
(株)共立 代表取締役 石綱 知進氏(栃木)
(株)共立(石綱知進代表取締役、栃木同友会会員)は、公共工事(管工事・機械器具設置)を中心に、製造工場の配管・ダクトなどのユーティリティ工事、産業機械の製作を手がける企業です。
職人主導型からチーム経営へ

石綱氏は大学卒業後、家業でもある共立へ入社しました。当時の現場は典型的な職人主導型で、下請け比率が高く、長時間労働や土日の出勤は当然とみなされていました。同業では珍しいことではなく、若い社員として疑問を抱くことも少なかったといいます。
潮目が変わったのは2002年前後。アメリカのITバブル崩壊によって国内の設備投資が停滞し、同社の案件も一気に減少しました。新しい分野を開拓しなければ事業が維持できない局面へ追い込まれます。そうした中、土木建設業の談合問題が社会的な批判を浴び、入札の透明化が進んで電子入札が導入され始めました。石綱氏は公共工事への参入を決め、ました。その過程で、社員の保有資格や経験年数が会社の競争力そのものであると認識します。個人の力量だけでは限界があり、社内で情報を共有しながら参入作業を進めていきました。
社員の挑戦意欲を高める

石綱氏が経営指針を強く意識したのは、2008年のリーマン・ショックのときでした。設備関連の仕事は年明けの2009年になって急停止し、受注が激減。前年比70%程度まで落ち込む中、成り行き任せでは立ち行かないと、経営指針セミナーの受講に踏み出しました。指針セミナーでは理念づくりと長期・中期的な視点を学び、「進み続ける」という理念に基づいて人材育成制度を設置します。社員には単に資格試験や技能講習を推奨するだけでなく、社員が自ら希望資格を申請し、会社が支援する仕組みを整えました。
制度導入後は社員の挑戦意欲が高まり、社員16名のうち施工管理技士9名、建設業経理士2級1名と、有資格者が多い会社へと変わっていきました。資格取得は、社員一人一人の専門分野への自覚と誇りを促し、受注の幅と技術領域の拡大にもつながりました。その結果、当初は民間工事100%だった業態が、公共と民間で比率が3対7まで顧客構成が変化しています。景気の動向に左右されにくい体質へと、少しずつ変えていきました。
「進み続ける」
一方、2025 年には外部環境が急速に変化し、同社も従来の延長線では対応が難しくなっています。事業が成り立つ前提条件が大きく変わる中、「進み続ける」という理念を踏まえて変化に対応することが次の時代への条件だと捉え、現在は社員との対話を重ねながら新たな事業の芽を探っています。
同社は職人気質から、専門業者へと会社を変革してきましたが、まだまだ不十分だといいます。「市場の変化や労働環境の変化がそれ以上に大きくなっている。理念を支点とし、社員の力をいままで以上に生かし、さらに変化し続けることができるかが課題。まだまだ改善の途中です」と石綱氏は語りました。
| (株)共立 | |
|---|---|
| 設立 | 1975年 |
| 資本金 | 2,000万円 |
| 事業内容 | 管工事業、機械器具設置工事業、鋼構造物工事業、機械、設備清掃メンテナンス業 |
| 社員数 | 16名 |
| 年商 | 4億円 |
| 所在地 | 〒321-0912 栃木県宇都宮市石井町3379 |
| TEL | 028-656-3508 |
| URL | https://kyoritsu-fc.com/ |










