例えば、事務を担当する社員にも製造現場を経験してもらうなどの研修も、社員の発案から取り組まれるようになりました。「昔の社員教育は自分のトップダウン。事務の社員に製造現場を体験させるなんて自分の考えでは発想しなかった。今はほとんど社員に任せている」と北川氏は語ります。

 新入社員研修は入社2年目の社員が主に担当します。新入社員に教えることを通じて、自身の仕事の振り返りや今後の成長課題の再確認、経営理念や方針の意味の捉え直しなどにつながっています。またこうした先輩が後輩を教えることが定着してきたことで、「昨年は自分が教えてもらえた。その恩を後輩に返していくのは当たり前」という考えが社内に浸透しています。今では新入社員にかかわらず、お互いに教え・教えられの関係が全社で広がってきています。休日でも花見やスノーボードなど社員同士の交流が活発で、仲の良い会社になっています。

 「やはりお互いに成長しあう関係が大切」と北川氏は社員教育の風土について語ります。自身が同友会で学ぶことで、「自分だけが学んでいてはだめで、社員が積極的に学びあい育ちあう風土づくりが大切」と、同友会の各研修、社員とともに学ぶ共育講座へ積極的に参加しています。他の外部研修も含め、社員が学びたいテーマを自主的に見つけ、学んだ成果を社内研修などで他の社員にも伝える取り組みも自主的に行われるようになりました。

さらに魅力ある企業づくりへ

商品  同社は企画から設計、製造まで一貫して取り組めることが強みです。以前からこの強みをもっと生かすために他業界への進出を考えていましたが、「日々の仕事が忙しい」とつい現状維持になりがちでした。そこで6年前から新入社員による営業チームを編成し、パチンコ業界以外の新規開拓にも取り組み、新規顧客の開拓に成功しています。こうした若い社員の柔軟な取り組みが社内の固定概念を解消することにつながっており、顧客や金融機関からも将来性のある会社として評価されるようになっています。

 「今後は業務改善による残業削減、女性が働きやすい環境整備など、ワークライフバランスの課題にも積極的に取り組み、もっと働きやすい会社、もっと魅力ある会社を社員といっしょに創っていきたいと」と今後のビジョン実現に向けた意欲を、北川氏は笑顔で語ります。

会社概要

創 業:1968年  
設 立:1977年  
事業内容:商業施設の装飾品の企画、設計、製造
従業員数:130名  
所在地:春日井市上田楽町川原先2466-1
TEL:0568-56-3811
URL:http://kitagawakougei.dip.jp/

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