【第35回】同友会の学びと会社の成長は不離一体 だるまミート(株) 代表取締役 宮森 八伸氏(岐阜)

だるまミート(株) 代表取締役 宮森 八伸氏(岐阜)

 宮森氏(だるまミート(株)代表取締役、岐阜同友会会員)は1997年に23歳で実家のだるまミート(株)に入社しました。当時は、創業者である父親が病気で他界し、母親が社長を務め会社を切り盛りする状態。また、2001年に社長に就任する年は、国内でBSEが発生し食肉業界が厳しい状況でした。そんな状況を母親である会長と弟(現専務)と共に乗り切ってきました。ただ、この頃から、売り上げが伸び悩み、今後どうするべきか悩みます。

 そんな時に出合ったのが同友会。ビジター参加をして、即入会を決意、2008年7月のことでした。

会社を支えているのは社員さんやパートさん

 入会後、すぐに役員となりさまざまな行事に参加、経営者の方たちとの交流を通じて会社をよくしようと同友会の学びを自社で実践します。ところが実践すればするほど社員の不満がつもり、ついには幹部社員から突然の辞表を突き付けられました。

 突然の辞表は宮森氏にとってショックなことで、「なぜ…」と考える中で、今まで自分が同友会に求めていた学びは「会社をよくする」こと。ただ、そこに社員に対する思いが抜けていました。「会社を支えているのは社員さんやパートさん」だと気づきます。

 そこから、学びの視点が「社員が働きやすい職場環境」に変わります。視点を変えて学ぶ中で、2017年に社員との個人面談を行うことを決意。個人面談では「休みが少ない、連休がない」「給与が少ない」など耳の痛い意見もありましたが、それを最後まで聞き、内容を整理して職場環境改善をテーマに取り上げて皆で話し合いを行いました。

 就業規則を見直し、年間休日を増やす取り組み、福利厚生の充実やパートさんにも子ども手当や賞与、退職金制度の導入などを行います。

 これらの実践を行うなかで、改めて「会社に対しての要望や悩みを聞くことの大切さ」「社員一人一人に向かい合い不安を聞き、共に悩むことで解決案を考える」ことの大切さを実感しました。

「岐阜で一番待遇が良く働きやすい肉屋」を目標に

 2020年新型コロナが流行、外食産業の取引が80%であるだるまミートも大変な打撃を受けました。緊急事態宣言を前にして朝礼で「どのような困難があっても経営者には会社を維持・発展させる責任がある。断固たる覚悟で絶対に雇用は守る。社員やその家族の命と健康は守る。そのために全社員の力を合わせてこの難局を乗り切ろう」と宣言します。

 外部環境が厳しくとも、前回のBSEのように経営陣だけが頑張るのではなく、全社でさまざまな知恵を出し合い、営業強化はもちろん、これまで取り組んでこなかったインターネット販売、贈答品としての売り込みなどを行い、結果として売り上げの減少を最小限に抑え、利益を確保することができました。

 今後について、宮森氏は同友会の学びと会社の成長は不離一体として、「岐阜で一番待遇がよく働きやすい肉屋」をスローガンに、頑張れば報われる会社をみんなでつくることをめざしています。

だるまミート(株)
設立 1976年(昭和51年)
資本金 1,000万円
社員数 53名(うち取締役3名)
年商 15,4億円
事業内容 食肉販売業
所在地 岐阜県岐阜市西川手6-2
TEL 058-271-1340
FAX 058-275-2529
URL http://www.daruma-meat.co.jp/