【19.01.30】【特別版】学校との関係づくりで、19年春4名の新卒採用 (有)サンエク 代表取締役 白川 良一氏(宮崎)

白川良一社長

(有)サンエク 代表取締役 白川 良一氏(宮崎)

若者が集まる会社をつくりたい

 白川氏は、業界の高齢化を危ぶみ、若い人が集まる会社をつくることを決意。若い人たちが働きたい会社にするために、現場職人さんの社員としての採用、社会保険の加入、退職金制度など、安心して働ける環境を整えてきました。

 そして、2014年から宮崎同友会の共同求人活動に参加。早速、2015年3月には新卒で2名を採用することができました。建設業界では、サンエクのように労働条件が整っていることが少なかったので若者に選ばれたのです。

新卒社員を育てる

 「見て覚えろ」という職人気質の現場で、どのように新卒者を育てていくか。白川氏は、高齢の熟練社員を採用し、新卒だけでなく、若い社員たちに技術指導をしてもらうようにしました。そして、1年目は夏の暑さに負けないよう、周りの先輩社員に声かけをお願いしました。

 2016年には、新卒で初めて女性社員を採用。迎えるにあたって、会社のトイレを改装し、喫煙場所を決め、制服を一新しました。残念なことにこの女性社員は、2年で退職してしまいましたが、白川氏は新卒社員を迎えながら、会社に不足していたことを見つけ、改革を続けています。

学校との関係づくりが4名の採用につながった

 白川氏は、共同求人活動に参加した3年目から、高校に出向いての業種紹介や就職指導の模擬面接官などを行ってきました。しかし、2018年春には、一人も採用することができませんでした。「このころは、生徒と話すのは楽しいけれど、これで採用に結びつくのか。自分の出身地の高校だからボランティアみたいなもんだと思っていた」と白川氏は話します。

 2年続けて通った結果がでたのは、2018年のことでした。2018年秋に小林秀峰高校から、就職試験を受けさせてほしいとの連絡が入りました。何度も足を運んだ西都の産業技術専門校からも採用が決まり、2019年春は4名の新入社員が入社してきます。

 懇談会できっかけをつくり、声がかかったときに足を運ぶことを繰り返す中で、「興味がある子がいたらよろしくお願いします」と求人票を手渡す関係ができてきていたのです。

3年前に入社した先輩社員が待っている

 白川氏は、同友会の「共育ち委員会」でも活動をしています。共同求人で2016年に採用した阪中さんも新入社員研修会、フォローの会と機会があるごとに同友会の研修会に共に参加してきました。

 入社の翌年には、新入社員研修会で先輩社員の一人としてパネルディスカッションのパネラーをつとめ、2018年秋に共育ち委員会が開催した新入社員のステップアップ研修会では、先輩社員として企画や助言に関わりました。社内に後輩のいない阪中さんを、白川氏はこれらの研修会に積極的に参加させてきました。ステップアップ研修会の最後に阪中氏は「初めて後輩ができます。仕事を指導する時間がとれるように、力をつけておきたい。」と決意を語りました。毎年、新入社員が採用できなくとも、他社の先輩や後輩と学びあう環境を白川氏は委員会活動を通じてつくっているのです。
 
 サンエクの現在の社員平均年齢は34歳。業界では若手の多い会社になってきました。採用から定着そして教育へ。その循環を会社の風土として根づかせていく。(有)サンエクの挑戦は続きます。

社員の皆さんと共に

会社概要

創 業:1999年
年 商:2億2,400万円
事業内容:エクステリア設計、施工
従業員数:20名
所在地:宮崎県宮崎市高岡町高浜331番2
URL:http://sunex.co.jp/