(株)おしゃれ劇場 代表取締役 菅野陽平氏(福島)
(株)おしゃれ劇場(菅野陽平代表取締役、福島同友会会員)は福島県須賀川市で創業約60年の呉服販売事業を展開しています。振袖のレンタル・フォトスタジオ事業も手掛け、年商は2億6,000万円、スタッフ数25名。
2代目の代表である菅野陽平氏は、2010年に31歳で同社を承継。経営の知識や経験も乏しい中で財務や資金繰りなどにも苦しみ、またスタッフ全員が女性という環境においてコミュニケーションにも苦労しました。
その矢先、2011年に東日本大震災に直面します。絶えず変化する状況の中、危機を乗り越えるためには取引先との協力が不可欠で、この震災が経営方針や体制を改める転機となりました。
企業文化
経営は一筋縄ではいかず、社員の横領、信頼の裏切りも経験しました。険悪な職場環境、人の悪口・会社の不満・あふれる他責の言葉。菅野氏は「なぜ?」といつも思っていましたが、結局は、経営の失敗は自身の責任であると気づきます。組織の信頼性と透明性を高め、経営理念を明確にし、社員とのコミュニケーションを改善して、組織を成長させる決意をしました。
同社は「“ありがとう”の和を広げ、人々を幸せにする」という経営理念を掲げています。「ありがとう」とお客様から言ってもらえるようなサービスをつくり、また社員同士でも何事に対しても「当たり前」とならず、「ありがとう」を言い合える会社をつくるという思いを込めました。
10個の「コアバリュー(中核となる価値観)」も作成しました。これは、社員全員で半年かけて作成しています。問題が起こった際に、コアバリューに沿ってコミュニケーションをとることで、社内での共通言語として浸透し、判断基準・価値観として明確になることでコミュニケーションが円滑になってきています。
新事業を展開したその先に
菅野氏は、事業再構築補助金に挑戦し、今年6月にフランチャイジーとして新事業エステサロンを立ち上げました。きっかけはフランチャイザー本部のフィロソフィに共感し、そこで働く輝く社員、使命とやりがいを持って働く姿に衝撃を受けたことで、新事業展開へ踏み出す一歩となりました。
抱えていた課題、人財育成(社員がイキイキと働く環境をつくりたい)という悩み。これが社内評価制度を作成するきっかけにもなりました。「会社からどう評価されているの?」という社員の声からキャリアアップ制度を構築し、個人の目標と評価を明確にしています。頑張りを可視化し、社員一人一人が会社から承認されていると感じられるようになりました。今は「成功体験をどれだけ積み重ねていくか」に着目し、日々社員の成長を支援していける体制が少しずつ整ってきています。
これまでは、できていないことにばかり目が向きがちでしたが、新事業立ち上げの環境で、既存事業の社員が基盤となって会社を支えてくれていることに改めて気づき、感謝を実感しています。しっかりと向き合い、承認し、信頼して任せることで成長の機会としています。
社員一人ひとりが財産
「今後も社員一人一人がやりがいを感じながら働ける環境を整え多様な働き方をサポートすることを目指しており、仕事だけでなくプライベートでも充実し、社員自身が人生にやりがいを感じられる環境をつくっていきます」と語る菅野氏。
企業文化の中で理念とコアバリューを共有し、女性活躍を支援し続ける企業として未来に向かって邁進していきます。
(株)おしゃれ劇場 | |
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設立 | 1976年 |
資本金 | 1,000万円 |
従業員数 | 25人(内、パート7名) |
事業内容 | 呉服販売・振袖レンタル・フォトスタジオ・エステサロン |
住所 | 福島県須賀川市西山寺町232 |
TEL | 0248-75-0004 |
URL | http://oshare-g.co.jp/ |