【第33回】一流社長のまねをして自身も自社も成長をめざす マリーズ工房 代表 内田 まり氏(熊本)

マリーズ工房 代表 内田まり氏(熊本)

 熊本市東区尾ノ上にあるマリーズ工房(内田まり代表、熊本同友会会員)。

 近隣には大きな公園や学校があり、学生や親子連れの来店もあるなど、地域との関わりを持ちながら、顧客や企業の要望に合わせた衣類を中心としたオリジナル製品の印刷・製造業を営んでいます。また、スポーツ選手の衣装にスポンサー企業の刺繡を施したり、ステッカーやラバーストラップの制作を行ったりと多種多様なオリジナル製品を製造しています。

 内田氏は、経営を学びたいと強い思いをもって熊本同友会へ入会。同友会での学びを素直に「まねをする」ことで自身も自社も成長させたいとひたむきな気持ちで活動に参加しています。常に笑顔で前向きに取り組んでいるその姿勢には、見習うべきものがあります。

経営指針の活用による雇用と労働環境の見直し

 コロナ禍で仕事が減少。しかし、「自分のやりたいことにあてる時間ができた」と前向きに捉えてEC販売の事業を開始し、現在も全国の顧客からSNSなどを通して注文を直接受け続けています。

 そのような状況下で初めての雇用をしましたが、その後退職してしまい、「人が辞めてしまうのは自分のせいではないか」と悩みや恐怖心を抱きました。そして2023年に「第26期経営指針を創る会」に参加します。創る会で経営指針の成文化を行う中で、自社の10年ビジョン「クリエイターがモノ作りをできるシェア工房を作り、工房をフランチャイズ化する」ことを掲げ、達成のためには雇用が必要だと改めて認識する機会になったと言います。それまで抱えていた雇用への恐怖心はこの10年ビジョン達成において「自身の小さな悩みだ」と感じるようになり、雇用へ向けて再度動き始めました。

 現在は、パート2名の雇用を新たに行い、システムツールや動画を利用した仕事の共有やマニュアルの整備を行うことで自身は2人のマネージャーだと捉えて、労働環境・教育の体制づくりに継続的に取り組んでいます。

同友会での学びを「まねをする」ことで自社にて実践し未来へつなげる

 「経営指針を創る会」や例会で、他の先輩経営者の自社に向き合う姿勢や取り組みを間近で感じ、素直に自社での実践につなげています。

 「経営指針を創る会」で見た先輩経営者の社員へ向き合う姿勢や、例会で社員を褒めて関係づくり行っていると報告を聞けば自身もまねするなど、徹底して他者の「まねをする」ことで実践。素直に同友会での学びを実践し、「自分は大それた人物にはなれないが、まねをすれば先輩方に近づくことができるのでは」との思いで、自身や自社の見直しを行っています。

 入会前は「自分による自分のための会社」で経営者としての目線はなく、目の前の仕事に向き合っていました。しかし、今ではプレイヤーとしての視点ではなく、成文化した経営指針を活用し、経営について考えながら事業に取り組んでいます。「事業向上におけるアイデアや達成目標を100個考えて、実行に移します」と内田氏は語ります。

 また、支援学校を訪問した際には、卒業する子どもたちが就職する職種の少なさに驚かされ、そのような人もクリエイティブな仕事ができるような環境を作りたいと考えるようにもなったと言います。

 「将来的には就労継続支援A型事業所やシェア工場の貸出を行うことで、モノづくりの楽しさをさまざまな方に体験してもらえるような事業を行っていきたい」と普段と変わらぬ笑顔で未来を見据えています。

マリーズ工房
創立 2016年
資本金 300万円
従業員数 3名
年商 1,000万円
事業内容 ウェア・グッズの販売/刺繍・プリント等加工受注業務
住所 〒862-0913 熊本県熊本市東区尾ノ上1丁目25-25-101 錦が丘公園前
電話番号 096-240-2494
URL https://maryzkobo.com/