【特別版】一本のねじに載せた想い~プライド~ (株)キットセイコー 代表取締役 田邉 弘栄氏(埼玉)

田邉弘栄社長

(株)キットセイコー 代表取締役 田邉 弘栄氏(埼玉)

社屋

 2018年11月に設立した埼玉同友会の新地区、彩北地区会で宇宙を視野にいれて活躍する、特殊ネジのオーダーメイド加工を営む(株)キットセイコー(田邉弘栄社長、埼玉同友会会員)。田邉氏は大学(理学部化学科)を卒業後に外部の機械メーカーにて2年間の修行後、キットセイコーに3代目として入社しました。

人工衛星にも使われる『ねじ』

ねじ

 同社では、私たちの身近にあるさまざまなモノに使われている『ねじ』をオーダーメイドで1本から製作しています。少量多品種生産を得意とし、全てがオーダーメイド、一般には市場にないチタンなどの材質を使用し、人工衛星・原子力・鉄道・半導体部品・F1(自動車レース)と長年にわたり使用されるなど、品質・精度・耐久性などが高く評価され、日本の人工衛星では70機にキットセイコーの特殊ネジが搭載されています。

人工衛星

 最近では人工探査衛星はやぶさ2号のプロジェクトに参画し、エンジンや放射線計測装置など各種装置に約500本のねじを搭載、実験用を含めると2000本を供給しています。人工衛星用のねじを請け負い始めた当初は人工衛星がまだ普及しておらず、人工衛星に搭載されるとは知らずに「ねじなら製作できる」と何でもやってみる企業風土で取り組みました。今後はロボットや医療・福祉、スポーツなどの分野などへのビジョンを描いています。

イキイキと働ける職場環境へ

社内

 その一方、朝礼やKC活動(Keep Clean)、同じ職場内で品質管理活動を自発的に小グループで行うQCサークル活動をはじめ、全日本製造業コマ大戦への参戦、就業時間中のレクリエーション大会開催、そしてワークライフバランスに取り組み、配偶者の誕生日に特別休暇を付与するなど、家族を一番に考え居心地のよい場づくりを心がけ実践しています。

 採用については将来を見据え、就職しづらい時期にあえて採用して長く働いてもらいたいという思いから、子育て世代の女性パート職員を積極的に採用しています。また、定年を迎えた熟練社員を再雇用しマイスターと位置づけ、その熟練工の高度技術を承継する仕組みを取り入れるなど、イキイキと働ける職場環境がそこにはありました。

 まさに「プライド」を感じさせる企業です。

会社概要

設 立:1940年
資本金:1,200万円
事業内容:特殊ネジのオーダーメイド加工
従業員数:20名
所在地:埼玉県羽生市大字上手子林280
URL:http://www.kitseiko.co.jp/