日本情報クリエイト(株) 代表取締役会長 米津 健一氏(宮崎)
日本情報クリエイト(株)(米津健一代表取締役会長、宮崎同友会会員)は、宮崎県都城市に本社を置く不動産業界に特化したITソリューションの開発・提供を手がける会社です。2020年7月に東京証券取引所の新興企業向け市場「グロース」に上場。今年で創業30年目を迎え、業績はコロナ禍を経ても、堅実に右肩上がりを続けています。
大きな夢が事業の原動力
地方から日本一になるという視座で、米津氏は事業に向き合ってきました。創業当初の事業は、アパレル関係の販売管理ソフト開発。しかし、売り上げがなかなか伸びず、創業3カ月目で決断を余儀なくされました。その時に、米津氏はどうしようかと悩んだ挙句、当ソフトの開発をやめるという決断を開発者に伝えました。その後、新しいサービスとして「建築見積ソフト」を作成。全国に営業を行い、事業を立て直すことができました。
1995年、不動産事業者に対して業務支援をするシステムを開発。発売後2年間は宮崎を中心に九州内で実績を積んで製品の機能を強化し、1999年に東京営業所を開設。この時の社員数は13名でした。以来、順調に拠点展開を進め、現在では社員数335名以上、全国に30拠点を展開し、7,000社を超える導入企業実績となっています。 事業が成長し上場できた理由として、米津氏は「一つに強い事業をつくってきたこと。もう一つは何と言っても同友会の学びを徹底的に実践してきたからだ」と語ります。
「できる」×「選ぶ」で勝てる事業をつくる
事業戦略は負けないところで勝負する。「建築見積ソフト」である程度事業を安定させることができてきた時に、米津氏は次に開発する新商品について「絶対に勝たないといけない!」という気概で臨んでいました。 米津氏は、今でも事業づくりに大事にしている4つの条件で考えました。①新技術が必要なものである、②大手メーカーが参入できないようなところ、③市場が大きいところ、④高単価(100万円以上)で売れるところ、の4つです。この条件に当てはまったのが、現在の同社の主力商品の前身である「賃貸革命」です。
同友会での学びを徹底的に実践する
同友会で学んだことは実践あるのみ。米津氏は、同友会での学びは、①経営者としての覚悟、②経営理念の重要性、③経営指針書の成文化、④社員との信頼関係の構築、の4つだと語ります。会社設立7年目(2000年)の時に同友会へ入会。今も在籍する「きりしま支部」が設立した時で、すぐに経営理念作成セミナーに参加し、経営理念をつくりました。「労使見解」との出合いもこのセミナーで、会社創立から10期目の時です。
経営理念を社員と共有するために、クレド(行動指針)カードを作成し、月1回クレド会議を重ねています。米津氏が一人で作成していた経営指針は今では部課長が中心となって作成。毎年の発表会には全国の営業所から全社員が集まります。経営指針書をつくる時の最大のポイントは、「事業環境の変化をどう捉えるかだ」と米津氏は言います。そしてバックキャスティングの思考。
時には幹部から「トップダウンでいいじゃないですか」という発言もあるなか、ていねいに論議を重ね、時代の変化に対応できる強固な組織づくりを行ってきたことが、コロナ禍でも会社として成長できたことにつながっています。今めざしているのは、不動産業務領域を網羅した一気通貫のプラットフォームを提供し不動産DXを促進すること。現場から伝わる要望=お客様のニーズについて、その背景とニーズの先にある本来の目的を考え、本質をついた商品開発でお客様に最高のシステムを提供するという強みを発揮して、さらなる飛躍をめざしています。
さいごに
米津氏は、第52回青年経営者全国交流会in宮崎の9月20日(金)で実施する記念講演で登壇します。勝てる事業づくりと同友会の学びをいかした実践という2つのテーマでの講演です。「コロナ禍などで社会情勢が変わっていく中でも、地方企業が業績をあげていくために必要なことは何か」について自社へのヒントが得られるはずです。
日本情報クリエイト(株) | |
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設立 | 1994年8月1日 |
資本金 | 728,528,200円 (2023年12月31日現在) |
従業員数 | 335名(2023年6月末現在) |
年商 | 37億7千万円(2023年6月期現在) |
事業内容 | 不動産業界に特化したIT活用のソリューション企業として、不動産業務支援となるサービスを開発・販売 |
所在地・TEL | 宮崎本社 〒885-0072 宮崎県都城市上町13街区18号 TEL:0986-25-2212 東京本社 〒160-0023 東京都新宿区西新宿6-10-1 日土地西新宿ビル12F TEL:03-6387-9288 |
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