【第50回】強みを生かし、衰退産業からの脱却をめざす! (株)リーブル 代表取締役 坂本圭一朗氏(高知)

(株)リーブル 代表取締役 坂本圭一朗氏(高知)

印刷産業の衰退

 (株)リーブル(坂本圭一朗代表取締役 高知同友会会員)は高知市にある印刷会社で、坂本圭一朗氏は18年前に社員(営業)として入社し、4年前に代表取締役に就任しました。

 坂本氏が入社した18年前にちょうど高知県庁が印刷物の電子入札を開始。県内のすべての印刷会社が参加する電子入札では印刷物の受注価格が以前の3割、5割になるほど激しい価格競争が始まり、官公庁の仕事が激減していきます。

 坂本氏は同業のデザイン広告団体や異業種交流会で得たつながりと得意の和田アキ子のモノマネなどで注目されるようになり、広告代理店やデザイン事務所、NPO団体などの仕事を新しく受注するようになりました。

自費出版事業への注力

 しかし、格安のインターネット通販印刷の台頭などで減っていく仕事もあったため、思案の末、会社として長年培ってきた自費出版事業でインターネットを使って全国から受注できないかと考えます。

 社内でも「そんなにうまくいくのか」「今は既存の仕事に追われてそれどころではない」などの声もありましたが、プロジェクトチームを作り、試行錯誤しながら「自動見積もり」機能などを備えたホームページをリニューアルしました。

 今まで直接お客さまと接することのなかった社員も窓口として対応することになったり、書店やAmazonとやり取りする業務が増えたりとなかなか簡単ではありませんでしたが、年々少しずつ受注が増え、今では売上全体の4割を占めるメイン事業となりました。

※ちなみに社名の「リーブル」はフランス語で「本」を意味します。

社員みんなで事業承継と未来を考える

 また、前社長時代から経営指針を社員とともに作成・実践し、事業承継前には定年が近い社員も含め「自分が辞めたとしても残してほしい自社のいいところ」を話し合い、「リーブルDNA」18カ条を作成。社長が交代してもみんなが大切にするべきことが明確になり、事業承継も比較的スムーズに進みました。

地域を世の中を元気に

 コロナ禍では、印刷事業がさらに落ち込む一方、WEB制作などのニーズが高まり、2021年にはクリエイティブ事業部「エル・クリエイト」を設立。農家さんのHP制作や豊かな風景のドローン撮影など高知らしい広報支援の仕事も増えています。

 多様化の中でさまざまな意見や考え方を表現したいニーズが増えたり、SNSなど個人で発信ができる時代となり、自費出版やWEB制作などで「今まで注目されていなかったところにスポットを当てて世の中を元気にしたい」という使命感と誇りを持って邁進しています。

社是
「幸せの種をまく」

経営理念
私たちは、出版・印刷・情報産業を通じて、「感動・喜び・ワクワク・温もり」を伝え、広げます。

(株)リーブル
創業 1964年
資本金 2,500万円
社員数 15名
住所 〒780-8040 高知県高知市神田2126-1
電話 088-837-1250
URL https://www.livre.jp/