(株)ソフナーズ 代表取締役 阿久津 隆男氏(茨城)
(株)ソフナーズ(阿久津隆男代表取締役、茨城同友会会員)の阿久津氏は、2017年に宮城同友会主催の『経営指針を創る会』を受講。社員全員で経営指針書を策定しました。それ以来毎年、指針書を更新。毎年7月には同社の恒例行事となった経営指針発表会を継続して行っています。
同社の主力事業はLPガス販売店向け業務管理パッケージソフトの開発と販売。人口減少や大手企業の進出による市場縮小に対して危機感を持ちながらも、経営指針が示すテーマの一つ「人を生かす経営」を念頭におきながら、新しいサービス展開と社内体制の強化に挑戦しています。
ピンチをチャンスと捉え新商品開発
ソフナーズは、毎年更新される経営指針に基づき、経営理念や10年ビジョンから導き出される中期経営計画から単年度計画をブレイクダウン。一丸となってそれに取り組むことで、社員の自発的な成長と企業の持続的な発展をめざしています。2021年のコロナ禍で売り上げが急落した際も、同社はこれを「技術力を高めるチャンス」と捉え、新技術の習得に注力しました。結果として、新商品の開発チームを立ち上げ、食品衛生管理クラウドサービス『ezHACCP(イージーハサップ)』の開発に至りました。
社員の成長のための仕組みづくり
『ezHACCP』は、食品衛生管理の義務化に対応したクラウドサービスです。当初は飲食店向けに提供されていましたが、コロナ禍の影響もあり、初期の導入は厳しいものでした。その後ターゲットを食品製造業に変えることにより、今後の成長を見据えた重要な一歩となりました。
阿久津氏は、社内体制の強化にも力を入れており、営業の外部委託を見直し、自社の営業力を強化する取り組みを進めています。また、社内の業務分担を見直し、新しい技術を獲得するための教育や評価制度の整備にも取り組んでいます。これにより、社員一人一人が自発的に目標に向かって進むことができる環境をつくり上げています。
社内では、チーム制を導入。新商品開発チーム、渉外チーム、社内環境チームの3つに分けてプロジェクトを推進しています。チーム制によって責任感が生まれ、進捗状況の確認を半月ごとに行うことで、社員のやる気と取り組みの質が向上しています。
さらに、阿久津氏は地域とのつながりを重視し、中学生の職場体験を積極的に受け入れています。これにより、地元の子どもたちにプログラミング教育を提供し、地域社会に貢献するとともに、若手社員の成長機会をつくり出しています。中学生に教えることで若手社員は「伝える技術」を学び、自己成長を遂げています。
同友会の活動を通じて、阿久津氏は「社員に任せる勇気」を持ち、社員が自ら考え行動する機会を積極的に提供しています。学びの場を多く設けることで、社員が実践を通じて成長し、会社全体が持続的に発展することをめざしています。
(株)ソフナーズの取り組みは、中小企業がポストコロナ時代に向けて、いかにして経営革新を進め、社員の成長と企業の発展を両立させるかの一つのモデルケースと言えます。阿久津氏の挑戦は、同じ志を持つ経営者たちにとっても、大いに参考になるはずです。
(株)ソフナーズ | |
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設立 | 1996年(平成8年)5月 |
資本金 | 1,000万円 |
従業員数 | 7名 |
年商 | 6,000万円 |
事業内容 | ・企業向け事務系ソフトウェアの開発、開発支援、設計および販売 ・LPガス販売店向け業務管理パッケージソフトの開発、販売、保守 |
住所 | 茨城県那珂市額田南郷1099-7 丸大ビル2F |
電話番号 | 029-295-8003 |
URL | https://softeners.jp/ |