シリーズインデックス:人が育つ中小輝業

【第27回】会員とともに社員を育て、新卒採用に新たな可能性を! (株)マキノデンキ 代表取締役社長 牧野 伸哉氏(京都)(2018.12.19)

牧野伸哉社長 (株)マキノデンキ 代表取締役社長 牧野 伸哉氏(京都)

 京都府宇治市に1976年創業の(株)マキノデンキを構える、牧野伸哉氏(京都同友会会員)。27歳の時に同社へ入社し、35歳で代表取締役社長に就任して3代目社長になりました。業務内容は社名に「デンキ」とつくものの、生活家電の販売だけでなく、ガス機器・水回り商品・リフォーム商材・省エネ機器の販売・工事など、家に関わることは何でも取り組んでいます。

まちの電気屋の未来について

社屋  家電量販店が増え、ネットショッピングが隆盛な時代に、まちの電気屋という仕事は厳しい外部環境にあります。同社は価格勝負ではなく、地域に根ざした距離の近さ・対応の細やかさを強みとしており、顧客の大半は高齢者です。しかし、経営指針書を作成、自社のビジョンを考えた時に、牧野氏はその状態に危機感をもちました。顧客ボリュームゾーンである高齢者。そこがリタイアした後、自社が今のターゲットにばかり注力していれば、顧客層を一気に失うと。そこで、違う層にも自社の顧客になってもらうべく、今のうちから種まきを始めようと実践に踏み出しました。

社内  まず行ったのは店舗のリニューアルで、内装をきれいに、商品を見やすくしました。若い人にも入りやすい店づくりで、子ども連れで来ても楽しめるように工夫しています。入り口には自社マスコットの季節感を意識したバリエーション豊かなアニメーション映像が放映されており、子どもが長時間見入り、またマスコットを追いかけたりしながら遊べるようになっています。他にも黒板のように自由に書ける壁紙が貼ってあり、子どもを遊ばせられる店づくりになっています。

 リニューアルの他には、自社の広報としてSNSの発信や、自社のLINEスタンプ「マキノデンキ」も作成し、今後もいろいろなアプローチを検討しています。

新卒採用で初めて採用した女性社員

 同社では、数年前から新卒採用を始めていました。牧野氏が京都同友会入会前に行っていたのは、ハローワークへの登録や新聞折り込みチラシでの求人でした。また、採用基準もとりあえず人がほしいといった求人で、自社の求める人材像は「男性で家電を販売・工事取り付けができる人」というものでした。数人の採用に成功するも、短くて5カ月・長くて2年ほどでの退職が続きます。「今振り返ってみれば、そもそも求める人材像との差異・自分が『共育』に力を注げなかった。コミュニケーションもあまり取れなかったと反省しています」と牧野氏は言います。そして同友会入会後、「人を生かす経営」実践塾にて経営指針書を作成。自社のことを見つめ直します。その中で、前述の自社の未来や役割について視野が広がりました。

 その後、共同求人活動の合同企業説明会で「地域に根ざした仕事がしたい。でも営業は向いてない」と話す女子学生と出会い、会社訪問・面接を経て採用に至ります。最初は女性を採用してどうしようという思いもありましたが、本人の特技を生かして自社の広報を担ってもらおうと決意します。その背景には、某大手家電メーカーからの販促物はすべての系列店で同じだったので、自社の個性を顧客に伝えることが自社の課題であると意識していたことがありました。社員の中にも女性を雇用することへの戸惑いの声はありますが、そこは本人の仕事を見せて納得してもらうしかないと思っていました。

社員共育は自社の外で!?

 採用した女性の特技はイラストを描けることでした。それは紙にペンで書くようなものだったので、内定後すぐに本人の同意の上で、デザインソフトを学ぶパソコン教室に通ってもらいました。教室で教わるのは、ソフト操作の基本程度なので、牧野氏は実用レベルの技術を自分で教えられず、どうしようかと迷いました。

 そこで同友会の同じ支部の広告業を営む会員に相談し、週に数日通わせ、指導してもらうよう依頼しました。その甲斐あって半年後にはデザインソフトを使いこなし、自社のチラシやポップの広報物などを作成してもらえるようになりました。今では前述のようなアニメーションやマスコットキャラクターが店内を彩り、同社の顔として顧客に親しまれています。牧野氏は「自社で教えられないことは、外で教えてもらえばよい」と言います。特に同友会のネットワークを頼りにし、自社だけで教育のすべてを抱えこまないことで、採用の幅を広げていくことがこれから大事になっていくとのことでした。

社員さんの声

社員さん 氏名:坂井 李名さん(23歳 入社7カ月)

Q1.入社を決意したきっかけは何ですか?
 学生時代から地域に関わる活動をしていたので、地域に携われる・人の役に立てる仕事を探していました。ただ、営業職は向いていないという自覚があったので、自分の志望理由に合った会社で裏方の仕事を志望していました。合同企業説明会で同社を知り、地域のお客様が社員に支えられている姿に興味を持ちました。

Q2.実際に入社してみてどうでしたか?
 人と人との距離が近く、新卒採用の自分と他の社員の年齢は少し離れていますが、丁寧に何でも教えていただいています。また休日には一緒に出かけたりすることもあります。仕事についても広報部門は自分1人で不安なこともありますが、同時に自分の技術が向上しているのも実感します。お店に来た子どもたちが自分の広報物で喜んでいる姿を見ると、本当にうれしい気持ちになります。

Q3.これからの意気込みをお聞かせください
 広報物というのは売上に表れにくく成果が見えにくい部門だと思っています。だからこそスキルを上達させ、かかわる人にもっと自社の情報を届け、役に立っていきたいと思います。

会社概要

創 業:1976年
業務内容:生活家電・ガス機器・水回り商品・リフォーム商材。省エネ機器の販売・工事
従業員数:33名(うち正社員22名、パート11名)
所在地:京都府宇治市伊勢田町名木2丁目1番地の203
TEL:0774-43-5941
FAX:0774-45-1009
URL:http://www.makinodenki.com/

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