【第2回】関わるすべての人を元気にする
(株)Log Style 代表取締役 時松 秀豊史氏(大分)

時松秀豊史社長

(株)Log Style 代表取締役 時松 秀豊史氏(大分)

おいしさに魅せられて創業

店舗

 宮崎県発祥の「辛麺屋 桝元」のフランチャイズを展開している(株)Log Style(時松秀豊史代表取締役、大分同友会会員)。辛麺のファンだった時松氏が「ぜひ大分の人にも食べてもらいたい」と2013年に創業しました。

 2015年大分同友会に入会し、経営指針成文化セミナーを受講。その時作成した経営理念「私たちLog Styleは関わるすべての人を元気にします」には、すべてのステークホルダーに元気になってもらいたいという思いが込められています。

大分県産にこだわった商品を開発

ニラ醤油

 辛麺に欠かせない材料がニラです。月に500~600kgのニラを使用していますが、使用するのは主に80~85%を占める葉の部分で、茎はそれまで当たり前のように廃棄していました。廃棄している茎を何かに利用できないかと試行錯誤する中でニラ醤油が完成しました。材料は大分県産にこだわり、ニラはもちろん、醤油もさまざまな県産醤油を吟味し、地元醤油メーカー協力の下、オリジナル醤油を開発し使用しています。当初、ニラ醤油はまかないとして出していましたが、好評だったためお客様に無料で提供するようになりました。「おいしいから買って帰りたい」というお客様の声が多く商品化を決意。漬物製造業の許可を取得し、食品加工を勉強し、品質管理、サニテーション、プロダクトライン、HACCPに基づく製造をスタッフ一丸で取り組みました。「さあ、あとは販売するだけ」という時に新型コロナウイルスがまん延し、販路はストップ。店舗の客足も止まりました。

常に前向きに挑戦する

 それでも「今まで来ていた10人のお客様が5人になれば、倍の人数で接客に当たることができる」と掃除や接客などを見直し、当たり前のことを徹底的に行いました。一番苦しい時期には雇用調整助成金を使うことで、一人も社員を解雇することなく乗り切ることができました。

 現在はコロナ前の売上の80~90%で、この傾向は今後も続くと考えています。コロナ禍の中、「多くの飲食店の中から、なぜ弊社を選んでいただけるのか」「弊社がお客様に提供する価値は何なのか」を改めて問い直し、社会の変化に合わせて経営も変化し続ける必要があると気づきました。ニラ醤油が生産者とともに自社の成長のきっかけになればと、一つのビジネスモデルを築き上げることを決意しました。

3種類のニラ醤油

 実は日本でも有数のニラの産地である大分県。ニラ醤油はその消費拡大にも貢献できる可能性を秘めています。茎だけを使用したニラ醤油は、店舗でのニラの消費量に左右されるため、葉も茎も使い切るニラ醤油を開発しました。販路拡大のため新たに設備投資も行い、パートを7名雇用しました。現在、廃棄していたニラの茎だけを使用した「必然のニラ醤油」、ニラをすべて使用して作る「みんなのニラ醤油」、唐辛子をふんだんに使用した「辛(しん)のニラ醤油」と3種類を展開しています。

 「SDGsの食品ロス問題にも貢献でき、生産者、お客様、会社のみんなが喜んでくれる関係を築くことができる」と時松氏は考えています。今後は海外への販売も行います。新型コロナウイルスの影響を受けている飲食業界ですが、「今は仕事が楽しくて仕方がない」と時松氏は常に前を向き挑戦を続けています。

経営理念

私たちLog Styleは関わる全ての人を元気にします

会社概要

創 業:2013年
資本金:100万円
年 商:3億円
事業内容:「元祖辛麺」の調理・提供、漬物製造業(ニラ醤油の製造・販売)
従業員数:社員10名、パート60名
所在地:大分県大分市松原町1-3-2
TEL:097-578-7309
URL:http://masumoto-oita.com/

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