【第6回】社員の夢を叶える、カッコいい経営者をめざして (株)ブリッジ 代表取締役 亀澤 隼人氏(鹿児島)

(株)ブリッジ 代表取締役 亀澤 隼人氏(鹿児島)

 (株)ブリッジ(亀澤隼人代表取締役、鹿児島同友会会員)は、鹿児島市の繁華街、天文館にて「男流散髪屋」という屋号の理髪店を2店舗、運営しています。男性客専用で、シャンプーカットとスタイリングのシンプルなメニューをリーズナブルに提供。あえて予約は受けず、空いた時間にフラッと来店できるサロンです。

経営者になる決意

 亀澤氏は、鹿児島市内の専門学校に進学して理容師免許を取得後、大阪の大手理髪店で腕を磨き、周りに良い影響を与える人になりたいとリーダーになることを目指し、マネジメント等の勉強にも励みました。

 鹿児島で開業するにあたり、当時の社長から「街の散髪屋か、経営者か。なりたいのはどっちなん?」と質され、理容業界を働きやすい労働環境へ変えていきたいという思いから経営者になることを決意します。

 大阪で働きながら鹿児島に通って開店準備を行い、2015年12月23日、1店舗目となる中町店をオープンしました。

同友会での学び

 経営が軌道に乗ってきたころ、会員の誘いで、2016年12月、同友会に入会します。例会のグループ討論で自分の失敗談すら赤裸々に話す人がいて衝撃を受けたという亀澤氏。他者の経験を通じて自分の引き出しが増えるような、そんな感覚があったと言います。

 同友会の学びの面白さに気づいた亀澤氏は、その後、支部幹事や青年部会の幹事など、役を依頼されたら迷うことなく引き受け、さらに学びを深めていきました。

コロナ禍での決心

 2017年11月23日にオープンした2店舗目・東千石店の経営がようやく軌道に乗ってきた2020年の春、新型コロナウイルス感染症が流行。天文館から人通りが消え、売上が激減しました。条件面から助成金の申請ができない一方で、感染対策に係る費用負担は増え、経営状況が悪化。店舗の1つを早々に閉めた方がよいかと思い悩む日々が始まりました。

 そんな中、コロナ禍でも活動を止めていなかった同友会で経営指針委員長と出会い、現状を打破しようと経営指針セミナーの受講を決めます。

経営指針セミナーでの気づき

 経営指針書を作る上で、自社をどんな会社にしたいか、そのためにはどう経営していくべきかを改めて真剣に考えたという亀澤氏。

 10年ビジョンの作成では、共に働く仲間への思いを再認識し、自分で作り上げたつもりでいた店が、いつの間にか、スタッフとお客様によって作り出されるかけがえのない空間になっていることに気づき、店舗を閉めるという考えは吹き飛んでしまったと言います。亀澤氏が経営者としてやるべきことは、ただ一心に、店舗とスタッフ、お客様との縁を守り抜くことでした。

新たな目標に向かって

 「私たちは共に学び成長し人生を豊かにするためにお客様とのご縁を大切に快適な時間を提供します」という経営理念のもと、行動指針を作成し、社員と共に実践している亀澤氏。

 コロナ禍で不安に苛まれていたのは社員も同じでした。会社の現状を率直に話し共有したところ、社員の言動に変化が見られるようになりました。一人一人が自主的に考え、積極的に行動することができるようになったのです。

 (株)ブリッジの10年ビジョンには、「外部環境の変化に柔軟に対応する」「若手を育てる環境を作る」「社員とその家族を豊かにする」「地域に貢献する」と謳われています。

 「カッコいい散髪屋さんを自分で作ればいい。」と母親に言われたことをきっかけに進んだ理容師の道。「カッコいい散髪屋になる」という母親との約束を果たし、これからは、社員の夢やビジョンを叶えられる「カッコいい経営者になる」という新たな目標に向かって、さらなる高みを目指していきます。

(株)ブリッジ
設立 2015年10月
資本金 10万円
事業内容 理容業
従業員数 正社員5名・パート1名
所在地 鹿児島市中町3番10号
TEL 099-225-5185
URL https://lit.link/bridgekg