【第34回】先代の精神や想いを引き継いだ経営理念を掲げて 福田産業(株) 代表取締役 福田 隆将氏(神奈川)

 

福田産業(株) 代表取締役 福田 隆将氏(神奈川)

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 横浜港で梱包用資材(主に釘打機)の販売からスタートとした福田産業(株)(福田隆将代表取締役、神奈川同友会会員)は46期目を迎えました。創業者は父親(現在会長)で福田氏は2代目社長になります。

 福田氏は大学卒業後、同社の人手が足らず、すぐ手伝うかたちで入社しました。ところが1年後、配送業務中に大きな交通事故に遭い、ケガはなかったものの、運転恐怖症に陥ってしまい退社することに。在学中に漠然と海外で仕事をしたいと思っていたためイギリスに渡り、語学学校を経てマルチメディア関連の会社に就職しました。その5年後、母親から父親の仕事が大変なので戻って来てほしいという内容の手紙が届き、2001年に同社に戻る決意をしました。

社内コミュニケーションの課題

 当時、会社としては輸入商材を多く取り扱っていこうとしていた時で、英語が話せる福田氏は活躍のフィールドを広げていきました。現在では、中国・オーストラリア・ドイツ・アメリカの製品を取り扱っています。また父親である社長との関係は良好でしたが、社内を見渡してみると、部署ごとのコミュニケーションはバラバラで全く組織に動けていないという課題がありました。

同友会との出合い

 

 そのように悩んでいた時に、事業承継コンサルティングをお願いしていた方(神奈川同友会会員)の紹介で神奈川同友会に出合いました。そして、勧められるままに経営指針作成部会を受講して経営指針を成文化。先代がつくっていた社是「『人間尊重』『創造性』『業績』を三位一体としたパイオニア精神」があるなかで、その精神や思いを引き継ぐかたちで以下の経営理念をつくりました。

経営理念「私たちは未来を切り開く勇気を誇りにしグローバルに広がる人の夢を実現します」

 また同友会の事業承継グループ研究会にも参加し、事業承継のプランニングや社長の退職金、株価問題など、何も知らなかったことが多く、目からうろこが落ちました。
経営指針の作成を通して、必要に迫られて社内コミュニケーションを取るようになり、徐々に社員の考えていることや部署ごとの温度差も改善されつつあります。

経営指針を毎年更新する

 2015年に社長に就任した福田氏。「今後の課題の一丁目一番地は、経営指針を毎年しっかりと更新し続けることです。また新卒採用にもチャレンジしていき、社員の個性を生かしながら、輸入商材で差別化した独自のビジネスモデルを展開していく」と力強く語っています。

会社概要

創 業:1969年
資本金:2,400万円
社員数:19名
事業内容:各種包装資材の販売、鉄鋼二次三次製品の販売、各種土木・建築資材の販売
所在地:神奈川県横浜市鶴見区駒岡4-23-64
TEL:045-584-0991
URLhttp://www.fukuda-sangyo.com/