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【第3回】 次代を担う人材を育てる (株)大平昆布 代表取締役 伊藤 正吾氏(宮城)(2018.06.13)

伊藤正吾社長 (株)大平昆布 代表取締役 伊藤 正吾氏(宮城)

 \;  (株)大平昆布(伊藤正吾社長、宮城同友会会員)は、1948年に伊藤氏の義祖父が、故郷で昆布の行商として創業した会社です。現在、伊藤社長は3代目として、海藻の1次加工(刻み・粗砕・粉末・とろろ昆布の加工)、および海藻原料卸、昆布(道南・日高・道東・利尻・羅臼・三陸産各種昆布)、わかめ(三陸産)、ふのり(三陸産・日高産)、ひじき、すき昆布、塩蔵こんぶ、その他雑海藻を幅広く取り扱っています。

後継者として2代目を支える

 伊藤氏は、現在同社の専務を務める律子氏(2代目社長の娘)との結婚を機に、後継者としてこの仕事に携わり、専務として2代目(伊藤社長の義父)を支えました。2代目社長は加工製品などの取り扱いも積極的に展開し、卸問屋業へと転換させました。会社の成長とともに社員数も増える中で、1988年に同社を法人化しました。

社長としての思い

構内02  伊藤氏は、2004年10月に宮城同友会に入会しました。その後2006年に、専務から社長に就任し、これを機に自分の思いを社員に伝え、社内でその思いを共有したいと考えた伊藤氏は、「社長の言いたいこと」という週1回のレポート交換を社員との間で始めました。自分の考えを文字にして渡せばわかるだろうという考えからはじめた取り組みでしたが、社員からの反応は少なく、50回で途絶えてしまいました。

 その後、2009年に宮城同友会で「第20期経営指針を創る会」を受講し、自社の理念・方針を成文化しました。実は入会から4年近くにわたり、地域・支部の仲間から「創る会」の受講を勧められていたのですが、「正直、理念などなくても会社経営はやっていけるだろうと思っていた」と伊藤氏は当時を振り返ります。しかしながら、会社経営の難しさや、自分の思いが社員に伝わらないと社員との心の隔たりにがくぜんとする場面も何度か経験し、悶々と悩んだこともありました。

 そして、「創る会」の受講を機に、社員との共通の価値観、共通の夢を共有しないと何事もうまくいかないということを強く実感しました。助言者(前年までの修了生)の皆さんからの「何のために経営しているのか」「生きがいとは」「働きがいとは」など基本的な質問に、明確に答えられない自分に歯がゆさも感じ、自分自身に真正面から向き合い、経営者として基本的なことを考えていなければ社員にも伝えることなどできないということも実感しました。

次代を担う人材を育てる

3S活動  現在、伊藤氏は新卒採用、そして若手社員の育成にも積極的に取り組んでいます。階層別に行われる社員教育や、自社の主力商品である海藻に関する学習会の開催などのほか、現在では「3S活動」にも取り組み、部門や社歴を超えた全社的な学びと実践の場で、社員の人間的成長にも取り組んでいます。

 大平昆布が経営方針として掲げる「一、海藻の良さをもっと多くの人に伝えていきたい 二、たくさんの人の喜ぶ顔が見える 三、人の心が分かる会社だねと言われる」会社をめざして、伊藤氏の挑戦は続きます。

社員さんの声

山形さん 氏名:山形 大河さん(入社3年目 25歳)
仕事内容:製品の出庫、梱包等の出荷業務

Q1.入社を決めたきっかけは?
 父が北海道のえりも町で水産加工業を営んでおり、父の姿を見て育った私は、漠然とではありますが、いずれ自分自身も水産加工業に携わり、社会に貢献したいと考えておりました。山口の水産大学校を卒業後、魚市場勤務も経験しましたが、慣れない夜勤などの環境になじむことができずに退職し、再就職先を探していたところ、取引先であった大平昆布を父に紹介されました。また、昆布に限らず、ワカメやひじきなど、海藻を手広く取り扱っているころから、将来父の会社を継いだ際に、弊社で働いた経験を生かすことができると意気込み、尽力していこうと感じました。

Q2.社内の雰囲気はどうですか?
 父と一緒に「将来へ向けて、修行させてほしい」と伊藤氏にお願いしに行った時の大平昆布の第一印象は、海に近い沿岸域でなく、田んぼがたくさんある内陸で海藻の加工を行っているのが珍しいと思いました。のちに、お客様の元へ素早く製品を送ることができるというメリットを知ったときは、なるほどと感心ました。昆布の専門問屋としては宮城県内唯一であり、東北では加工業者も少ないということなども入社後に教えていただきました。社内では、階層ごとの研修会(新入社員研修、中堅幹部社員研修)や、海藻に関する勉強会なども行われています。また、社内で「3S」活動を積極的に展開し、私も委員を務めています。整理・整頓・清掃の大切さと実践についてもより深く知ることができ、部署を超えた社内でのコミュニケーションの輪も広がっています。

Q3.働きがいを感じていますか?
 1年目は、加工の下準備として選別作業を担当しましたが、慣れない仕事の中、知識・経験を積んでいこうと手一杯でした。実はうっかり寝坊をしてしまったことが何度かあり、「社会人としての姿勢がなっていない」と叱られたこともあります。仕事面だけでなく、人間としての生き方でも関わっていただける環境にいることも、ありがたいと思っています。
 3年目の現在は出荷業務を担当し、私が梱包した商品がお客様に直接渡るため、さらなる責任感も生まれました。事務所・工場の方々と生産計画と出荷が噛み合うよう話し合いながら仕事の流れを組み立てる楽しさも実感しています。

Q4.これからの意気込みをお聞かせください
 これから今までお世話になってきた多くの方々へ恩返しすることができる経営者になることが私の目標です。大平昆布で働きながら、海藻の知識はもちろんのこと、生活面等基礎・精神的に未熟な点を改善していくことで、その夢を実現したいと思います。

経営理念

<科学性>
一,私たちは、海藻のもつ可能性を追求し、未来の食と健やかな暮らしを創出していきます。
<社会性>
一,私たちは、日本の豊かな海が育んだ食文化を、地域に根差しながら、広く世界に発信していきます。
<人間性>
一,私たちは、夢と喜びを分かち合い、信頼し、共に支え合う仲間づくりを通して、成長していきます。

会社概要

創 業:1948年
設 立:1988年
業務内容:海藻の1次加工及び卸売業務
従業員数:21名(正社員13名、パート・アルバイト8名)
所在地:宮城県栗原市志和姫南郷蓬田1
TEL:0228-25-3553
FAX:0228-25-3545
URL:http://www.taiheikonbu.co.jp

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