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【第11回】新卒採用で、会社が変わった  (有)佐藤徳太郎商店 代表取締役社長 佐藤 進幸氏(秋田)(2014.06.11)】

佐藤社長 (有)佐藤徳太郎商店 代表取締役社長 佐藤 進幸氏(秋田)

「10年後、会社は?」と問われて

社屋  佐藤進幸氏((有)佐藤徳太郎商店社長、秋田同友会会員)が秋田同友会に入会したのは5年前。近所で会社を経営している幼稚園の時からの同級生が、同友会の役員として活躍する姿を見ていて「お前も入らないか」と誘われ、「会社の後継者として経営を勉強してみるのも悪くないな」と感じたからでした。

 まもなく出席した例会で、先輩会員から「10年後の自社が、どうなっているかを考えたことはありますか」と問われました。「改めて考えてみると、当時の社員20名のうち11名が70歳を超える年齢になることに気がつき、青ざめました」と佐藤氏は言います。

「ハローワーク?掲載料は?」からのスタート

  社屋2  さっそく、10年後の会社でも働いてもらえる年齢の社員の採用に挑戦しました。それまでの求人・採用は、社内や地域の口コミだけで行っていました。しかし、今回はなかなか応募者が現れません。以前に比べて、市内や会社の周りの地域から若い人が急速にいなくなっていたのです。

 佐藤氏が、当時社長だった父親に「このままでは人が採用できないから、ハローワークに行ってくる」と相談したときのことです。社長からは「ハローワークか?それもいいかもしれないが…。掲載料はいくらかかるんだ?」という答えや質問がかえってきました。「よく聞いてみると、社長は公共職業安定所の愛称がハローワークとなっていることを知らず、またハローワークとハローページを混同していたことがわかりました。長い間、社員の採用が少なく、地域内からの口コミや縁故採用だけで充足できていたからでした」と佐藤氏。

 さまざまな出来事がありましたが、2012年には4名を中途で採用しました。しかし、4名のうち1人はすぐに退職。またある社員は仕事を覚えようとせず、結局、退職するなど悪戦苦闘が続きました。

「経営指針を創る会」で学んだことの実践~新卒採用に踏み出す~

 その間、2011年に秋田同友会の「第4期経営指針を創る会」を受講し、経営理念を確立します。そして、「仕事ができるようになるまでは半人前、仕事は見て盗め」というような、人が育ちづらい社風の変革に取り組みますが、うまく行きません。会議でも、佐藤氏が話している時間以外は沈黙と静寂が続き、休憩時間になると元気な声が響くという日々が続きました。

 秋田同友会の共同求人委員に就任し、宮城同友会の合同企業説明会を見学したのは、その悪戦苦闘のさなかでした。宮城同友会の役員から「新卒を採用して育てたほうがいいよ」とアドバイスを受け、いよいよ、高校新卒者の採用に取り組むことにしたのです。秋田同友会の共同求人活動「高校との求人懇談会」にも参加し、高校を訪問。求人票を届けると同時に、会社と自分を覚えてもらうと同時に、先生との信頼関係づくりをめざしました。

新卒採用、入社前から会社が変わった

 社内で新卒採用計画を発表したところ、一番若い社員からは「俺、一生一番下のままかと思っていました」と、後輩ができることに喜びの声が上がりました。また、優秀な高校生の応募があり、内定の後は「教える」「育てる」意識が高まり、その体制もつくられました。社員からの提案で「体験入社」も実施されました。「体験入社」の準備では、商品の写真入りの説明書が作成され、実施プログラムなども社員により自主的に編成されたのです。
 同時に、会社の雰囲気も大きく変わって行きました。さまざまなイベントでの出展PRでの工夫も、意欲的な取り組みが行われ、「いつもは負けていたが、今回はあの会社のブースよりも来場者が多かったよ!」という報告も聞かれてきました。そして「だれでも二部門の仕事ができるようになろう」という方針も、具体的な取り組みが生まれ、「それぞれの仕事が一番できる人に先生になってもらって、教え・教わりあおう」という社風が生まれてきたのです。会議も静寂の場ではなくなりました。

初の合同入社式で、「先輩からの激励の言葉」~変化は新卒採用から生まれた~

 初の新卒入社の社員は、優秀な社員でした。そして、入社1年後の2014年4月には、秋田同友会が初めて開催した「合同入社式」で、先輩社員として「激励の言葉」を述べ、出席した経営者からも驚きと感動の声が聞かれました。その入社式には、2年目の新卒採用社員、2名も出席していたのです。

 経営指針発表会も、毎年社外の方々を招いて開催し、今年は3回目が開催されました。発表会では、社員全員からの今年の自分の目標について意欲あふれる発表があります。「幹部社員からは『今期、わが社の緊急重要課題は、社長の嫁さんをみつけることだ』と報告があるほど和やかな雰囲気になってきました」と佐藤氏は言います。この間、2013年には、社長が病気で亡くなり、佐藤氏が代表取締役社長に就任するという激変もありましたが、会社は動揺することなく乗り越えてきました。佐藤氏は「もしも、同友会に入会せず、経営指針も確立していなかったらと考えると、ぞっとする」と語ります。
社員さん

経営理念

一、私たちは、自然の恵みを活かし、「いのちの輝き」を広げます
一、私たちは、ふるさとへの感謝を育み、夢と希望あふれる社会に貢献します
一、私たちは、想いやりと創造性を大切にし、心豊かな未来を共に築く仲間です

<社是> 
信頼、誠意、挑戦心、向上心  

会社概要

創 業:1947年
設 立:1999年
資本金:900万円 
年 商:約2億円 
事業内容:食品(佃煮) 製造・販売
従業員数:20名
所在地:秋田県潟上市昭和大久保宮ノ前162-1
TEL:018-877-3224
URL:http://maruto-e.co.jp/

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