【第18回】「経営指針」で未来を切り拓く (株)ヤマハマリン西九州 代表取締役社長 吉澤 健氏(長崎)

吉澤健代表取締役社長

(株)ヤマハマリン西九州 代表取締役社長 吉澤 健氏(長崎)

 (株)ヤマハマリン西九州(吉澤健代表取締役社長、長崎同友会会員)は、1953年に創業。レジャーボート・エンジン・部品の販売(船舶販売事業、マリーナ事業、サービス事業、部品販売事業)など、「マリンレジャーに関するあらゆること」を事業内容としています。

同友会との出合い

 吉澤氏はヤマハ発動機(株)の営業マンとしての手腕を高く評価され、(株)ヤマハマリン西九州の代表取締役社長に抜てきされるも、「社長の役割」に悩み、2010年11月に長崎同友会に入会しました。入会前を振り返ると、とにかく黒字にするために利益を出すことを優先していました。もし売り方が分からなければ俺に聞けと「社長」というよりも、「営業部長」としての自分の経験をもとに厳しく部下に接していました。しかし同友会に出合い、「社長」として間違いであったと気づきます。
 毎月の例会は所属支部だけでなく、他支部にも足を運び、全国大会にも積極的に参加し、「社長の役割」を学び続け、自社に持ち帰り即実践します。経営指針の成文化にもすぐ取り組み、少しずつ会社の雰囲気に変化が現れました。

コロナ禍でも全社一丸

 経営指針の成文化と実践により社員が活躍できる風土になり、社内の環境も整い、順調に事業展開をしてきました。しかし新型コロナウイルス感染症の影響で、2020年5月には、前年同月と比べ売上が25%減となりました。この状況を切り抜けるために吉澤氏が取り組んだのが「会社一丸で、自社の強み・得意分野に集中」することでした。
 経営指針成文化の際にクロスSWOT分析を行っていたことから、すぐに「経営資源の集中・積極的な攻め」に注力することができました。コロナ禍でイベントができない、お客さんのところに行けない、また先行きが不安な中の買い控えもありました。しかし自社の市場での圧倒的なシェアを生かし、定期的に発生する修理・メンテナンスに注力。サービス店に電話をして困ったことはないかと積極的にコミュニケーションを取り連携を深めます。その結果、2020年度9月の決算では、売上は24%減だったものの、粗利益は8%減にとどまり、利益率を上げることができました。

10年ビジョンから企業連携・新事業へ

 (株)ヤマハマリン西九州のマリーナがある大村湾にはたくさんの楽しい地域資源があり、それを生かさなければと「自社と地域の10年ビジョン」のイラストを作成して事務所に掲示しています。
 あるとき、打ち合わせに来た会員の方に、掲示している10年ビジョンについて尋ねられ説明をすると、その会員は吉澤氏のビジョンに共感し、地域の自然公園が指定管理者を公募するので応募してはどうかと話がありました。それは吉澤氏の掲げる10年ビジョンに合致するもので、声をかけた会員だけでなく地域の多数の事業所を巻き込んで各社の強みを生かした「自然公園を活用したまち」のにぎわいを創出する事業計画を提出。なんと来年4月より指定管理者として委託を受けることになりました。
 コロナ禍で先行きが不透明な中でも、明確なビジョンがあり、発信し続けたからこそ、企業連携、そして新しい事業へとつながるチャンスをつかみました。
 吉澤氏は「これから地域の魅力が発信できる自然公園をつくり、より地域と自社をよくしていきたい。そのために新しいことにどんどんチャレンジし、失敗してもそこから学び、またチャレンジする。チャレンジしなければ成功はない」と、コロナ禍だからこそ10年ビジョンの実現に向け、新しいことに挑戦し続けると意気込みを語りました。

経営理念

感動の種をまこう
笑顔の花を咲かそう
そして幸せの輪をひろげよう

私達はマリンファン創造活動を通じて、お客様にとって魅力あるマリンライフアドバイザーを目指します

会社概要

創業:1953年
設立:1999年
資本金:2,000万円
事業内容:船舶販売事業、マリーナ事業、サービス事業、部品販売事業、特機事業
従業員数:14名
所在地:長崎県西彼杵郡時津町久留里郷1439-10
TEL:095-882-1829
URL:https://yamaha-marine.ne.jp/