シリーズインデックス:人が育つ中小輝業

【第19回】採用をきっかけに労働環境改善に取り組む (株)新栄 代表取締役 林 卓也氏(千葉)(2018.10.17)

林卓也社長 (株)新栄 代表取締役 林 卓也氏(千葉)

 (株)新栄(林卓也社長、千葉同友会会員)は、1970年に父である先代社長がゴム加工業として創業しました。現在では、各種OA機器・車両・インテリア・工業向け部品製造や両面粘接着テープの総合加工販売を行っています。林氏は、大手電機メーカーで8年間半導体の設計に携わり、2012年に(株)新栄に入社、2015年に社長に就任しました。

場当たり的採用から定期採用へ

社員さんと  入社して2年間は現場のことを覚えることで精いっぱいでしたが、会社のビジョンを見据える中で、場当たり的な採用ではなく新卒の定期採用が出来る会社にしたいと考えるようになりました。先輩経営者に相談したところ、千葉同友会の共同求人委員会を勧められ、新卒採用のイロハを教わり、見よう見まねで会社案内や学生向けの採用ホームページ作成に取りかかりました。

 2015年春から合同企業説明会に出展したところ、買い手市場の追い風もあり、ブースには多くの学生が集まり、2016年春に新卒第1期生4名を迎えます。林氏は「新卒採用に挑戦することで責任を持って社員を育てていく経営者としての覚悟が持てた。また、社内の雰囲気が明るくなった。仕事を教えた時の素直な反応がうれしく、教える側の社員の意欲も向上した」と言います。

 2019年には新卒第4期生を迎えます。定期採用ができるようになり、社員も「今年はどんな人が入社するんだろう?」と楽しみにしているようです。

社員の発案で月に2回の社内勉強会

勉強会  新卒採用を始めてから、既存社員の学習向上心が高まり「勉強会をやりましょう!」と提案が挙がりました。月2回、定時時間内の1時間程度、EXCELやイラストレーター、CADソフトの使い方などをテーマに社内勉強会を行っています。現在は林氏が講師ですが「いずれは、講師を社員に引継ぎ、社員同士が学び合える機会になれば」と話します。

最重要視、最優先で取り組む「労働環境の改善・向上」

 林氏は「中小企業の労働環境改善は、まず先に経営者が意識と行動を変えるしかない。ルールをしっかりと守り、社員が働きやすい環境をつくることが社長の仕事。それができれば社員も育ち、成果をあげてくれる」と言い切ります。新卒第1期生が入社した春から、毎月発行している社内報では、経営状況を科学的に分析して毎月その数値を分かりやすい形で出し、全社員と共有しています。全社員が数字を意識することで、作業効率が上がり、残業時間は1カ月あたり18時間へと大幅に短縮しました。

福利厚生のマッサージサービス  休日数は2015年には年間105日でしたが、2019年には115日に増やします。また、住宅手当などの一般的な福利厚生に加えて、珍しいものだと「週に1回マッサージを受けられるサービス」なども社員に喜ばれています。社長就任後、「給与」「休日数」「福利厚生」などの待遇改善・向上を最重要視し、最優先で取り組んできた結果が目に見える形になってきました。「労働環境が改善した現在、いつ労働基準監督署が来ても全く問題ありません」と笑顔で話します。

創業50周年に向けて明確な10年ビジョンを掲げる

 創業50周年を迎える2027年までの10年ビジョンを打ち出しました。“売上高10億円!経常利益率10%!従業員数50名!”、“給与、同業他社に対して120%!”、“「中小企業にしては福利厚生いいね」と言ってもらう!”これらのビジョンの達成は、決して難しい目標ではないと林氏は言います。同社では、毎年どのくらい売上を上げるのか、何名採用するのかなど、数値目標が細かく設定されていて、毎年目標を達成しています。一人ひとりの業務や行動に結びついているため、社員一人ひとりがビジョンをわが事として考え、達成に向けて会社一丸で動き始めています。

社員さんの声

社員さん 大野ちひろさん(入社3年目、26歳)
仕事内容:製造装置の立ち上げ、試作業務、採用業務、インターンシップ企画運営など

Q1.入社を決めたきっかけは?
 大学では、新材料の研究をしており、仲間と試行錯誤しながら答えを突き止めていく研究過程が好きだったため、就職活動でも「お客様と一緒に製品を形にしていく仕事をしたい」と考えていました。社長との面談の中で、社長との距離が近く、やりたいことをやらせてもらえる社風であると確信。実は、大手ハウスメーカーの内定もいただいていましたが、これから大きく変わっていく会社に可能性を感じて入社を決めました。

Q2.実際に入社してみてどうでしたか?
 とても風通しがよく、社長の姿勢が一貫していると感じます。入社してから3年間で社内が大きく変わりました。社長の宣言通り、毎年基本給がベースアップしていますし、休日も増えています。さまざまな数字が社員にもオープンになっているので、会社全体が無駄を省くことや作業効率を上げていくことも意識するようになりました。言ったことをすぐに実践する社長の姿勢を見て「私達も頑張らないと!」と感じます。採用活動で関わった学生さんから「御社は福利厚生が充実していて、お給料・休日が多くていい会社ですね!」と評価されるまでになり、企業が成長していることを間近で感じています。

Q3.これからの意気込みをお聞かせください
ものづくりの経験をさせていただいたので、これからは営業スキルを磨いて「ものづくりもできる営業」になりたいと考えています。また、新卒第1期生なので、後輩達が困難に直面した時にフォローできる先輩でありたいと思います。

経営理念

私たちは、モノ作りで、お客様の課題・悩みを解決するお手伝いを致します。
私たちは、お客様が心から安心できるモノを、素早くご提供致します。
私たちは、モノ作りを通して、地域社会と自然環境に貢献するために永続します。

会社概要

設 立:1977年
資本金:3,000万円
年 商:4億3,500万円
事業内容:1.各種OA機器・車両・インテリア・工業向け部品製造 2.各種機能性材料及び両面粘接着テープの総合加工販売
従業員数:社員16名、パート11名
所在地:千葉県船橋市藤原3-29-21
URL:https://shinei-p.co.jp

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