常陽物産(株) 代表取締役会長 長岡 徳樹氏(茨城)
常陽物産(株)(長岡徳樹代表取締役会長、茨城同友会会員)は、1960年の創業以来「物をつつむ、人をつつむ、心をつつむ」の信念のもと、包装・梱包・物流関連の事業を基本とし「お客様第一主義」に徹しています。
地球環境問題が大きく取り上げられる中、リサイクル率の高い段ボールの製造、リユースされる包材・リターナブルな容器の提案をはじめ、環境保全対応商品の研究・開発に取り組んでいる会社です。
創業以来の「つつむ」というテーマのもと、段ボールの製造以外に、建築、造園・緑地工事、介護など、多角的に人と地球に貢献できる企業として地域の人々の暮らしや生活に役立つ事業を展開しています。
同友会との出合いと学び、茨城同友会設立に尽力
長岡氏は、段ボール印刷紙器製造販売事業をしていく中で、著名な経営コンサルタントの勉強会で学んでいました。そこで学ぶトップダウンの経営論にしっくりしないものを感じていたところに、経営者仲間から「茨城に同友会をつくるから手を貸してくれ」と言われて同友会と出合いました。例会の後のグループ討論や同友会の理念や考え方に感銘を受け、「トップダウンのやり方より同友会だ!茨城にも絶対に同友会をつくらなければならない!」という思いを強くし、同友会へ入会。茨城同友会の創立メンバーの一人として尽力し、代表理事などの役員を歴任、現在は相談役として、現代表理事をはじめとした役員、事務局を支えています。
茨城同友会の設立当初から全国大会などで北海道から沖縄まで全国を飛び回り、各地の同友会に仲間ができました。「同友会は、全国の素晴らしい経営者との交流、本音の話・裸の付き合いができる、そしてそこで得た学びを自社で実践して結果を出す、これが同友会の醍醐味だ。私は同友会に入って仲間という『宝』ができ、『理念』ができた。トップダウンから人間尊重経営にシフトしたことで今がある。経営者として、幾多の困難に直面して、『あぁ、これが同友会で学んだことなのか!』ということがわかる。未来工業(株)の山田昭男社長(岐阜同友会元代表理事、故人)にいろんなことを教えてもらった。これも同友会に入っていたからこそのつながり。特に青年経営者には茨城だけではなく、全国の同友との学び合いも大切にしてほしい」と長岡氏は熱く語ります。
関東・東北豪雨「鬼怒川決壊による水害」を乗り越えて
2015年9月に発生した記録的な大雨により、常総市三坂町の鬼怒川の堤防が決壊して、茨城県の県西地域は大規模な浸水被害に見舞われ、長岡氏は会社も自宅も水害に遭い、甚大な被害を受けました。現社長である息子さんは、従業員の安全を確保し、最後まで会社に残ったことで避難できなくなり、自衛隊のボートで救助されたと言います。長岡氏は、水害直後に同友会事務局に連絡を入れ、「全国の同友会の仲間で今回のような水害から復興した企業の事例や過去の資料で参考になるものがあれば教えてほしい」と訴えました。自社の存続はもちろんのこと、地域の仲間を思っての行動でした。「この時、茨城同友会の仲間をはじめ、全国の同友会からたくさんの支援があり、改めて同友会の絆を感じた」と長岡氏は話します。
当時を振り返り、「過去の大雨でもここまでは来なかった。今回も大丈夫という油断があった。油断が一番いけない。経営も同じ。何が起こるかわからないという危機感を常に持っていなければならない。同友会の3つの目的にある『強靭な経営体質』をつくって、どんな災害も乗り越え、経営を維持していかなければならないと改めて肝に銘じた」と言います。
同友会への期待~中同協50周年に寄せたメッセージ
同友会に入会して30年以上が経ちました。やはり同友会は人間尊重の経営。同友会理念における「自主・民主・連帯の精神」はまさに人間尊重だと思います。私は同友会で学んだからこそ、トップダウン経営から人間尊重経営にシフトし、経営指針をつくり上げることができました。同友会があったからこそ今日の自分があります。
今、新型コロナウイルス感染症の影響により、苦しい経営を強いられている仲間が全国にたくさんいると思います。刻一刻と変わる局面に翻弄(ほんろう)され、先行きが見通せない不安の中で経営を維持していくことは大変なことです。
緊急事態宣言が解除されたとはいえ、今後も新型コロナウイルスの影響の長期化を考えると、厳しい状況に変わりはありません。しかし、同友会の会員は企業のリーダーです。決して折れることなく、竹のようにしなって、柔軟性を持って変化に対応していってもらいたいと思います。
そして、こんなときこそ同友会です。同友会の仲間には、士業をはじめとしたその道のプロがいる。いくつもの経営危機を乗り越えて来た先輩経営者がいる。今まさに同友会が求められています。全国同友会の仲間との絆をますます強くし、この危機を一緒に乗り越えていきましょう。
会社概要
設 立:1960年
資本金:2,987万円
事業内容:包装材、段ボール、紙器、物流資材他建築、建築工事全般(人口木、新築、リフォーム)カーテンレール、ブラインド、カーテン、内装材
関係会社・社会福祉法人東雲会(デイサービスセンター よしの荘、特別養護老人ホーム よしの荘、ケアハウス よしの荘、小貝保育園)
従業員数:13名(本社。グループ全体では約150名)
所在地:茨城県常総市中妻町5225番地
URL:https://joyobussan.jp/